所在地 〒731-3161 広島市安佐南区伴東三丁目14番1号
電話番号 082-848-1321
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加盟年 2014

2023年度活動報告

活動分野

生物多様性, 海洋, 気候変動, エネルギー, 環境, 文化多様性, 国際理解, 平和, 人権, 福祉, 持続可能な生産と消費, 貧困

本校は、「高い志を持ち、自らの夢や目標に向かってチャレンジする生徒を育て、地域社会・国際社会に貢献する有為な人物を育成する」を学校理念として、ユネスコスクールが重
点的に取り組む3つの分野を通して、他者と協力する態度、他者を尊重する態度、進んで参加する態度、他者(他国の人々を含む)を理解しようとする態度、コミュニケーションを行う力の育成を目標とした。

1.国際理解教育・文化の多様性・平和教育
■三浦恒祺氏との交流(国際平和デー)
三浦氏は本校が旧制広陵中学であった時に在籍されていた方である。2年生の時に被爆され、現在は原爆をテーマに多くの絵を描かれておられる。本校にも絵を寄贈してくださっている。三浦様から創作活動や制作された作品について掲載された記事等を本校宛てに送ってくださったのを契機に、生徒会執行部の生徒達が、その他の記事や三浦様の様々な作品を調べた。OBの三浦氏の活動を知ることで改めて原爆が投下された時のことに思いを馳せた。また三浦氏の創作活動や作品を通して、次の世代に原爆の悲惨さ、平和の尊さ、平和を希求する心を伝えたいという思いをしっかり受け止めることができた。

■慰霊式(本校主催)7月21日(金)実施。全校生徒・全教職員による。(国際平和デー)

本校はかつて広島中心部に近い場所にあり、昭和20年8月6日原爆投下により、生徒、教員が死亡、または負傷している。毎年2学期の終業式に合わせて慰霊式を行い、その御霊とその他犠牲となった多くの御霊を慰霊している。校内の慰霊碑に全校生徒が祈りを込めて折った鶴と花束を生徒会執行部が代表して献納、献花している。折り鶴の作製、原爆による犠牲者についての話、また被爆者の残した詩を全校生徒が聴くことを通して、平和な世界を希求すると共に、自分たちが実現していくのだという思いを強くしている。

■「令和5年度イングリッシュ・キャンプ」

本校の国際理解教育のプログラムの1つである。目的は英語の実践機会を持つこと、海外の方との交流を通して様々な考えに触れることで、国を超えた他者理解に繋げていく契機とする。年度によっては海外からの学生と交流するプログラムも行っている。今年度は7月22日(土)・23日(日)に実施。22日は校内で翌日のフィールドワークに備えて、インタビューの内容、話しかけ方等を準備、練習する。23日は平和記念公園にて訪日外国人にインタビューを行う。内容は訪日の目的、理由、旅程、平和公園や平和資料館訪問の感想について等である。その後、「折り鶴タワー」に行き、英語ガイドを聴き、平和について改めて考えることができた。生徒の中には初めて外国人と交流した者も多く、思ったように伝えられないもどかしさを痛感し、英語習得のモチベーションを強くしたようである。また様々な訪広理由を知り興味深かったとの声もあった。

■「平和記念式典(広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式)添釜」参加(国際平和デー)

8月6日(土)に催された茶会。平和記念式典に参列した方々に広島で上田宗箇流を学ぶ学生達におもてなしをしてほしいという広島市長の依頼によって営まれたものである。この茶会を通してヒロシマに住む若者として平和な社会を構築することの大切さ、他者への思いやりの心を涵養することを目的としている。本校からは茶道部員が参加。当日は国内外問わず本当に多くの方が茶会に来られた。会場には被爆物が展示され、大きな折り鶴のオブジェも設置されていた。生徒達は国内外の多くのお客様をおもてなしし、この平和記念式典に国内外の人たちが大きな関心を寄せていることを実感し、改めて平和の尊さを思ったようである。

■「高校生国際協力体験プログラム」(JICA主催)7月28日(金)~7月30日(日)実施。

世界の抱える課題について理解し、その解決・改善に向けてどのようなことが考えられるかということを自分たちで考えていくことを目的とする。海外赴任経験の職員や海外から訪日している職員、他校の生徒とコミュニケーションを図りながら、他者理解、コミュニケーション能力の養成に繋げていく。2泊3日の日程で中国地方の高校生が集まり、国際問題についてのワークショップを行う。当初4名枠での募集がなされ、校内では応募者多数となり選考を行った。最終的には主催者側より1名に絞ってほしいとの要請があり、1名の参加となった。参加した生徒は大いに刺激を受け、今後の進路決定に影響を与えている。

■「2023広島市・大邱広域市に青少年交流事業」(広島市教育委員会扱)

広島市と韓国大邱広域市の青少年の相互の友情を深めるとともに世界平和への意識を高めることを目的としたプログラムである。7月2日(日)~7月30日(日)の間に3回の事前研修、8月11日(金)~8月14日(月)現地にて学生たちと交流、帰国後2回事後研修及び報告会実施。世界の抱える様々な課題について意見交換を行ったり、同年代の学生たちがどのようなことに興味関心を持っているのか等の日常についての情報交換を行ったりして交流する。本校からは1名の生徒が選抜されて参加。参加生徒は直に交流することで、伝えることの難しさや対面だからこそ築ける関係を実感したようであり、帰国後はそれまで以上に意欲的に学校生活を送っている。

2、環境、持続可能な生産と消費

■「アイシティecoプロジェクト」

昨年度から引き続きコンタクトレンズ空きケース回収活動を生徒会執行部を中心に全校に呼びかけて行っている。この活動は再び視力を取り戻したいという方々のために全額を日本アイバンク協会に寄付する活動である。他者理解をし、自分たちにできることから行うという姿勢を培う活動となっている。

