2018年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

環境, 減災・防災, 食育

明治4年の「市学校」設立に始まる本校は、岡崎市では最も古い147年の歴史をもつ。大正5年、現在の場所に愛知県額田郡梅園尋常高等小学校として学校が建ってから、平成28年が、ちょうど百年目であったことから、平成28年を「梅園百歳」として祝った。学区や学校を見つめ直し、「梅園という社会をよりよく創り上げていく」ことをテーマに103年目を迎える今年も、様々な活動に取り組んできている。学校や学区の歴史を振り返り、学区の方々の力を借りながら、現在や未来について考える活動をESDの中核にし、学習した内容を社会生活に生かすというだけではなく、自らが確かな思いをもって梅園という社会をよりよく創り上げていく子どもとなるように育てたいと考えてきた。具体的には、町学習を中心に、カルタづくり、食育に係わる活動、防災に係わる活動等を行ってきた。

1 「百梅かるた」の作成とクイズ王決定戦

 「百梅かるた」は6年生が中心となって、梅園小・梅園学区の歴史や文化等を題材として作成したものである。かるたの制作には、約半年を要した。学区にある多くの文化財・歴史的な遺物・産業などのリストアップと44句の選定、字札のことばを考えるための現地調査活動、絵札を描くための資料収集、字札や絵札を描いてもらう学区在住の書家や画家との折衝と依頼など、困難な活動にも子どもたちは積極的に取り組んだ。各家庭に配布し、1月の授業参観の折に、保護者も参加して「百梅かるた大会」を開催する。さらに、各学級の代表が参加する「百梅かるたクイズ王決定戦」が、お昼の放送で行われ盛り上がりを見せている。

2 食育に係わる活動

 「梅園」の校名の由来にもなった梅が、校内にも25本ほどあり、5月には、1年と6年がペアになって梅の収穫を行う。かつては、梅ジュースを作って、東日本大震災の仮設住宅へ届けたこともあった。現在は、梅ジュースの他に、6年生が梅を使った料理を考案し、来校者や全校へふるまう等の活動に発展している。今年度は、梅ジャムつかった「梅アイス」、「梅パンケーキ」「梅あめ」「梅みそ五平餅」などが、秋の「梅園プライドフェスティバル」でふるまわれた。

3 防災に係わる学習

 毎年、9月の防災の日に合わせて、学区の防災訓練が行われる。学区が行った避難所宿泊体験(本校体育館での宿泊と炊き出し)に、4年生の子どもたちが参加した。NPO法人「すいか隊」の方が全面的にサポートに入ってくださり、多くの保護者も一緒に宿泊するなど、貴重な体験の機会であった。4年生は、ダンボールベッドやペットボトルの食器など、学習してきたことを学区の方々に提案した。秋には、NPOの協力で、火事の際の煙道体験や起震車による地震の体験も行った。

来年度の活動計画

本校は、2021年に開校150周年を迎える。2019年度は、これまでの活動に加えて150周年を見越した活動を子どもたちに意識させたいと考えている。

・防災学習に取り組み、学区やNPOの協力を得て価値ある学びができた。さらに学区との連携を進めていきたい。十数年前、本校の校舎を立て直す工事の時に、多くの水が出たことから、学校に防災用の井戸を掘ることが学区の方から提案された。子どもたちの手では無理だが、防災学習を進める中のアイデアとしては興味深いことである。学区の理解や協力を得ながら進めたい。

・3学期に入り、校内の樹木を調べている5年生の子どもたちが、サザンカに付くチャドクガの退治をしたいと言い出している。また、壊れた樹木の標識を直したいという声も出ている。校内の樹木を教材化し、整備も含めた環境学習を活性化していきたい。

 すべての活動の土台として、「人のことを大切にして聞く」ことを教育の軸にしている。友達の思いに寄り添い、理解しようとして聞くことが、学習を深め、思いやりを育てるものと考えている。