2022年度活動報告
本年度の活動内容
文化多様性, 国際理解, 平和, 人権, 持続可能な生産と消費, 貧困
本校は「多様な他者との協働学習を通して、知識理解の定着とともに、新しい知を生み出すための
コミュニケーション力の育成を目指し教育活動に取り組むこと」を学校理念としている。
その理念の下、具体的な活動として第1学年においてはSDGs12番目の目標を学ぶために
UNIQLO・GUの「届けよう服のチカラ」プロロジェクトを教材に、子ども用の古着回収を全校生徒
に呼びかけ、仕分け、梱包を委員会活動としておこなった。同時に余った衣類の処分についても学んだ。
第2学年では地域性も考えて在日外国人の方9名(5か国)に来ていただき、日本と母国の文化の共通点や
相違点・コロナ禍での日本の生活における心配な点などを話してもらった、最後の質疑応答も活発に行われ
た。その後各生徒が興味のある外国について新聞を作成した。生徒達は講演と調べ学習を通して異文化理解
について詳しく学習できた。
第3学年ではフリージャーナリストの西谷 文和氏の講演を聞いた。内容は昨年から起こったロシアの対
ウクライナ侵略についての解説。アフガニスタン、イラクパキスタンでの自身が取材された経験からの感想
や報告を述べられた。戦争が起こる原因や、対人地雷や劣化ウラン弾の恐ろしさや悲惨さを映像を交えて伝
えられた。また戦火の中での学校事情や明るく生き生きとした生徒の様子も伝えられ同じ中学性にとって
貴重な話を聞くことができた。
本校は帰国・渡日生徒が比較的多い学校である。あらゆる面で班活動を取り入れ、生徒・教師による対話に
よるコミュニケーションを大切にしている。相互理解と協調性による異文化交流・各人の心に平和を築く気
持ちを今後も持ち続けて行く教育を目指している。
来年度の活動計画
COVID19の感染拡大は国家間の枠を超えて複雑に絡み合っているおり、ワクチンの取り合いにおいても国家間のエゴと国際機関の無力感が明らかになった。
こうした状況下においてすべての人が幸福を享受できる、持続的な発展を可能とする社会を形成していくためには、価値観の違う他者との間で、建設的妥協を図っていかねばならず、従来の伝達的コミュニケーションではなく、会話のやりとりの中で相手の反応によって次の発言が変わっていく構成型コミュニケーションが求められていく。授業者の持っている知識をいかに学習者に伝達するか、ではなくいかに学習者と学習者をつなぐ、あるいは学習者と知識を対話することで豊かな学びが生まれる。
また、一人に一台配付された情報端末はこれまでの受動的な学習行為を能動的に変えていくツールであり、情報の真偽を確かめる能力を身につけさせながら、従来の授業者の板書をノートに写すだけではなく、学習者の主体性により自分の言葉で語り直すプロセスを創っていくことが可能であり、これまでの行事を更に主体的なものとできると考えている。