• よこはまこくりつだいがくきょういくがくぶふぞくかまくらちゅうがっこう
  • 横浜国立大学教育学部附属鎌倉中学校

  • KAMAKURA JUNIOR HIGH SCHOOL, COLLEGE OF EDUCATION, YOKOHAMA NATIONAL UNIVERSITY
  • 種別 地区
  • 主な活動分野登録なし

所在地 〒248-0005 神奈川県鎌倉市雪ノ下3-5-10
電話番号 0467-22-2033
ホームページ https://kamachu.ynu.ac.jp/
加盟年 2012

2023年度活動報告

活動分野

生物多様性, 海洋, エネルギー, 環境, 文化多様性, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解, 持続可能な生産と消費

①総合的な学習の時間「LIFE」【地域理解】
自らの興味や関心をもとに、地域に材を求めながら「自己実現」を目指していく探究活動の中で、自分だけでなく他者へも還元できるような取り組みを目指してきた。鎌倉を中心とした地域を対象に、そこでの探究活動の中から地域に還元できるものは何かを考え、学習発表会や社会のWell-beingを考える「鎌倉未来会議」を開催して、持続可能な社会を実現するための取り組みを考えた。
・「やりたいこと」に取り組み、達成感を感じよう(1年生)
鎌倉市や旅行会社と連携し、「日本遺産」である鎌倉の魅力と課題を学び、持続可能な鎌倉をめざす探究活動を行った。
・「やりたいこと」に取り組み、自己実現を目指そう(2年生)
自分たちの興味・関心のあるテーマと、昨年度探究をしたSDGsとの関連を意識しながら、地域に見られる課題について、解決方法を模索する探究活動を行った。

・「自己実現」と「共生」をめざした粘り強い挑戦(表現)(3年生)
自分たちが「自己実現」したいことを探究する活動の中で、「自己満足」だけでなく「他者満足」も大切にしながら、地域に還元できるものは何かを模索し、実践した。

②帰国生徒教育
現在、本校には20名程度の帰国生が在籍している。本年度は帰国生一人ひとりが、「海外と日本の学校の違い」をテーマに、自分の滞在していた国の学校生活・特徴ある学校行事について、日本の学校との比較動画を作成し、全校生徒に映像発表した。また、隣接している附属鎌倉小学校の児童との交流会も実施した。帰国生が海外の学校で実際に経験していた遊びを小学生に紹介し、共に体験した。

③科学部「ビーチコーミング」【生物多様性】【海洋】
ビーチコーミングを行い、採取した漂流物を「生物」「歴史」「環境」といった3つの視点で分類している。貝やイカ、ウニ、海藻類などを「生物」に分類し、海に生きる「生物」の多様性を実感した。また、陶器やウマの骨などを「歴史」に分類し、過去の歴史的な背景を考察した。さらに、マイクロプラスチックを中心に、漂流物のゴミにおけるプラスチックの割合の多さを知ることで、海洋で起こる「環境」問題について考えた。また、青山学院の宇宙物理学の先生と共同して、スプライトや火球の観察機器を校内に設置し継続的に観察を行い、気象変動や宇宙の成り立ち、宇宙開発について知ることで、持続可能な社会を目指すことの大切さを改めて感じている。

ユネスコスクールとしての学校全体の取り組み
今年度は全職員に「ユネスコスクールとしての取り組み」の実践レポートを依頼した。本校のユネスコスクールとしての取り組みを学校全体で行うものとして、主に日々の授業の中から教科ごとに考えていった。また、ユネスコスクール担当から、取り組み内容を示したチラシを作製して全校生徒に周知し、有志を募って様々な活動を展開していった。
ユネスコチェアである横浜国立大学とも連携し、本校の取り組みをESD&GIGAの発信サイトである「電子国大」に取り上げていただいた。少しずつ校内外に本校の取り組みを知ってもらい、より充実した活動につなげていきたい。

本校の取組・実践例(1学年国語科)
本校では、教科毎にESDと結びつけながら単元計画を行った。教科書に準拠しながら、知識を教え込むのではなく、教科書をその課題について考える入り口としている。生徒自身の日常や身近な地域に課題を設定し、自分事として捉えさせて行っていることがうかがえる。
1学年の国語科の取組を例としてあげる。ユネスコ憲章全文・ESD定義を鑑み、国語科の学習において『平和への意識を高める』ことを目的の一つに据え、書くことの授業を行った。教科書の題材である広島放送が作成した『碑』を読み、原子爆弾のもたらした悲惨さを学んだ。それらの学びを糸口に『戦争とは何か』という問いを教師側から提示し、生徒たちは調べ学習を経て、レポートを書く学習に取り組んだ。生徒たちの関心が最も強かったものは「ロシアのウクライナ侵攻」であった。もちろん過去の第一次・第二次世界大戦について調べて考える生徒も多かったが、やはり今現在(2023.12)も続いているこの戦争は、報道などでも目にすることが多いためか、題材として取り上げる生徒が多かった。その中で自分たちに何が出来るのかを考えたり、なぜ争いを避けられなかったのか、拡大させないためにはどうしたら良いのか等、考えを深めている生徒も多々見受けられた。

※電子国大「附属鎌倉中学校におけるESDの取り組み」

https://giga-esd.ynu.jp/education_research/e-015/

※校内配布資料「ユネスコスクールとしての取り組み」

来年度の活動計画

①総合的な学習の時間「LIFE」
学校のある鎌倉市を出発点として、SDGsと関連付けながら、身の回りの地域社会からスタートして、その後に日本や世界に向けて、私たち一人ひとりができることを提案できるように授業計画を考えている。学年ごとに情報を取り入れてまとめたり、活用したり、コミュニケーションに関する基礎的・基本的な知識及び技術を習得する場面を段階的に設定しているが、同じくユネスコスクールである附属鎌倉小学校との小中学校9年間という視点でも計画を立てていきたい。
総合的な学習の時間の活動を通して、社会と自分とのかかわりについてさらに理解を深め、自分の将来にかかわる課題を主体的に解決する能力と態度を育む目的で学習を行う中で、持続可能な社会や、社会のWell-beingに向けて自分自身ができることを具体化していきたい。

②帰国生徒教育
これからは本校の立地をより活かして、帰国生に「日本の文化体験」を多くさせ、自国の理解を深めさせたい。また、帰国生の海外体験等を全校生徒へ発信する機会を増やし、国際理解を深めていきたい。

③科学部
今年度の活動を継続しつつ、近隣の小中学校と合同で行っていくこともより多く企画したい。

過去の活動報告