• なばりしりつくらもちしょうがっこう
  • 名張市立蔵持小学校

  • Nabari Municipal Kuramochi Elementary School
  • 種別 地区
  • 主な活動分野環境, 文化多様性, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解, 持続可能な生産と消費

所在地 〒518-0752 三重県名張市蔵持町原出338
電話番号 0595-63-0068
ホームページ http://www.nabari-mie.ed.jp/e-kura/
加盟年 2012

2023年度活動報告

活動分野

減災・防災, 環境, 文化多様性, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解, 持続可能な生産と消費

〇本年度の活動内容

本校は平成24年にユネスコスクールに認定され,ESD(持続可能な開発のための教育)の視点を取り入れた学習活動を展開し、子どもたちに「批判的に考える力」「未来を予測して計画を立てる力」「多面的・総合的に考える力」「コミュニケーションを行う力」「他者と協力する態度」「つながりを尊重する態度」「進んで参加する態度」など、問題解決に必要なさまざまな能力や態度を育成することを目指している。

本校の児童は,自分の考えや気持ちを伝えることが苦手な子,友だちの思いや考えをしっかりと聞いて受けとめることができにくい子,学習で分かったことや考えたこと自分の意見等を論理的に書き表すことが苦手な子が多く,表現力やコミュニケーション能力の育成が課題である。また,与えられた課題に対しては,進んで仲間と協力しながら取り組む子は多いが,自ら課題を見つけ,多面的・総合的に考え,批判的な視点からさらに深く課題を解決し行動する力は弱い。また,全国学力・学習状況調査結果から,学習して得た知識や情報、技能を応用したり,活用したりする力の育成や、考えたことをもとに自分がどうするかを判断し,主体的に行動していく力を高める必要がある。

このような課題を克服するために,ESDの視点を取り入れた研究を進め,各教科や総合的な学習の時間での教科等横断的なカリキュラムを編成し「自ら課題を見つけ,仲間とともに意欲的に解決しようとする子の育成」をテーマに,研究を行っている。また2019年度から,SDGs(持続可能な開発目標)との関連性も視野に入れた教材開発に取り組んでいる。

具体的には、蔵持の人・もの・自然・文化・歴史とのつながりを重視した「自分たちとの関連が深く,興味・関心を持って,自分たちで学習を深め,行動化に移しやすい題材」として、①防災学習 ②米作りを通して  ③オーストラリアの小学校との交流 に取り組んだ。

 

①「安全な町にするために」の学習(4年生)

【SDGs11 住み続けられるまちづくりを】

社会科、総合的な学習の時間において防災学習の一環として、学校内の防災設備や災害対策について調べた後、災害時の避難所となる市民センターを訪問し、防災設備を見学したり、センターの取組についてお話を聞いたりすることを通して地域の防災の備えについて学んだ。また、市の防災センターでは、備蓄倉庫の見学、地域の消防団の方への聞き取り、土のうつくり体験等を通して、市全体の防災対策を学び防災意識を高めるとともに自分たちにできることを考えることができた。さらに、今年度は、名張市総合防災訓練の一環として、地域の消防団員3名に来ていただき、全ての学年で防災に関する学習を行い、毛布と物干し竿で作る簡易担架の作り方を教わった。

 

②「わたしたちの食生活と食料生産」の活動(5年生)

【SDGs15 陸の豊かさも守ろう】

社会科で米作りについて教科書やインターネット等を用いて学習した。市民センターにも協力を得て、地域の方に学習田を提供していただき、ゲストティーチャーとして地域の方を招聘し、田植えや稲刈りの指導をしていただき、出来上がったお米は家庭科の時間に炊いておにぎりにしていただいた。また、刈り取った後の藁を使ってしめ縄をつくる体験活動も行った。今年度は、伊賀市在住の方にその地域で昔から行われている伝統的な編み方でしめ縄を作る方法を教えていただき、立派なしめ縄を作ることができた。

 

③オーストラリアのハンティングデール小学校との交流(5,6年)

【SDGs17 パートナーシップで目標を達成しよう】

オーストラリアのメルボルン市にあるハンティングデール小学校と、5,6年生同士がGoogle meetを活用してリモート交流を行った。昨年に引き続き今年度もハンティングデール校の子どもたちが修学旅行で来日し、実際にふれあう交流はできなかったが、自己紹介や互いの国の文化や学校生活について、子どもたちがクイズ形式で紹介したり、互いに感想を伝え合ったりして交流を深めた。ハンティングデール校の子どもたちに話す内容をこれまで学習した英単語やフレーズを使って英語で伝えるにはどうすればよいかを考えながら発表原稿を作成する取組を通して外国語の授業への意欲も高まった。ともに広い視野をもち、異文化理解や相互に協調して生きていく態度を育てる機会となった。

来年度の活動計画

今後も学習指導要領の重点課題である「主体的・対話的で深い学び」による授業改善を継続して行い、これまで同様ESDの視点を取り入れた授業実践を行うとともに、言語活動を充実させることによって、言語能力の向上を図る。特にSDGsとの関連性を意識して,これまでの教材の見直しや新しい教材を開発していく。

さらに学習の柱として、生活科や総合的な学習の時間に「地域に根ざした学習」として、地域の人・もの・自然・文化・歴史とのつながりを重視した学習を今後も取り入れる。自分たちとの関連が深い題材を選定し、興味・関心を持って自分たちで学習を深め、行動化を促し、学習の中に適切で工夫した言語活動を取り入れ、子どもたちの弱みである言語能力の向上に結びつける。また、地域(蔵持、名張、三重)を好きになり、よさを見出すことにより、地域の課題を地域の方と一緒に解決したいと行動する未来志向の子どもたちを育てる。

過去の活動報告