2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

環境, 国際理解, その他の関連分野


本校は、ESDを「持続可能な対馬を支える人材の育成」の手段と捉え、ESDの実践を通して「自ら課題を設定し、他者と協働して課題解決を図る力を育成すること」を目標としている。具体的には、「環境」、「国際理解」、「持続可能な地域づくり」を柱に①環境問題に関する活動、②国際理解に関する活動、③持続可能な対馬をつくるための探究活動を行った。

①環境問題に関する活動
国境離島である対馬には、国内外からの漂着ごみが多く、海洋汚染が大きな問題となっている。2022年はユネスコスクール部が海岸清掃活動の企画・運営を行い、多くの生徒が参加した。ユネスコスクール部はほかにも、対馬固有種で絶滅危惧種のチョウ「ツシマウラボシシジミ」の保全活動を行っている。今年は近隣の中学生とともに食草の保護区への植栽を行った。さらに、野生では絶滅したと言われている「オウゴンオニユリ」の栽培も、他校の生徒と遠隔交流しながら続けている。このように、生まれ育った地域の環境問題について考え行動する生徒を育成している。

②国際理解に関する活動
本校は韓国語や韓国の歴史について専門的に学ぶ国際文化交流科を設置している。生徒は韓国語を学びながら、韓国の高校や大学との遠隔交流により、国や歴史・文化について理解を深めている。また他学科の生徒も、国際文化交流科の生徒から基本韓国語会話を教わるなど、国際理解に努める土壌がある。

③持続可能な対馬をつくるための探究活動
本校では総合的な探究の時間に、「ESD対馬学」に取り組んでいる。生徒は1年次3学期に地域や行政機関と連携した各種講座で地域の良さと課題について学習する。2年次には班でテーマを設定し、事業所や行政機関の方々へのインタビューやフィールドワークを通して対馬についての理解を深め、課題解決を提案する3学期のプレゼンテーションに向けての準備をしている。このような探究活動により、持続可能な対馬について探り、課題解決能力を養っている。

来年度の活動計画

2023年度は、「ESD対馬学」の取り組みをさらに発展させ、SDGsの17のゴールを意識しながら生徒自ら地域の課題を発見し、他者と協働しながら課題の理解や解決策を探究する活動を行っていく。地元対馬市はSDGs未来都市に認定されており、本校は「対馬SDGsパートナー」として、持続可能なしまの実現に向けて取り組んでいく。ユネスコスクール部では「ツシマウラボシシジミ」や「オウゴンオニユリ」の保全活動を行い、海岸清掃活動のように、部員だけでなくさらに多くの生徒や近隣とともに行動していきたい。また、市主催の「日韓ビーチクリーンアップワークショップ」など、コロナ禍で中止されていた事業にも積極的に参加して環境問題・国際理解に努めたい。