2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

環境, 文化多様性, 国際理解, 平和, 人権, 福祉, 持続可能な生産と消費

本校は、「高い志を持ち、自らの夢や目標に向かってチャレンジする生徒を育て、地域社会・国際社会に貢献する有為な人物を育成する」を学校理念として、ユネスコスクールが重点的に取り組む3つの分野を通して、他者と協力する態度、他者を尊重する態度、進んで参加する態度、他者(他国の人々を含む)を理解しようとする態度、コミュニケーションを行う力の育成を目標とした。

1.国際理解教育・平和教育

■ユネスコ世界寺子屋運動に参加

SDGsの「誰一人取り残さない」という目標達成に向けて行われている活動に賛同し、生徒会執行部を中心に、2022年1月~3月にかけて、書き損じハガキや未使用切手、テレホンカード、クオカード等を全校生徒、全教職員に呼びかけて回収し、日本ユネスコ協会連盟に送る。

■「高校生国際協力体験プログラム」(JICA主催)7月29日(金)~7月31日(日)実施。

世界の抱える課題について理解し、その解決・改善に向けてどのようなことが考えられるかということを自分たちで考えていくことを目的とする。海外赴任経験の職員や海外から訪日している職員、他校の生徒とコミュニケーションを図りながら、他者理解、コミュニケーション能力の養成に繋げていく。2泊3日の日程で中国地方の高校生が集まり、国際問題についてのワークショップを行う。当初本校からは4名参加の予定であったが、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から1名のみの参加となる。参加した生徒は大いに刺激を受け、今後の進路決定に影響を与えている。

■慰霊式(本校主催)7月20日(水)実施。全校生徒・全教職員による。

本校はかつて広島中心部に近い場所にあった。昭和20年8月6日原爆投下により、生徒、教員が死亡、または負傷している。毎年2学期の終業式に合わせて慰霊式を行い、その御霊とその他犠牲となった多くの御霊を慰霊している。校内の慰霊碑に全校生徒が祈りを込めて折った鶴と花束を生徒会執行部が代表して献納、献花している。その際、原爆による犠牲者についての話、また被爆者の残した詩を全校生徒が聞き、平和な世界を希求すると共に、その構築に向けての意を新たにしている。

■「カンボジア農村小学校での国際交流LIVE」

(一般社団法人ボランティアプラットフォーム主催)9月27日(火)実施。

国際理解を目的とする。カンボジアの子どもたちの置かれた現状について学び、決して充実したものではないことを知る。3名の生徒が参加。日本語を勉強中のカンボジアの子どもたちとオンラインで交流。

■「2022広島市・大邱広域市青少年交流事業」(広島市教育委員会扱)

広島市と韓国大邱広域市の青少年の相互の友情を深めるとともに世界平和への意識を高めることを目的としたプログラムである。10月16日(日)~12月4日(日)の間に事前研修、3回オンラインにて韓国の学生たちと交流、事後研修実施。各グループに分かれ、世界が抱える課題についてテーマ設定をし、そのテーマについて事前に学習しオンラインにて意見交換を行う。また同年代の学生たちがどのようなことに興味関心を持っているのか等の日常についても情報交換し交流する。本校からは6名の生徒が参加。生徒たちは世界平和の構築に向けて意欲的に情報収集し、自ら考えていく姿勢を培った。また韓国の学生たちとの交流を通して異文化理解の大切さと楽しさを実感することができた。

■青少年赤十字100周年特別事業「100万羽おりづるプロジェクト」に全校で参加

国際理解教育とボランティア活動を合わせた活動となる。今プロジェクトは広島県内の赤十字加盟校・園、全ての小~高校・特別支援学校に呼びかけ、国際理解を深め、奉仕の心を育成することを目的として行われた。子どもたちが折ったおりづるを1本のレイに繋ぎ、世界ギネス記録更新を目指した。本校では6月に行った文化祭の柱の1つとして位置づけ全校を挙げておりづる作成、糸通し作業を行った。本校では22000羽を作成。9月下旬には各校から集められたおりづるを1本のレイに繋ぐ作業があり、本校からは10名の生徒、2名の教員がボランティアスタッフとして参加。結果、長さ15,579.7m、使用おりづる数579,658羽となり、世界記録更新達成となる。今後、おりづるは再生紙化されてノートとなり、ネパールの子どもたちに贈られる予定。また、このノートには生徒たちが英語で書いたメッセージ(本校生徒もメッセージを書いた)が印刷されることになっており、日本の子どもたちの思いがネパールの子どもたちに届けられることとなる。この活動を通して、生徒たちは協力して物事に取り組むことの大切さや目標達成の喜びを知った。また他国の教育環境と日本のそれとの違いを理解し、自分たちにできることは何かを考える良い機会であった。この活動がSDGsの「誰一人取り残さない」という目標に繋がるものであることを理解し取り組んだ。

