2022年度活動報告
本年度の活動内容
エネルギー, 環境, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 持続可能な生産と消費
四年生 住み続けられるまちづくりを
ねらい
本校は、中世「奈良まち」の町並みを残し、興福寺・元興寺の古社寺や、奈良公園・猿沢池などの観光名所を有している場所に位置する創立150周年の歴史ある学校です。
生活科・総合的な学習の時間では、『地域に学ぶ』をテーマに3つの柱を中心に学習をすすめてきた。
・主に外国語活動を中心に積極的に海外の方々と交流を行う国際理解教育
・地域の“もの・こと・ひと”に触れ、先人たちの思いを受け継ぐ地域遺産学習
・地域の環境課題から、その問題の解決のために何をすればよいかを考え発信する地域環境教育
以上の柱が、ユネスコスクールが重点的に取り組む3つの分野についても関連づくものである。
四年生の学びでは、“水”を切り口に学習をスタートさせた。
本校北側の「椿井井戸」は、聖徳太子の逸話にも残るほど古い井戸ながら、今も清水が湧き出ている貴重な井戸である。この清水を使う酒蔵が立ち並ぶ酒産業が盛んな町でもあるのがこの椿井である。
今回の四年生の学びでは、こうした井戸の清水を育む自然(春日原始林)の学びを切り口に、その水を活かし人々の営みに豊かさをもたらしてきた酒(春鹿)、それに付随する町文化の学びを通して、自然の豊かさ、自然がもたらす豊かさを発信する。
一学期には、『水の大切さを学ぶ』ことに重点を置き、以下のような学習をした。
・わたしたちの使う水はどこから
学校の水の水質調査 猿沢池の水質調査 布目ダム見学、ダムの水の水質調査 森のはたらき「緑のダム」
・きれいな水を作るには
緑ヶ丘浄水場見学 下水処理についての出前授業(管路管理総合研究所)
・世界の水について
インターネットを活用して調べ学習→国際理解DAYにて発表
・おいしい水くらべ
清酒「春鹿」出前授業
二学期には、『持続的に人々が豊かに暮らすためには、どのようなことが大切かを“水”から学び発信する』ことに重点を置いて、“酒造り”を通して“水”を学んだ。発信に関しては、椿井小学校のオリジナルラベルの「春鹿」を(業者協力のもと)販売し、ラベルに付いているQRコードを読み込むことにより動画などで発信をする。
9月 住み良いくらしについて学ぶ(社会科、総合、遠足「春日山原始林」)、ラベル考案(個人)→“水”をテーマに個人で絵手紙を考える
10月 ラベルクラス内選考→各クラス(4-1,4-2)3つのグループに分かれる 個人で考えた絵手紙の想いを各クラスでプレゼン→3つのグループに分かれる
11月 プレゼン選考会(清酒「春鹿」、協力業者、関係してくださる方々へ向け)
12月 ラベル完成 プレゼンでのアドバイスをもとに推敲し、完成させた
そして1月の椿井小学校オリジナルラベル「春鹿」販売に向かっている。
来年度の活動計画
多角的・総合的に「なら」を題材に学び、地域を誇りに思い、胸を張って地域を語り、仲間と協力して行動できる児童の育成を目指す。
基本的な考え方として、自分を同心円の中心に据え、人に大切にされてきている“もの”や“遺産”との出会いを広げていきます。そして、6年間のまとめとして再び地域に目を向けまとめる中で、自らの生き方につなげていきます。
1年生は、学校探検をして学校に親しみを持ちます。また、奈良公園に行き地域の寺院などを知ります。
2年生は、校区の町探検をします。
3年生は、校区から奈良市に広げて調べ学習に取り組みます。
4年生は、奈良市から奈良県へ広げて調べ学習に取り組みます。
5年生は、「わたしのまちの世界遺産〜過去から現在〜」をテーマに世界遺産の調べ学習に取り組みます。
6年生は、「わたしのまちの宝物〜そして未来へ〜」をテーマに地域遺産の調べ学習に取り組みます。
各学年において、『調べる』『まとめる』『発信する』を行い、探究心、プレゼンテーション力を養っていきます。