2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 減災・防災, 環境, 文化多様性, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解, 福祉, 持続可能な生産と消費, 健康, 貧困

本校は、「自立する力・探究する力・協働する力を有する生徒」の育成を目標に教育を展開している。また、生徒自身に「持続可能な社会の形成者」としての自覚をつけ、地域人材の育成にむけ、ESDを高校教育全般の柱に据え、ESDの実践を通して生徒個人の夢を育て、持続可能な社会の形成者として資質をはぐくみ、自己実現と持続可能な社会の構築の両者の調和がとれた力の伸長に取り組んでいる。

 

具体的には「地域探究」「環境防災学習」「国際交流」の3つの柱に沿って、授業や行事、課外活動などを計画的に組み込んで展開している。またこのESD活動を効果的に実施していくために、平成30年度からは校内にESD課を立ち上げ、学校全体にESDの理念と活動が行き渡るような工夫も行っている。また平成26年度に岡山市で開催された「ユネスコスクールESD高校生世界フォーラム」をきっかけに組織された「岡山ユネスコスクール高校ネットワーク」(平成27年度発足)を中心に、県内にある11のユネスコスクール高校との交流活動も積極的にすすめている。

今年度の報告では①ESD授業 ②ESD行事 ③ESD課外授業 の3点を主に報告する

①  ESD授業

1年次では、矢掛町の歴史や文化の取材と、地域人材との交流を通して、生徒個人に問題意識を持たせ、改善に向けた方法を探究させる「ESD基礎」(総合的な探究の時間)の授業を設けている。2年生になると3つのコースに分かれていく。普通科探究コースでは諸々の課題解決策を考える「学生コンテスト」に取り組み、普通科総合コースでは持続可能は地域社会を形成するために地域の施設に出て実習を重ねていく「やかげ学」を経験し、地域ビジネス科では地元商店街とコラボした「商品開発」をそれぞれの授業で行う。3つのコース特徴に応じた地域授業が行われることで、社会の持続可能性を身近に学んでいる。

 

②  ESD行事

今年度も新型コロナウィルス感染拡大防止の観点から、地域連携などの行事に制限がかけられたが、人数を制限することや、オンラインの活用により、多くの行事が実施できた。西日本豪雨災害の記憶を伝承する防災教室や、県内のユネスコスクール高校がエプロダクトを紹介する岡山ユネスコスクール実践交流会も開催できた。また、冬に実施した地域で活躍する40名の大人との対話を行うトークフォークダンスは、本校生徒と地域の方双方にメリットのある取り組みであり、来年度も続けていきたい。3月に実施した「YAKOプレゼンウィーク」では、2年生から1年生に向けて「学生コンテスト」「やかげ学」「商品開発」の活動報告を行い、1年生から2年生に向けては「ESD基礎」で取り組んだ「YAKOやってみようプロジェクト」の取り組み発表を行い、希望者が全校生徒に向けて行う「YAKOアワード」では、各人のESD活動の様子をオンラインで各教室に配信した。

 

③  ESD課外活動

矢掛町と協力しながら今年も多くのESD課外活動が行われた。矢掛町ベトナム日本語教室では、技能実習生として町工場で働くベトナム人を対象に、町内に住む退職教員と矢掛高校生が一緒になって日本語や文化を教える国際交流が行われた。矢掛子どもイングリッシュ・デイでは町教委と協力し、町内小学生たちに楽しく英語を教える役割を高校生が担った。矢掛駅前で第3日曜日に開かれる得得市では、サイエンス部が青空実験教室のブースを設け、会場の親子づれ客を盛り上げた。また地域の課題を小学生や中学生と一緒に考える「SDGsカードゲーム」の啓蒙・普及活動にも取り組み、近隣の小学校や中学校を訪問して地域の課題解決アイディアなどを出し合った。10年以上続いている備中聞き書きの活動では、地域に住むその道の達人への聞き取りと書きおこしを行い、他校とも協力して記録の保存を行った。

西日本豪雨災害の教訓から、防災・減災に関する活動も増えている。豪雨水害の被災地である倉敷市真備町と協力し、真備の小学生と地域住民と高校生で心の中を語り合う薗っ子だっぴが秋に開催された。また、愛媛県の宇和島NPOセンターが主催する「BOUSAIぜみな~る」では、本校生徒をはじめ全国の被災地の高校生たちがオンラインで繋がり、大学教授(愛媛大、福島大、東京理科大)の指導の下1学期に1回のペースでオンライン会議が進められた。その研修の成果を秋に神戸で行われた「ぼうさいこくたい2022」で発表することもできた。今年度は3年ぶりに矢掛宿場祭りが行われ、大名行列への参加や開発した商品の販売実習や運営のボランティアなどを担った。冬の矢掛本陣マラソン全国大会は町内在住者のみの参加に制限し行われた。本校生徒もボランティアとして参加し、コロナ禍での地域行事の運営の工夫を学ぶことができた。

来年度の活動計画

4月 ESD基礎 開始 / やかげ学 開始

5月 ユネスコスクールネットワーク役員会 / YAKOボラ

6月 YAKOプロジェクト 開始 / 商品開発 開始 / 備中聞き書き 開始

7月 やかげ学・2年3年引き継ぎ会 / YAKOボラ / 学習支援ボランティア

8月 町ボラ

9月 各種学生コンテスト 発表

10月 YAKOボラ / 矢掛の宿場まつり大名行列参加

11月 岡山ユネスコスクール実践交流会 / SDGsカードゲーム

12月 やかげ学発表会 / 備中聞き書き発表会 / 薗っ子だっぴ / YAKOボラ

1月 トークフォークダンス

2月 本陣マラソン / YAKOボラ

3月 YAKOプレゼンウイーク