2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

環境

活動内容
本年度は、「自分と自然、自分と友だちとのつながりを考える」を活動テーマとして、ESDを「環境的視点からより質の高い生活をすべての人が享受できる社会づくりのための教育」と捉え、ESDの実践を通して「多面的・総合的に考える力」「他社と協力する態度」「つながりを尊重する態度」の育成を目標とした。
具体的には、落ち葉の活用を柱に、①落ち葉の実態を知る活動、②落ち葉を使った制作活動、③作品鑑賞を行った。
多面的・総合的に考える力
毎年、晩秋にはたくさん見られる落ち葉。時には厄介に思われ、ほうきで掃か
れて捨てられることもあるが、集めて焚火にすれば皆を温め、また本教材のような工作に使えば、心を癒すもの・楽しむものにもなり得る。見方・考え方を変えれば、どんなものでも様々な可能性が生まれることに気付くことのできる力を育てる。
他者と協力する態度について
友だちの作品の良い所を素直に見つけて伝えたり、自分の作品に取り入れたり
するなど、他人の考えやアイディアを尊重できる態度を育てる。
つながりを尊重する態度について
私たちの周囲に存在している木々やその落ち葉が、他の季節ではどのような表
情を見せているのかに着目する。私たちは、夏の日差しが強いときには木陰として涼しさを与えられ、紅葉の時期はその美しさを愛でることができる。身近にある為に普段は意識し難いものであるが、一年を通して私たちは自然と共存していることを知り、それらを大切にしようとする態度を育てる。

① 落ち葉の実態を知る活動
(1)校庭の春や夏の写真と晩秋の様子を見比べて、木々や花の姿がどのように変わっているかを話し合う。
(2)落ち葉を集め、その色や形の特徴を友だちに伝えて共有する。
(3)たくさん落ちている落ち葉は、その後どうなるのかを考えたり調べたりする。

②落ち葉を使った制作活動(ランプづくり)
(1)友だちのアイディアと自分のアイディアを融合しながら、落ち葉の並べ方を考える。(B)
(2)落ち葉を紙(トレーシングペーパー)の上に並べ、水で薄めたのりをつける。
(3)工作用紙で囲いを作り、円柱状に立て、中からLEDライトで照らす。

③作品鑑賞・まとめ
(1)作品を並べて鑑賞し、互いの良さを伝え合うことを通してさらに自分の作品の良さに気付く。
(2)落ち葉や枯れてしまった花など、身近にあるものを使ってほかにどのような活かし方があるのかを話し合い、これからの生活に発展させる。
本校では、教科や総合的な学習の時間などの学習活動を進める中で、持続可能な社会の形成者としてふさわしい資質や価値観を養うために有効とする学習を積極的に取り入れている。今年度は小学校第2学年でESDの実践活動を行うことを年度当初に計画し、低学年の児童が身に付けるべき能力・態度と、ESDの視点で重視される能力・態度を対応させ、年間を通して計画的に指導を進めてきた。
計画を進める際は、アクティブラーニングの積極的な導入を含めた話し合いをし、本校の児童の実態に合わせた指導計画を立てるように努めている。
ユネスコ活動の担当教諭を中心に、毎年の活動の方針を定め、その方針や活動内容などは部会を通して広めている。ESDの授業実践を行う際は、校内の教諭との話し合いを設けることで幅広い認識のもと、実践授業の参観もできるようにしている。実践後は、その成果や課題についてのまとめを、部会を通して報告している。    今後も、担当教諭だけの取り組みにならないよう、開かれたESD活動として校内で共有していきたいと考えている。

1. 本年度は、ユネスコスクールとしての実践報告を積極的に行った。ESDの観点から、今までは主に「総合的な学習の時間」を通して学習活動を行うことが多かったのだが、今回は「図画工作科・生活科」の合科として位置付けた。
2. この実践を市内の小学校へ報告したことで、ESDの捉え方の幅が広がったといえる。どの教科でもESDの視点に立った学習指導ができるという認識が、今後の活動を更に活発にしていくであろうと考えられる。

来年度の活動計画

令和4年度の活動計画

本年度は、小学校第2学年を対象としたESD授業実践を中心として活動してきたので、令和4年度は、実践していない児童を対象としてESDとしての学習を進めていこうと考えている。