2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

環境, 食育

【活動テーマ】 

山花の『恵』~循環型の社会に整体できる思考を培う総合的な学習~

【活動のねらい】

小中学生が、地域の協力を得て動物園での飼育体験、学校農園での栽培学習を通して、他者と協働して課題を解決する力や、地域からグローバルな課題までを自分事として捉える思考の広がりを目指します。

【活動内容】

通年を通して①動物園学習(小学校)、②栽培学習(小学校・中学校)を行っています。

①  動物園学習

小学校では隣接する釧路市動物園において、年3回の動物園学習を行っています。学年ごとに担当する動物を決め、えさの仕込み、獣舎の清掃、給餌…と一連の作業を体験します。その中で、命の営みに触れ、かけがえのない生命の尊さを学びます。猛獣以外は実際に動物に触れ、手から直接の給餌も行います。6年間でペンギン、アルパカ、アザラシ、トナカイ、シロクマ、ライオン、ウサギ、キリン等々ほぼ全ての獣舎を経験します。

今年度は、新型コロナウィルス感染拡大の影響で2回の実施となったが、飼育員の方々の指導を受けながら、命に正対することでしか得られない貴重な経験を積み、考えを深めることができました。

 

②  栽培学習

従来の農業体験型の栽培学習から脱却し、化学肥料や農薬が環境に与える影響を考え、土作りから収穫、種取り、堆肥作りを行う「循環型」の栽培学習を目指しています。小学校低学年では「ジャガイモ」、中学年では「トウモロコシ」、高学年では「大豆」、中学校はよりグローバルな視点で世界的な収量や日本を取り巻く環境などを捉えることができるように「小麦」を栽培。子供たちの発達段階を考慮しながら、9年間のスパンで総合的な思考力・判断力を培っていきます。

今年度は、天候にも恵まれ、小学生が担当する「ジャガイモ」、「トウモロコシ」、「大豆」は豊作となった。収穫した作物は調理をして「命を頂く」ありがたさを実感するとともに、子どもたちの発達段階を考慮したまとめの活動(作物をとおして地域から世界へ目を向ける、食文化を考える等)を行              うことで考えを深めることができました。また、中学生の「小麦」は昨年度の失敗を糧に秋まき小麦に挑戦し、見事に課題をクリアして単位面積あたりで十分な収量をあげることができました。その小麦を石臼で製粉して小麦粉に、そしてその小麦粉で生地をつくり、収穫した作物とともにピザにして食することができました。トライアンドエラーを繰り返しながら、失敗体験から成功体験へとつなげることができ、問題解決的な思考力や判断力を高めることができました。

さらに今年度は、SDGSの「飢餓をなくす」から「世界の食糧事情」について学習する場面を設けした。子どもたちに特に知ってもらいたいのは世界で飢えに苦しむ人の現状です。なぜ飢えが起こるか考え、その原因をつきとめ、その原因を知ったうえで自分たちには「何ができるか」考え、それを行動に移そうとする態度を育成していきます。今年度の例として、中学生が飢餓が起こっている地域では食料の保存方法が確立していないことに着目し、ドライフードに着手しました。選択作物のなす、トマト、カボチャをドライフードにすることができました。

 

 

 

 

 

 

 

 

来年度の活動計画

今年度は、SDGSの「飢餓をなくす」ことに視点を置いた活動のなかで、、日本の食品ロスについて考える機会を設けました。「食べること」に不自由のない日本の中で、捨てられていく食品がいかに多いことか。その事実は、自らの食生活を見直し、どのように行動するべきなのかのきっかけ作りになったと考えています。次年度は、「自分の育てた作物を無駄にしないようにする」、「給食を残さないよういにする」などの身近な活動をベースにしながら、さらにこの問題を深掘りし、自分たちが育てる食物を通して「日本と世界とのつながり」や「環境やエネルギー問題」にも思考を広げていきたいと考えています。