■伴学区クリーン作戦(一斉清掃)参加(ごみゼロ国際デー)

本校が位置する伴地域がコロナ禍以前から毎年行っている地域の一斉清掃活動が復活した。目的は地域を自分たちの手できれいにすることと地域の人との交流である。本校生徒と保護者が参加した。今年は9月23日(土)に実施。割り当てられたエリアの清掃活動を地域の方と共に行う。予想外にゴミらしいゴミは少なかったので、道ばたの草を主に抜くような状況であった。この伴地区は小・中・複数の高校があるエリアである。地域の人々を始めとしてこの地域で活動する人々が、ポイ捨てをしない、地域を美しく保つといった意識を持っているのではないかということが窺えた。これは参加した生徒、保護者も同様に感じたようである。

■校外清掃活動(ごみゼロ国際デー)

本校は基本的に各学期に1回、学年毎に担当を割り振り、校外清掃を行っている。学校周辺の清掃活動を行うことで、お世話になっている地域に少しでも貢献する、自ら清掃することにより自分たちを取り巻く環境について意識する、仲間と共に作業することで仲間意識を培うことを目的としている。1学期に第1学年、2学期に第3学年が行った。3学期には第2学年が行う予定である。

■「SYDボランティア・アクション 福祉ボランティアの基本×似島をキレイに」

公益財団法人修養団主催のプログラムに本校生徒3名が参加。ボランティアについて学び、実際にボランティア活動を実践。また福祉の現場で働く方から体験型の研修を通して、「寄り添う心」を学ぶことを目的としたプログラムである。参加した生徒は他校の生徒との交流や現場の声を直接伺ったことを通して大いに刺激を受けたようである。

3、貧困(貧困撲滅のための国際デー)

■子ども食堂「てらこや」への寄付

今年度の文化祭にて、生徒会執行部が行った企画の収益金全てと企画で残った駄菓子を地元で活動している子ども食堂「てらこや」に寄付をした。この団体は広島市ひとり親世帯居場所づくり事業認定団体である。どこに寄付をするかということも、生徒会執行部の生徒達が自分たちで情報収集し、比較検討をして決定している。この趣旨に賛同してくれた生徒らも多く、他者を慮る態度が育ちつつあるように思った。生徒会長らと共に売上金とお菓子を直接持参し、子ども達とも交流した。その際、運営が厳しいという話や、このように若い世代に関心を持ってもらうことが大切だといったことを伺い、生徒達は今後も何らかの形で貢献していきたいと考えたようである。

■不用文房具回収活動

今年度の文化祭にて不用の文房具回収活動を実施。これは眠っている文房具の活用、そして文房具を求めている人たちに貢献するという目的で行った。段ボール2箱分が集まった。それらを「GIFT for SMILE」という団体に送った。その団体を通してしかるべき国、地域に送られる予定である。今後、その団体から寄付先を知らされたところで全校生徒へはフィードバックする予定である。

4 福祉

■「アルミプルタブ回収運動」

令和4年度末より開始した運動である。回収したプルタブを業者に送り、車いすに変えて寄付をするという活動である。自分たちができる社会貢献の一環としての活動である。校内数カ所に回収ボックスを設置している。また、今年度の文化祭においても改めて声かけをして、協力を呼びかけた。回収運動を知った地域の方が持参されることもあった。今後も継続して行っていく。規程の重さに達したら業者に送る予定である。

■広島市社会福祉協議会より、各企画実施に伴い障がい者の方々の介助ボランティア募集がなされた。いくつかの企画に生徒らがボランティアスタッフとして参加している。

・「2023ひろしまフラワーフェスティバル」

・「ヘアー&ふれあいファッションショー」

・「作業所まつり」 など

参加生徒は初めての者も多く、経験したことで次へのハードルが下がったようで、今後も機会があれば参加したいという声も聞かれた。「共生」とは、ということを肌で感じ、考える契機となったようである。

■「SDGsから考える私たちの暮らし」と題した総合学習

(平和・貧困・環境・人権・海洋・エネルギー・生物多様性など)

令和5年1月12日、26日、2月9日、3月9日の計4回実施。対象は第2学年。1年後には社会に出て働く生徒がいる中、将来私達にできることは何かを考え、具体的な取り組みを提案するための策を出し合うことを活動の中心とする。進学する生徒も自分がこれから選ぶ学問領域がどの分野で社会貢献を果たしているかを考えるきっかけにし、広島県(広島市)における企業のSDGsへの取り組みについても調査することから、身近でできる活動を提案する。各グループでプレゼンテーションすることを目標としたが、時間不足となり、各グループで新聞にまとめるにとどまった。生徒らは協同して調べ、情報を精査し、壁新聞にまとめていった。この活動を通して改めて各分野の現状を知り、それに向けての改善策をどう講じるのかといったことを自分たちなりに考えることができたようである。

来年度の活動計画

■2024年1月~3月に2学年の総合学習の時間にて「SDGsから考える私たちの暮らし」と題して活動する。各グループで調べ学習、プレゼン発表までを行う。

■慰霊式 ■イングリッシュ・キャンプ ■こども食堂「てらこや」への寄付活動

■「アイシティecoプロジェクト」の活動として使い捨てコンタクトレレンズケースの回収

■ユネスコ世界寺子屋運動の「書き損じハガキキャンペーン」を実施予定。

■プルタブ回収を全校で行い、車椅子を寄付する活動を継続。

■能登半島地震被災者・地域への募金活動(2024.1実施予定) ■様々な清掃活動等

■様々なボランティア活動等

過去の活動報告