ユネスコ

国際連合教育科学文化機関

ユネスコは、諸国民の教育、科学、文化の協力と交流を通じて、国際平和と人類の福祉の促進を目的とした国際連合の専門機関です。1945年11月16日に採択されたユネスコ憲章に基づいて、1946年11月4日に創設されました。

本部はフランス共和国・パリ市にあり、世界52ヶ所に地域事務所があります。加盟国数は193カ国(2009年10月現在)になります。日本は1951年7月2日に加盟しました。

ユネスコ憲章

前文

この憲章の当事国政府は、その国民に代わって次のとおり宣言する。

戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない。
相互の風習と生活を知らないことは、人類の歴史を通じて世界の諸人民の間に疑惑と不信をおこした共通の原因であり、この疑惑と不信のために、諸人民の不一致があまりにもしばしば戦争となった。
ここに終りを告げた恐るべき大戦争は、人間の尊厳・平等・相互の尊重という民主主義の原理を否認し、これらの原理の代わりに、無知と偏見を通じて人間と人種の不平等という教義をひろめることによって可能にされた戦争であった。
文化の広い普及と正義・自由・平和のための人類の教育とは、人間の尊厳に欠くことのできないものであり、且つすべての国民が相互の援助及び相互の関心の精神をもって果さなければならない神聖な義務である。
政府の政治的及び経済的取極のみに基づく平和は、世界の諸人民の、一致した、しかも永続する誠実な支持を確保できる平和ではない。よって平和は、失われないためには、人類の知的及び精神的連帯の上に築かなければならない。
これらの理由によって、この憲章の当事国は、すべての人に教育の充分で平等な機会が与えられ、客観的真理が拘束を受けずに探究され、且つ、思想と知識が自由に交換されるべきことを信じて、その国民の間における伝達の方法を発展させ及び増加させること並びに相互に理解し及び相互の生活を一層真実に一層完全に知るためにこの伝達の方法を用いることに一致し及び決意している。
その結果、当事国は、世界の諸人民の教育、科学及び文化上の関係を通じて、国際連合の設立の目的であり、且つその憲章が宣言している国際平和と人類の共通の福祉という目的を促進するために、ここに国際連合教育科学文化機関を創設する。

第1条(目的及び任務)

  1. 自由に対する普遍的な尊重を助長するために教育、科学及び文化を通じて諸国民の間の協力を促進することによって、平和及び安全に貢献することである。
  2. この目的を実現するために、この機関は次のことを行う。
    1. 大衆通報(マス・コミュニケーション)のあらゆる方法を通じて諸国民が相互に知り且つ理解することを促進する仕事に協力すること並びにこの目的で言語及び表象による思想の自由な交流を促進するために必要な国際協定を勧告すること。
    2. 次のようにして一般の教育と、文化の普及とに新しい刺激を与えること。加盟国の要請によって教育事業の発展のためにその国と協力すること。人種、性又は経済的若しくは社会的な差別にかかわらない教育の機会均等の理想を進めるために、諸国民の間における協力の関係をつくること。自由の責任に対して世界の児童を準備させるのに最も適した教育方法を示唆すること。
    3. 次のようにして知識を維持し、増進し、且つ、普及すること。世界の遺産である図書、芸術作品並びに歴史及び科学の記念物の保存及び保護を確保し、且つ、関係諸国民に対して必要な国際条約を勧告すること。教育、科学及び文化の分野で活動している人々の国際的交換並びに出版物、芸術的及び科学的に意義のある者その他の参考資料の交換を含む知的活動のすべての部門における諸国民の間の協力を奨励すること。いずれの国で作成された印刷物及び刊行物でもすべての国の人民が利用できるようにする国際協力の方法を発案すること。
  3. この機関の加盟国の文化及び教育制度の独立、統一性及び実りの多い多様性を維持するために、この機関は、加盟国の国内管轄権に本質的に属する事項に干渉することを禁止される。

ユネスコのあゆみ

ユネスコは、1946年11月4日、国際連合の専門機関として誕生し、同月11月19日に第1回総会がパリで開催されました。

©UNESCO

ユネスコの前身と言える機関は、1922年に国際連盟の下に設立された国際知的協力委員会(ICIC)とされており、この委員会には、アインシュタイン、キュリー夫人等、著名な有識者12人が出席していたほか、その当時、国際連盟の事務局次長であった新渡戸稲造がその事務を担当していました。さらに、1926年(昭和元年)には、フランス政府の財政的支援により国際知的協力機関(IIIC)がパリに設立され、ICICが立案する事業の実施機関として、大学、図書館、知的財産、芸術、情報、メディア等の分野で活動していました。しかしながら、第二次世界大戦の開戦によりその活動は中断されました。

©UNESCO

第二次世界大戦後の1945年11月、イギリスとフランス両国政府の招へいにより、国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)設立のための会議がロンドンで開催され、ユネスコ憲章が採択されました。翌年11月4日、20か国の批准によりユネスコ憲章が効力を発しユネスコが誕生、同月に第1回総会が開催されるに至りました。

初代事務局長にはジュリアン・ハックスレー(イギリス)が就任、松浦晃一郎氏は1999年から 第8代目の事務局長を務めました。

ユネスコの組織

2年に1回開催される総会、年に2回開催される執行委員会の下に事務局が置かれ、教育、自然科学、人文・社会科学、文化、情報・コミュニケーションの5局が各分野の活動を行っています。各局で連携して事業が実施されることもあります。

総会(General Conference)

ユネスコの最高意思決定機関であり、2年に1回開催されます。総会では、ユネスコの活動方針を決定し、事業・予算を承認するほか、事務局長の任命を行います。

執行委員会(Executive Board)

58か国の政府代表で構成され、年2回開催されます。日本はユネスコに加盟して以来、継続して執行委員国になっています。

事務局

事務局長(DG)と事務局長が任命する事務局職員(約2,300人:地域事務所職員を含む。コンサルタント等を除く)で構成されています。事務局長は、事業・予算案や活動計画案を作成します。事業分野別の5つの局(教育、自然科学、人文・社会科学、文化、情報・コミュニケーション)といくつかの横断的部局とが管理担当部局と協力して事業を実施しています。

機構・組織

総会・執行委員会の下に事務局長が置かれ、事務局の任務を総括します。 各局にはいくつかの部課が置かれています。

ユネスコの目標

ユネスコの任務(ミッション)

ユネスコは国際連合の専門機関として、教育、科学、文化、コミュニケーション・情報の分野を通じて、平和の構築、貧困の削除、持続可能な開発、異文化の対話に貢献する。

包括的目標

  1. 万人のための高い学習の実現
  2. 持続可能な開発のための科学的知識と政策の動員
  3. 新たな論理的課題への取り組み
  4. 文化多様性と異文化間の対話の促進
  5. 情報とコミュニケーションを通じた包括的な知識社会の構築