• いっぱんしゃだんほうじんゆうしんかい こうさぎのもりほいくえん
  • 一般社団法人悠親会 子うさぎの森保育園

  • Yushinkai General Incorporated Association Kousaginomori Nursery school
  • 種別 地区
  • 主な活動分野生物多様性, 海洋, 減災・防災, 気候変動, 環境, 平和, ジェンダー平等, 福祉, 持続可能な生産と消費, 食育, ジオパーク, グローバル・シチズンシップ教育(GCED)

所在地 〒811-3209 福岡県福津市日蒔野1-11-1
電話番号 094-043-9511
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加盟年 2022

2022年度活動報告

活動分野

生物多様性, 減災・防災, 環境, 平和, 人権, ジェンダー平等, 持続可能な生産と消費, 食育, グローバル・シチズンシップ教育(GCED)

森のムッレ教育

森のムッレ教室は1956年にスウェーデンで考案された環境プログラムです。このプログラムは自然遊びに留まらず、子ども達の野生生物に対する愛情を育み、そして自分達もこの循環する自然界の一部であり自然への責任を持っている存在であることを学びます。森のムッレ教室の資格を持ったリーダーは子どもの主体的な行動へと導き、多くの助言はせず子どもが何かを見つけたり、考える時のサポート的な役割をします。そうして子ども達は自然に触れ、匂い、聞き、見て、質問し考えることを通して、自然がどの様に機能するのかを本能的に学びます。そうした実体験からエコロジカルな考えが育ち、生きものへの愛着と責任感を持つようになります。

当園の子ども達は月に2回、森のムッレ教室を体験します。0歳児のクラスはこの活動を「森のひろば」、1歳児と2歳児クラスの子ども達は「クノッペン」と呼んでいます。

・森のひろば(森のプレオープンスクール)

初めて親元を離れる0歳児クラスの子ども達は、保育士との信頼関係ができてきたころから一緒に公園に出かけます。それは初めて自然に触れる子ども達にとって、それは見るもの触れるものすべてがおっかなびっくりの世界だからです。そんな自然には信頼関係がある大人と一緒に行くことで、子どもは安心できます。森のひろばでは自然にまず慣れ、そして自然に出かけることは、日常的なあたり前の行為だと感じる最初のステップです。リーダー達は歌を歌い森のひろばが始まることを知らせると、子ども達は特別な時間が始まることにわくわくします。そして子ども達はリーダーがあらかじめ木々や草むらに隠した動物(パペット)を探し、動物たちとの再会を喜びます。この発見の楽しみが次へのステップにつながります。

・クノッペン

すっかり自然に慣れた子ども達は、親が手書きで書いてくれた自分達専用の袋を持って、公園に出かけます。リーダーはクノッペンの歌を歌い、始まりを知らせます。そして子ども達と3つのお約束をします。ひとつめは「草は根っこから採らないこと」(次が生えてこないから)、ふたつめは「ごみを捨てないこと」(生きものが食べてお腹を壊さないように)、みっつめは「大きな声を出さないこと」(生きものたちがびっくりするから)。そうして子ども達は思い思いに、枝や木の実などその日拾った宝ものを袋に入れていきます。次にリーダーが用意した大きな白い布に自分達の宝ものを広げていきます。そして枝は枝、木の実は木の実と分類していき、それぞれの違いや、似たところを観察していきます。そして、時間がある時はこれらの自然物で料理を作ったりもします。これらの体験を経た子ども達は、次の段階のクニュータナやムッレになると、質問をすることが多くなります。リーダーはその子ども達の疑問に答えながら、植物と昆虫の関係や、季節によって姿を変える昆虫の話したり、子どもと一緒に調べたりします。

年間活動計画及び活動報告【子うさぎの森保育園】

給食

保育園内で調理される給食は、有機野菜や自然醸造の調味料、無添加や無漂白の乾物を中心に使用しています。主食は栄養豊な玄米を食べ、おかずにはお肉をほとんど使わず、魚やお野菜が豊富な薄味の和食中心の献立を食べているため、「味の濃いものや、スナック菓子を好まない」とか「上の子は、子どもが好きなメニュー(カレー、ハンバーグ)が好きだが、みそ汁などの和食が好き」、「玄米を食べているので、よく噛んで食べる」、「体調を崩しにくく、回復も早い」と多くの保護者からの声があがり、「食の環境が違えばこんな風に育つんだなと改めて感じています。」と、食の大切さを子どもの姿から学び、家庭でも有機食材を選び、薄味の和食にと食生活を変えていく保護自身も多くいます。また食器は重みや質感を感じられる磁器や漆器を使用しているため、子ども達は落とすと壊れるということを知っており大切に扱っています。

日々の保育

私たちのESDは持続可能な学びを行事や特別な活動の中だけでなく、日々の保育の中でそこにかかわる大人達の持つ持続可能な精神を通じて、子ども達に「持続可能」という価値観が当たり前のこととして影響を受けることが大切だと考えています。

子どもにかかわる、保育職員、給食職員自身が持続可能な生活になるように、毎月の園だよりには、ESDのひろばを掲載して啓蒙活動をしています。

子うさぎ通信2022.9月号

ESDのひろば R4.5月号 子うさぎ

 

来年度の活動計画

日々の保育

私たちのESDの基本は日々の生活の中にあると考えています。
園児が一日の大半を過ごす保育園での保育のあらゆる環境から持続可能性を感じることを促進していきたいと思います。

子うさぎの森保育園で大切にしたい三つのことを柱として、保育を展開していきます。

1. 食育

「子ども達が将来、心と身体そして社会にとって良いものを選んでいけるようになること」を理念として、食育を展開していきます。

主な活動:日々の給食(有機野菜や天然醸造の調味料など「本物の素材」を使用した将来に亘って大切な味覚を培っていきます。)

給食試食会(保護者に実際に給食を食べてもらい、薄味でも出汁をきちんと取ることで美味しく食べることができること等を体験を通じて感じてもらいます。)

給食だより(持続可能な食の価値観を伝えていきます。)

2. 遊び

保育士が遊びの手本を見せたり、一緒に遊んだりという経験を積み重ねて、幼児期の「子ども主体の遊び」につながる基礎的な準備段階としての遊びを展開していきます。

特に自然の中での遊びを大切に考え、自然物を使った見立て遊びやごっこ遊びなどから想像力豊かな遊び、自律した遊びを展開していきます。

森のムッレ教育を取り入れ、年齢的な段階を経て、遊びから自然との関りの大切さ、自然への畏敬の念を感じとり、「自分は自然の循環の中にある」ことを学んでいきたいと思います。

3. 大人(ひと)とのかかわり

乳幼少期の子どもは特に、大人の姿を模倣しながら成長をします。大人も一つの環境と考え、その大人自身が持続可能性の表現者となるように、毎月の園だよりでの「ESDのひろば」の掲載を続けて、啓蒙活動を続けていきます。

子どもの性格は大人との関りかたによって変わると言っても過言ではありません。厳しく育てられた子どもは、他人へも厳しくなってしまいます。

また、常に子どもの気持ちを受けとめ、肯定的な関わってくれる大人に関わってもらった子どもは、他人に対しても相手の気持ちを汲み取る力が備わります。

そのように肯定的で明るく前向きな心が育った子どもは、遊びにも集中することができます。

これからも、そのような関わりができますように、保育士の意識向上に努めたいと考えています。

過去の活動報告