2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 海洋, 減災・防災, 気候変動, エネルギー, 環境, 文化多様性, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 人権, ジェンダー平等, 福祉, 持続可能な生産と消費, 健康, 食育, 貧困, エコパーク

本校では、様々な学習においてSDGsを念頭に行っていくことが、この目標の達成に繋がり、その資質・能力を育てていくと考え、SDGs実践計画表をつくり、ESDカレンダーと年間指導計画によって、計画的にESDを進めている。また、特色ある教育活動も関連付けている。

本校学区域には芭蕉庵があり、松尾芭蕉の縁に習って俳句教育を進めている。SDGs4にあたる。毎月全員で俳句を詠み、学級の句会で一句を学級代表俳句とし、玄関前に掲示する。また、その中から校長賞を決め、朝会で表彰する。「八名川こども句集」を発行する。江東区の大会に俳句コンクールへ、児童の作品を応募したり、新聞社や企業などに投句し、令和4年度は優秀団体賞も受賞した。

本校はコミュニティースクールとして、「持続可能な地域社会を担う子どもたち」を育てるため、「地域で学び、地域を生かし、地域と行動する児童」を育てる教育活動を掲げて実践してる。今年度実践した主な授業は、以下の通りである。研究授業 第1学年生活科「かぞく にこにこ 大さくせん」(保護者の協力 SDGs17)家族について考え、行動する実践。第2学年生活科「まちが大すきたんけんたい」(地域の商店などの協力 SDGs11)地域のよさを発見する実践。第3学年社会科「工場の仕事」(地域の印刷工場の協力 SDGs12)地域の工場の仕事について追究する実践。第4学年社会科「水はどこから」(水道局の協力 SDGs6)水の大切さを全校に投げかける実践。第5学年社会科「自然災害を防ぐ」(防災学習 SDGs13)我が国の国土と自然災害について追究。第6学年社会科「日本とつながりの深い国々」(姉妹都市の紹介 SDGs10)米国、中国、韓国、サウジアラビアについてグループごとに追究した実践。

また、生活科や総合的な学習の時間に、全学年がグループに分かれて自分たちで学んだことや追究した成果を、全学年と保護者、地域の方に向けて発表する「八名川まつり(学習発表会)」を毎年行っている。内容面は勿論のこと、ICTの活用、劇や実演など単なるポスターセッションだけでなく、子どもたちは表現方法も工夫を凝らしている。また、質問も受けるので、資料から丸写しした原稿を読むのではなく、自分の言葉で説明することができている。SDGsの目標や地域を教材として、1年生から学習したことを発表したり、見たりしているので、学年が上がるつれて児童の資質能力を高めていくことにつながっている。表現活動を重視し、八名川まつりを継続してきたことから、本校児童の発表力、表現力の蓄積が進んでいると言える。

その他、大切なのは「ESDの日常化」であると考え、ESDやSDGsを図示することでその価値観に触れることができるようにし、授業を支えるESDの見方・考え方を働かせ、価値観を培うことを目指した。「八名川スマイル挨拶運動」や「たてわり班清掃」「たてわり班遊び」「たてわり班対抗ボッチャ大会」「展覧会たてわり班作品」のたてわり班活動等、SDGsを目標とした実践を授業以外でも行ってきた。また、日常的に目に映るように、校内掲示を工夫した。図書等ではESDやSDGsに関する図書資料を集め、授業で活用できるようにした。全校朝会や避難訓練等での講話でも、ESDやSDGsの考え方に触れるようにしてきた。教職員のシステム作りも重要と考え、特色教育推進委員会をつくり、学校の特色の一つとして組織的に取り組めるようにした。ESDの考え方を児童に定着させていくとともに、SDGsという共通のゴールを柱とした各教科等での学びを進めていくことができると考え実践している。その結果、子どもたちは学習の成果物にSDGsのロゴシールを貼ったり、ポスターをつくって全校に環境問題を訴えたりするなどの自主的な行動も見られた。

来年度の活動計画

令和5年度は、ユネスコスクールとして、6年間を通して4つのテーマ「人権教育」「国際理解教育」「環境教育」「国連の活動理解教育(6年生のみ)」を中心に、以下の内容を理解できるようにし、持続可能な社会の担い手としての資質・能力を育てるとともに、実践力につなげていく。

・八名川小ESDスタンダードを作成し、主に生活科や総合的な学習の時間を中心としたカリキュラムを年間2単元程度のESDの実践をする。

① 単元の学習過程のスタンダードを以下のようにする。(SDGs実践計画表→ ESDカレンダー+指導計画→ 実践→ 八名川まつり+実践交流会)

② SDGs実践計画表を作成し、SDGsの目標を「問い」として追究できるようにする。

③ ESDカレンダーで実践単元のカリキュラム・マネジメントを行う。

④ 年間計画にESD単元としてわかるようにSDGsのロゴを付ける。

⑤ 年度ごとに、学年で取り組む重点目標を学年担任が決めて実践する。

・日常的にSDGsに触れることができるようにすることで、持続可能な開発のための社会づくりに向けた見方・考え方を働かせることができるようにする。そのため、以下の取り組みを進める。

○ 各教科・領域の授業でSDGsやESDに関係する学習内容は触れるようにする。

○ 掲示物でSDGsやESDの活動を紹介する。

○ 朝会等で、SDGsやESDの価値付けをする。

○ 図書室のコーナーや図書紹介、図書室の本にSDGsを貼る活動を行う。

○ 掲示物や成果物にSDGsロゴシールを貼る活動を行う。

・地域及び世界の環境保全や自然保護の取組等を推進する意欲・態度を身に付けた児童を育てる。そのきっかけとして、池やビオトープ等の校内環境を活用して、生き物や環境の学習を進める。そのための整備を図る。(専門家を招いて整備のアドバイスをいただくと共に、ビオトープを活かした環境教育の研修を行う。)

・八名川まつりや実践交流会にてESDの成果を発信し、他校との共有を図るとともに評価を得る。また、年度末学校評価でセルフチェックを行い、学びの深まりを検証し、次年度に役立てる。(PDCA)

・これまでコロナ禍で制限されできなかった海外の人との交流による国際理解教育を進める。