奈良県 / 奈良教育大学附属幼稚園
自分のアサガオに思いを寄せて
【事例紹介者(ASPUnivNet)】奈良教育大学 准教授 中澤静男
(支援担当地域:奈良・和歌山・滋賀)
学校ステータス
(2021年12月執筆当時)
加盟校
教科等/特別活動 みんなでする活動(共通経験活動)
学年(または年齢) 年中4歳児
活動テーマ 持続可能な開発と持続可能なライフスタイル
事例の特色

本実践は、「アサガオの栽培」という、多くの園で取り組むことができるであろう活動を、ESDの視点で活動を捉え直し、行った点が特色である。

取組の詳細

  • アサガオの種を植えるための牛乳パックに自分のものであることがわかるように絵を描く。
  • アサガオの種を植える。
  • アサガオの様子を毎日観察し、世話をする。
  • ツルがの伸び始めた頃に、6人で1つの大きな植木鉢に植え替える。
  • 引き続きアサガオの様子を観察し、世話をする。
  • 花が咲いたことに気づき、つぼみの存在にも気づく。
  • たくさん花が咲いたことを喜ぶ。
  • 夏休み明けに、枯れていることに気づく。
  • 種ができていることを知っている子どもがそのことを保育者や友達に伝える。
  • 種ができていることを受けて、「持って帰りたいな」と、ある子どもがつぶやく。
  • 自分のアサガオから、種がどれだけ採れるのかを確かめる。
  • 一粒の種から多くの種が取れたことに気づく。
  • 来年の5月に家で植えようと思う子どもや、持ってきて幼稚園での植えようと思うと口々に話す。

ASPUnivNetによる
支援の内容

本実践ではないが、世界遺産学習で東大寺大仏殿を見学に行く際や、防災について取り組んだ時に、奈良教育大学の学生から支援を受けている。また、園内研修やESDティーチャープログラムなどで、大学教員より支援を受けている。

取組を通して
変容が見られた点

自分の撒いたアサガオの種がわかるようにしたことで、毎日、じっくり見るようになった。小さな変化や成長に敏感に気づくようになった。また、一つ一つの成長速度が違うことや、花の咲くタイミングや数が違うこと、採れる種の数が違うことなど、同じアサガオであっても、それぞれに違いがあることに気づくことができた。

ESDの視点で子どもたちの経験や気づきを捉え直すと、自分のアサガオに【責任をもち世話をすること】、画一的な育ちではなく、それぞれが違ったペースで成長していくことを通して【違いを受容する気持ち】が育ち、子どもの意識や価値観、行動を変えていったことが考えられる。

資料・画像・動画等