2018年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

環境, 国際理解, その他の関連分野

当校は、ESDを「持続可能な対馬を支える人材の創成」の手段と捉え、ESDの実践を通して「自ら課題を設定し、他者と協働して課題の解決を図る力を育成すること」を目標とした。

具体的には、これまでの「環境」「国際理解」に加え、「その他」として“続可能な地域づくり”を柱に加え、①環境問題に関する活動、②国際理解に関する活動、③持続可能な地域としての「対馬」をつくるための課題解決学習を行った。

 

   環境問題に関する活動

 国境離島である対馬には、国内外から多くの漂着ごみが流れ着いており、漁業が主要産業である対馬にとって、漂着ごみによる海洋汚染は深刻な問題となっている。そこで、本校では、市が主催する「日韓合同ビーチクリーンアップ事業」に参加するなど、地域が直面している環境問題について実地体験を通して理解を深めている。

 また、今年度から発足した「ユネスコスクール部」では、地元固有種で絶滅危惧種とされるチョウ(ツシマウラボシシジミ)の保全活動を行うことで、生まれ育った故郷の環境問題について改めて考えることができた。

 

   国際理解に関する活動

本校は韓国語を専門的に学ぶ国際文化交流コースを設置しており、生徒は授業で韓国語を学ぶとともに、韓国の高校との交流を行い、韓国の文化について学ぶ出張講義を年に5回以上受講することで、国際理解を深めている。コース以外の生徒も「日韓合同ビーチクリーンアップ」などを通じて韓国の方との交流を行い、お互いの文化について学ぶと同時に文化の多様性についても理解を深め、将来は国際的に活躍する人材の育成を目指している。

 

   持続可能な地域としての「対馬」をつくるための課題解決学習

普通科1・2学年の「総合的な学習の時間」を活用し、「ESD対馬学」の取組を実施した。

その学習過程で、地域や地元行政機関(市役所・県振興局)連携して地元で活躍する方々や企業を訪問するバスツアーや関係者を招いてのリレー講座を行うとともに、関係者へのインタビューを行い、地域の良さや課題を認識し、持続可能な地域づくりのための取り組みについて考えることができた。生徒は5~6名程度のグループに分かれて新聞形式で自身の学んだことや考えたことをまとめ、文化祭や校外で実施された研究者を交えたフォーラムでポスター発表を行った。こうした活動をとおして多くの他者の意見に触れながら、生徒たちは地域理解を深めている。

来年度の活動計画

 平成31年度は、前年度に行った「ESD対馬学」の取組をさらに発展させ、引き続き「持続可能な地域づくり」をテーマに、生徒が自ら課題を設定して解決策を探るための活動を展開する。特に生徒の地域理解を一層深めるために、バスツアーの日程を拡充し、昨年は一部に限定された訪問先を対馬全島に広げる予定としている。

 また、今年度発足した「ユネスコスクール部」の活動をさらに活性化させ、遠隔システムを活用した他のユネスコスクールとの交流も準備を進めていく。さらに、ユネスコスクールとしての活動に関係の深い国際交流部や商業経済部、報道部などの部活動と相互に連携して、多面的な活動を展開するなど、今年度以上に積極的にユネスコスクールとしての活動を推進していきたい。