 

2.環境、持続可能な生産と消費

■「アイシティecoプロジェクト」の取り組みとして、昨年度から引き続きコンタクトレンズ空きケース回収活動を生徒会執行部を中心に全校に呼びかけて行っている。この活動は再び視力を取り戻したいという方々のために全額を日本アイバンク協会に寄付する活動である。他者理解をし、自分たちにできることから行うという姿勢を培う活動となっている。

■「SDGsから考える私たちの暮らし」と題して2学年の総合学習を実施。

i-pad等を用いて、Google Classroom内で共同編集をしながら各グループで17の目標から考察したことをグループに分かれてプレゼンテーションする。この取り組みは今年1月~3月に2学年対象に行ったものであり、現在生徒たちは3年生となっている。以下は実施要項である。(各時間の詳細な指導案は省略)

第2学年IIS「SDGsから考える私たちの暮らし」

1)日時:令和4年1月13日(木)~3月3日(木)

2)対象:第2学年

3)活動概要と目的…持続可能な社会の実現に向け、貧困に終止符を打ち、地球を保護し、すべての人が平和と豊かさを享受するために2015年に国連サミットで「SDGs」が掲げられた。気候変動や資源の枯渇など、私たち自身の問題としなければならない危機的な状況に陥っている。

1年後には社会に出て働く生徒がいる中、将来私たちにできることは何かを考え、具体的な取り組みを提案するための策を出し合うことを活動の中心とする。進学する生徒も、自分がこれから選ぶ学問領域がどの分野で社会貢献を果たしているかを考えるきっかけにし、広島県(広島市)における企業のSDGsへの取り組みについても調査することから、身近でできる活動を提案する。また、SGDsの17の目標から班で考察したことをプレゼンテーションという形で意見を述べることを最終到達目標に設定する。教科横断的視点で物事を考える力を養うことにもつなげ、受験や入社試験の動機づけに結びつけることも目的の一つである。

4)時間計画(全8回の計画)

1 1月13日(木)5限  ① SDGsについて理解を深める(目標提示・世界、広島の現状)

2 1月20日(木)5限   ②講演「学部選びと学問が社会・企業で果たす役割」

リクルートに講師依頼。Zoomにて聴講。

3 1月20日(木)6限   ③目標選択・社会に溢れる課題をグループで検討

4 1月27日(木)5限   ④企業が行うSDGsの目標を調査し、社会貢献のあり方を考える

5 1月27日(木)6限   ⑤個人や企業ができる社会貢献を具現化

6 2月10日(木)5限   ⑥プレゼンテーション資料の作成(Googleスライド)

7 2月24日(木)5限   ⑦プレゼンテーション資料の作成(Googleスライド)

8 2月24日(木)6限   ⑧クラス内発表→録画して保存

9 3月 3日(木)5限  ⑨学年発表(クラス代表)→時間の都合上実施できなかった。

この活動を通して生徒たちは持続可能な社会の実現に向けての課題が多岐にわたってあることを知った。また地元広島の企業の課題解決に向けての具体的取り組みを知ることで、改めて郷土広島について知ることにも繋る学びをすることができた。

■校外清掃活動

本校は基本的に各学期に1回、学年毎に担当を割り振り、校外清掃を行っている。学校周辺の清掃活動を行うことで、お世話になっている地域に少しでも貢献する、自ら清掃することにより自分たちを取り巻く環境について意識する、仲間と共に作業することで仲間意識を培うことを目的としている。今年度は11月に1学年が行った。12月に3学年が行い、1月に2学年が行う予定である。

来年度の活動計画

 

※2023(令和5)年度の活動計画を記入

■2023年1月~3月に2学年の総合学習の時間にて「SDGsから考える私たちの暮らし」と題して4時間設定で活動する。設定時間が少ないことから、各クラス17の目標のうち1つの目標を設定し、それについての現状、課題、解決・改善に向けての様々な取り組み等をi-pad等を用いて調べる。その情報を精査・整理して壁新聞を作成。その後、作成した新聞を校内に掲示して発表する予定。

■慰霊式

■「アイシティecoプロジェクト」の活動として使い捨てコンタクトレレンズケースの回収活動を引き続き全校に呼びかけ通年で行う。

■ユネスコ世界寺子屋運動の「書き損じハガキキャンペーン」を全校に呼びかけて実施予定。

■プルタブ回収を全校で行い、車椅子を寄付する活動に参加予定。

■各学期の校外清掃。

■地域のボランティア・交流活動を逐次案内し、参加生徒を募る。(今年度は参加予定していたものが全て中止となった)

■国際理解教育や平和活動につながるものを逐次案内し、参加生徒を募る。