2020年度活動報告

本年度の活動内容

本校は、「国際社会の中で主体的に生きる心豊かな人間の育成」を学校理念として、ＥＳＤを共生社会に生きる主体として自立的･協働的に学ぶことと捉え、ＥＳＤの実践を通してたくましい体力、創造的な思考力･判断力･表現力の育成を目標とした。具体的には、環境、平和･人権を柱に、①自然環境に係わる学習、②平和に係わる学習を行う。本年度２０２０年は、新型コロナウィルス感染症拡大を防ぐために、ほとんどの校外での体験学習が中止となった。大切な活動の柱として直接体験を位置づけている本校にとって苦慮する一年となった。

• 自然環境に係わる学習

２年生の「元宇品探検」において、生活科を中核とした合科・関連的な学習を構成し、広島湾の元宇品付近の海に棲む生き物を採取・観察し、海辺の自然環境を仲間とともに親しむ。

３・４年生の「海の学習」において、漁業体験などを通して、瀬戸内海の自然環境や生活文化について理解を深める。

また、３・４年生合同で総合的な学習の時間に太田川中流域に出かけ、川の生き物を採取・観察、川の流れの変化、石の特徴など自然環境への理解を深める。

５年生の「山の学習」において、広島湾にそそぎこむ太田川の源流域の自然環境について、これまでの中流域や下流域と比較し、違いを理解する。

• 平和・人権に係わる学習

３・４年生において、国語科「戦争文学」の学習や社会科「わたしたちの広島市」を使っての原爆投下の悲惨な状況から復興に向かう人々の願いを知ることを通して、平和の大切さに気づく。

５年生の「平和学習」では、保護者とともに平和公園の資料館を訪れ、証言者の話を聞いたり、自ら設定した課題について調べたりして戦争の悲惨さと復興の力強さを学ぶ。

６年生の「旅の学習」において、沖縄本島北部の伊江島での民泊体験を通して、唯一地上戦が行われた伊江島の人々から戦争体験を聴いたり、ひめゆり平和記念資料館や糸数アブラチガマを見学したりすることで、広島で学んできた平和学習と繋げ、平和の尊さや平和を継続させていくための努力について考える機会にしている。

こうした学習や体験をもとに、児童会が中心となって、ユニセフ募金に全校で取り組んでいる。

来年度の活動計画

「国際社会の中で主体的に生きる心豊かな人間の育成」を学校理念として、ＥＳＤを共生社会に生きる主体として自立的・協働的に学ぶことと捉え、ＥＳＤの実践を通してたくましい体力、創造的な思考力･判断力･表現力の育成をめざして取組を行う。

具体的には、昨年度までの環境、平和・人権から広島市に生まれ育つ本校の子どもたちに、もっと深く平和・人権に係わる学習を絞って行うことにする。

平和･人権に係わる学習については、身近な地域から広島市や広島県へ、さらに国から世界へと空間的認識を広げたり、過去の戦争から現在、そして未来へつなぐ時間的認識から、命の尊さを知り平和を願う心を育てたい。