2019年度活動報告

本年度の活動内容

当校は、1953年からユネスコスクールとして登録されており、それ以来継続的に活動を行っている。校内体制として、「地球規模の問台に関する国連システムの理解」「人権、民主主義の理解と促進」「異文化理解」「環境教育」の統合的な教育を目標とした。具体的には、各学年の特別活動の取り組みや生徒会のユネスコ班とユネスコ委員会の活動、通常の授業での取り組みや異文化交流などを行った。

 

①各学年での特別活動での取り組み  

 

中１～高Ⅲにおいて、特別活動・道徳の時間を使って、広島での平和学習、国際理解、伝統文化、アイヌ民族の歴史と文化、沖縄における平和、戦争、米軍基地、生物多様性、絶滅危惧種、生態系、日本のエネルギー政策、ユネスコスクールとしての本校の歴史とその意義など、多様なテーマに取り組んだ。

 

②ユネスコ班・ユネスコ委員会に関わる活動

 

 　高校各クラス１名の委員で構成されるユネスコ委員会により、６月にフレンドリーブリッジが主催する途上国への靴の送付、７月に千羽鶴作成と８月の原爆慰霊祭での奉呈、12月に書き損じはがきの回収・送付を行った。ユネスコ班は、高校生によるクラブ活動で、平和の鐘を鳴らそう、文化祭におけるフェアトレード商品の販売、国際理解セミナー、世界寺子屋募金活動などに参加した。ユネスコ班では11月の高校生国際理解セミナーでは他校のユネスコクラブとの交流も行った。

 

③SDGsに関する授業、異文化交流の取り組み

 

4月には本校全教員対象にSDGsについての研修を行い、学校としての取り組みの体制強化をはかった。7月には広島県四川省交流事業に協力し，中学校3年生と中国の生徒合同で「SDGs日中両国で協力して取り組むプランを考えよう！」という題材で授業を実施した。SDGsの17の目標の関係性について、日中等のデータを元に課題をみつけ、英語で話合うものであった。11月には高校2年生の修学旅行でシンガポールと東京・北陸を訪問し、シンガポールが多民族国家であり、さらには国外から訪れる多くの外国人と共栄・共存している実情を体感し、東京では2020オリンピック・パラリンピックを想定した「人に優しい街づくり」を見学するとともにパラスポーツを体験した。また、高校１年生の希望者（約70名）が参加するオーストラリアへの海外研修を、語学研修だけでなく、SDGsの視点から考えたコースを新たに設定し、SDGsの資格を持つ講師による事前学習を行った（海外研修についてはCOVID-19のため2月に中止を決定）。1月には高校1年生の合同LHRで「INEIプログラム」に参加した。米国、中国、韓国、日本の大学生が平和記念資料館の出口の展示「The Last 10 feet」を再デザインし、その発表を参観するとともに、各国の大学生と意見を交流して、あらためて平和やその有効なアピールの方法について考察を深めた。また、海外との交流についての支援を行い、生徒は、高校生平和大使、岩国市青少年海外派遣事業やひろしまジュニア国際フォーラム、第6回高校生カンボジアスタディーツアーなどに参加し、それぞれ学年集会や文化祭などで報告会を行った。

来年度の活動計画

ユネスコ班・ユネスコ委員の活動としては、

不用になった靴を回収、洗って途上国に送る。

全校生徒が折った折り鶴を校内の原爆死没者慰霊碑に奉呈、原爆慰霊祭を挙行する。

国際理解セミナー、世界寺子屋運動募金活動へ参加する。

書き損じハガキの回収をし、ユネスコへ送る。

ビニール傘リサイクル活動に参加する。

 

各学年の特別活動の実施内容としては、

中1…似島の戦争遺構を訪れたり、８月の「慰霊の集い」に参加し被爆体験を聞き、平和について考える。

中2…「産学連携職場体験学習」を行い、SDGsを視野に入れた企業の取り組みなどを学ぶ。

中3…関西方面への修学旅行へ向けて、国際理解、伝統文化等の事前学習を実施し、訪問後報告書にまとめる。

高Ⅰ…SDGsを視野に入れながら修学旅行の計画を生徒自ら行わせ、行き先の決定をして事前研究を行う。

高Ⅱ…北海道修学旅行に向けて、SDGsに関するテーマを各自が設定し、事前研究を行い、報告書にまとめる。

高Ⅲ…ユネスコ・スクールの出身生として、社会から期待されることは何かを考えさせるLHRを年間を通して行う。

 

その他，学校としての取り組みとしては、

校内研修会を実施し、全教員のユネスコスクールとしての意識を高める。

教員全員が年間に一つはESDを取り入れた授業実践を行い、12月には報告書を提出する。

高校１年生の春休みに実施するオーストラリア海外研修において、SDGsに関連したコースを実施する。