2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

環境

令和2年度 ESD実践事業報告書

市川市立鶴指小学校

学校のテーマ:環境学習

1.学習実践編

1.「ごみの処理と利用」

~環境問題を多面的・批判的な見方で考える~(第4学年での実践)

ごみの処理は,人々が健康な生活を営む上で解決しなければならない基本的な問題である。なかには,ごみゼロ運動や廃棄物ゼロへの取り組みも見られつつあるものの,現状では,人間の生活や活動があれば,必ず廃棄物が生ずるものとして考えられている。児童は,常日頃から市が指定したゴミ袋を家庭や学校で目にしている。しかし,ごみの分別は種類によって分かれている程度の理解であり,はたしてそのごみがどこにいってどのようになるかまでは深く考えていないといって良いだろう。さらに,こういった日常の生活に深く関わっているごみの処理について,自分の生活をじっくり振り返ることもあまりないといえる。このようなことから,児童自ら持続可能な社会にしていくために環境問題をどのように改善させていけばよいかを進んで考える実践を行った。

本単元は,「つかむ」「調べる」「確かめる・まとめる」を1サイクルとして考え,それを3サイクル実践する。実施する過程において,地域のごみ問題から環境問題へと視野を広げながら自分の生活を見つめ直すことができるようにしていく。さらに,持続発展教育(ESD)「他人,社会,自然環境との関係性を認識し,関わり,つながりを尊重できる個人を育むこと」の観点に基づき,それらの学習から発展させた「広げる」の学習を最後にもう一度展開し,児童自ら持続可能な社会にしていくために環境問題をどのように改善させていけばよいか進んで考える場を設け下記のように学習を進めた。

・批判的・多面的なごみ問題の資料から,考えの揺らぎを与える

・世界の環境問題と日本の環境問題を批判的に比べる

・様々な視点や立場から考えることで疑問が生まれる

・他者の意見をよく検討し,発展的な話し合いを行う

2. 事業(学習)の成果

①児童が知識や技能として得たもの

◎自分の考えを書くことが困難だった児童が,単元を終えるころには多面的な見方から書けるようになった。 ⇒ 様々な角度や立場から物事を考える能力が育まれた。

②児童が知識や技能として得たもの

◎諸外国の取り組みである「燃やしてエネルギーに変える」という内容に疑問を持つ児童や,日本の生ごみの処理方法は本当に今のままで良いのかを考えたりする児童もいた。批判的に物事をみることからさらに,より良い方法へとつなげて考えることができた。

③学習の深まり

◎学習のまとめに「未来の4年生に向けて手紙」を書いた。50年後~100年後の未来についてアドバイスをすることで考えが深まった。。

◎他の教科でも,実践できる部分が多くあると感じた。

3. 残された課題

△たくさんの先進的な取り組みについて調べ,日本と比べながら単元を構成してきたが,「日本のごみ処理の工夫などについて,もう少し学びを深める必要性がある。

2.委員会活動における環境学習の実践

本校では環境学習として数年前からエコキャップ回収、ペットボトル回収、空き缶の回収活動を行っている。環境委員会の5,6年生が水曜日の朝、各家庭から持ち寄られたエコキャップ、ペットボトル、空き缶の回収作業である。それとは別に校内活動として1か月に一度、各学級の不要になった紙の回収作業を行っている。また、環境学習の一環として、昨年度の卒業生は「手作り木製リサイクルボックス」を全学級に卒業記念品として製作し、リサイクル運動の推進役となった。

実践の成果:エコキャップ、ペットボトル、空き缶回収を通して、持ってくる家庭とその自動はリサイクル活動に意識をもっている。また、各学級にリサイクルボックスがあることで、裏紙を使ったり、最後まで無駄なく使おうとしたりしている。日ごろから「紙をリサイクルする」という意識は高まっている。

 

課題:どの回収作業にも直接活動しているのが5,6年生なので仕方ないが、下の学年にも環境学習の意識を広げられたらと思う。例えばリサイクルされた物の使われ方や製品がわかるような学習実践をしていけば、意識も高まるのではないだろうか。

来年度の活動計画

コロナのため見てですが、環境及び和食の推進をしていく予定です。