2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

減災・防災, 環境, 文化多様性, 国際理解, 持続可能な生産と消費, 健康, 食育

本校は平成24年にユネスコスクールに認定され、ESD(持続可能な開発のための教育)の視点を取り入れた学習活動を展開してきた。ESDの概念を取り入れることは、子どもたちに「批判的に考える力」「未来を予測して計画を立てる力」「多面的・総合的に考える力」「コミュニケーションを行う力」「他者と協力する態度」「つながりを尊重する態度」「進んで参加する態度」といった問題解決に必要なさまざまな能力・態度を身に付けることにつながるとされている。新学習指導要領でも「持続可能な社会の創り手となる」子どもの育成が求められており本校の学習活動が、教育の目的及び目標の達成には必要なものであることが分かる。また、2年前から、2015年に国連で提唱されたSDGs(持続可能な開発目標)との関連性も視野に入れながら教材を開発するようにしてきた。

本校の児童には, 与えられた課題に対してはまじめに取り組み,進んでみんなと協力しながら課題に取り組むことができる子が多い。しかし、文章で書かれた情報や、聞き取った情報などを的確に理解し、自分の考えをまとめることが苦手である。また、自分の考えたことや気持ちを分かりやすく筋道を立てて伝えたり、友だちの思いや考えをしっかりと聞いて受けとめたりすることができず、学習で分かったことや考えたこと、自分の意見等を分かりやすく論理的に書き表すことが苦手な子も多い。本校の児童には、言語能力の向上が大きな課題である。

このような児童の課題を克服するために、新学習指導要領で謳われている「主体的・対話的で深い学び」による授業改善を行っている。その授業にこれまで同様ESDの視点を取り入れた授業実践を行うとともに、言語活動を充実させることによって、言語能力の向上に努めている。

①「住みやすい蔵持にするには」の活動(4年生)

【SDGs11 住み続けられるまちづくりを】

総合的な学習の時間、防災学習の一環として、学校内の防災設備や災害対策について調べ学習に取り組んだ。その後、地域の市民センターや防災担当の方、消防団の人々から話を聞くとともに防災備品などの見学を通して、地域の防災対策を学んだ。また、伊勢湾台風や阪神淡路大震災を実際に体験された方からの話を聞き、防災意識を高めた。

 

②「わたしたちの食生活と食料生産」の活動(5年生)

【SDGs15 陸の豊かさも守ろう】

米作り仕事やたずさわる人々の努力や工夫等を、教科書やインターネット等を用いて学習した。ゲストティーチャーとして地域の稲作農家の方を迎え、学習田の提供、稲の成長観察や稲刈りの指導をしていただくとともに、出来上がったお米もいただいた。今年度、田植え体験はできなかったが、バケツ稲の栽培や児童各自が材料を持ち寄り、グループに分かれて案山子を作成して学習田に設置する体験活動を行った。

 

③オーストラリアのハンティングデール小学校との交流(5,6年)

【SDGs17 パートナーシップで目標を達成しよう】

オーストラリアのメルボルン市にあるハンティングデール小学校と、5,6年生同士がzoomを活用してリモート交流を行った。自己紹介や互いの学校のこと、コロナ禍における生活などの話題について、子どもたちが互いの思いを伝え合った。ともに広い視野をもち、異文化理解や相互に協調して生きていく態度を育てる機会となった。

来年度の活動計画

今後も新学習指導要領で謳われている「主体的・対話的で深い学び」による授業改善を行い、これまで同様ESDの視点を取り入れた授業実践を行うとともに、言語活動を充実させることによって、言語能力の向上を図る。

さらに学習の柱として、総合的な学習の時間や生活科に「地域に根ざした学習」として、地域の人・もの・自然・文化・歴史とのつながりを重視した学習を取り入れる。自分たちとの関連が深い題材を選定し、興味・関心を持って自分たちで学習を深め、行動化を促し、学習の中に適切で工夫した言語活動を取り入れ、子どもたちの弱みである言語能力の向上に結びつける。また、地域(蔵持、名張、三重)を好きになり、地域のよさを見出すことにより、地域の課題を今すぐ解決したいと行動する未来志向の子どもたちを育てる実践を推進する。