2021年度活動報告
本年度の活動内容
生物多様性, 減災・防災, 環境, 持続可能な生産と消費, 健康, 食育
秋篠川について
奈良市立鶴舞小学校
本校の4年生は、総合的な学習の時間を活用し、自分たちの住む町「鶴舞」を流れる秋篠川についての理解を深めた。2年生、3年生の町探検などで、町の姿や、地図上のどこに何があるかなどを学習することはできているものの、地形の理解についてはまだ不十分なことが多い。そこで、鶴舞という土地において特徴的な秋篠川の学習をすることとなった。
まず、航空写真を用い秋篠川の形をとらえた。児童は「川の始まりが大渕池という池であるということ」「いくつかの小学校や中学校のそばを通っていること」「長い川だと思っていたが、想像よりもさらに長いということ」などを学んだ。普段見ている川だが、知らないことも多いと確認できた時間となった。
次に、秋篠川の写真や動画をいくつか見せ、自然にはないコンクリートや岩が使われていることを確認した。それは人の手が加えられている証拠であり、また、その昔、秋篠川は都を作るために流れる方向をかえられたという過去があることを学んだ。児童にとっては自然の池である大渕池と、人工の部分がある秋篠川の対比は大きな驚きだったようだ。
その後、社会科の環境の学習において「本校の過去の四年生が秋篠川の水質を調査した」という歴史から、「先輩に学ぶ秋篠川」と題し、水質の改善の様子を学んだ。コロナ禍でなければ実際に川の水棲生物を捕まえるという活動も可能であるため、画像のみの紹介で終わった点は残念だった。
これらの活動の総まとめとして、実際に秋篠川への探検へと赴いた。夏の暑い時期だったので、短時間の活動ではあったが、今まで得た知識をもとに、いつもと違う視点で秋篠川を見ていたことが、その後の新聞づくりで作った紙面からも読み取ることができた。
最後に、Google Meetをつかったビデオ会議で、秋篠川を守る活動をしている方から、活動の様子や、秋篠川に関する歴史と治水の工夫など、様々な活動や実体験を、スライドや解説などから学んだ。「鶴舞に住む一人として、川をきれいに守っていってほしい。」という呼びかけで締めくくられたこの学習は、子どもたち一人一人に秋篠川へのおもいを深めた学習となった。
そんなおもいをこめた本校4年生の川柳が、今も秋篠川の桜の木に掲げられている。
来年度の活動計画
来年度も、①ぼうけんの森を中心とした環境教育、②甘葛煎にかかわる活動、③奈良に住む原爆被害者の方との平和学習、④地域を流れる秋篠川の4つの活動を中心に活動を行っていく。
特に「秋篠川」については、活動の中心に据え、1年生の時からの町探検に始まり、4年生で環境に触れ、5年生で「からむし」の繊維を使って、作品制作等、校内のESDの中心に据え、活動していく。
コロナ渦の中でも各学年において、できることをしていくようにする。
また、環境問題では、6年生で、それぞれの学年で学習したことをまとめ、世界に目を向けての学習につなげることを予定して、世界に目を向けて、自分にできることを考えられるようにしていきたい。