2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

減災・防災, 環境, 文化多様性, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解, 持続可能な生産と消費, 健康, 食育

本校は平成24年にユネスコスクールに認定され,ESD(持続可能な開発のための教育)の視点を取り入れた学習活動を通して、子どもたちに「批判的に考える力」「未来を予測して計画を立てる力」「多面的・総合的に考える力」「コミュニケーションを行う力」「他者と協力する態度」「つながりを尊重する態度」「進んで参加する態度」など、問題解決に必要なさまざまな能力・態度の育成を目指している。

本校の児童は,自分の考えや気持ちを伝えることが苦手な子,友だちの思いや考えをしっかりと聞いて受けとめることができにくい子,学習で分かったことや考えたこと自分の意見等を論理的に書き表すことが苦手な子が多く,表現力やコミュニケーション能力の育成が課題である。また,与えられた課題に対しては,進んで仲間と協力しながら取り組む子は多いが,自ら課題を見つけ,多面的・総合的、批判的に考え,さらに深く課題を解決し行動する力は弱い。また,全国学力・学習状況調査結果から,学習して得た知識や技能を応用したり,活用したりする力の育成や、考えたことをもとに自分がどうするかを判断し,主体的に行動していく力を高める必要がある。

このような課題を克服するために,ESDの視点を取り入れた研究を進め,各教科や総合的な学習の時間での教科等横断的なカリキュラムを編成し「自ら課題を見つけ,仲間とともに意欲的に解決しようとする子の育成」をテーマに,研究を行っている。また一昨年度から,SDGs(持続可能な開発目標)との関連性も視野に入れた教材開発に取り組んでいる。

具体的には、蔵持の人・もの・自然・文化・歴史とのつながりを重視した「自分たちとの関連が深く,興味・関心を持って,自分たちで学習を深め,行動化に移しやすい題材」として、①防災学習 ②米作りを通して ③オーストラリアの小学校との交流 に取り組んだ。

①「安全な町にするために」の学習(4年生)

【SDGs11 住み続けられるまちづくりを】

社会科、総合的な学習の時間において防災学習の一環として、学校内の防災設備や災害対策について調べ学習に取り組んだ。その後、地域の市民センターでの防災設備や活動を実際に見学して学んだ。また、市の防災センター見学や消防団活動の学習を通して、市の防災対策を学び防災意識を高めた。

②「わたしたちの食生活と食料生産」の活動(5年生)

【SDGs15 陸の豊かさも守ろう】

社会科で米作りについて教科書やインターネット等を用いて学習した。地域市民センターにも協力を得て、ゲストティーチャーとして地域の方を迎え、学習田の提供、稲の成長観察や稲刈りの指導をしていただくとともに、出来上がったお米もいただいた。今年度は、田植え、稲刈りを体験することもでき、グループに分かれて案山子を作成して学習田に設置する体験活動も行った。

③オーストラリアのハンティングデール小学校との交流(5,6年)

【SDGs17 パートナーシップで目標を達成しよう】

オーストラリアのメルボルン市にあるハンティングデール小学校と、5,6年生同士がzoomを活用してリモート交流を行った。 今年度もハンティングデール校の子どもたちが修学旅行で来日し実際にふれあう交流はできなかったが、リモート通信で、自己紹介や互いの学校のこと、学習したことを紹介したり、両校とも歌の発表をしたりするなど、子どもたちが互いの思いを伝え合った。共に広い視野をもち、異文化理解や相互に協調して生きていく態度を育てる機会となった。

来年度の活動計画

今後も新学習指導要領で謳われている「主体的・対話的で深い学び」による授業改善を行い、これまで同様ESDの視点を取り入れた授業実践を行うとともに、言語活動を充実させることによって、言語能力の向上を図る。特にSDGsとの関連性を意識して,これまでの教材の見直しや新しい教材を開発していく。

さらに学習の柱として、総合的な学習の時間や生活科に「地域に根ざした学習」として、地域の人・もの・自然・文化・歴史とのつながりを重視した学習を取り入れる。自分たちとの関連が深い題材を選定し、興味・関心を持って自分たちで学習を深め、行動化を促し、学習の中に適切で工夫した言語活動を取り入れ、子どもたちの弱みである言語能力の向上に結びつける。また、地域(蔵持、名張、三重)を好きになり、地域のよさを見出すことにより、地域の課題を今すぐ解決したいと行動する未来志向の子どもたちを育てる。