2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

国際理解, 平和, 人権, ジェンダー平等, 持続可能な生産と消費

 本校では、多様な他者との協働学習を通して、知識理解の定着とともに、新しい知を生み出すためのコミュニケーション力の育成をめざし、教育活動に取り組んでいる。ESDにあっては、地球上にいるすべての人々の明日が今日よりも幸福である社会を築く力を、生徒に身につけさせることを目標としている。このためには価値観の異なる他者とのコミュニケーションや建設的妥協による新たな知の創造が欠かせないものであり、本校の教育目標と合致するものと考えている。

 海外の学校と交流することよりも、校内のあらゆる教育活動の場面で、班活動やグループワークを実施し、身近にいる価値観の異なる他者とコミュニケーションを行う場を常に設定することを重視し、教育課程を設定している。

 また、LGBTの当事者を講師として招くなど、社会的少数者を含む多様性を感受できる教育活動を取り入れることを試みた。

来年度の活動計画

グローバルな視点で政治や経済における国家間の枠を超えて複雑に絡み合っている。その中ですべての人が幸福を享受できる、持続的な発展を可能とする社会を形成していくためには、価値観の違う他者との間で、建設的妥協を図っていかねばならない。そこでは、従来型の学習では克服・解決できない問題に向き合うためのキー・コンピテンシーとして、「相互作用的に道具を用いる能力」「異質な集団で交流する能力」「自立的に活動する能力」が求められている。

上記のことを実現するために、従来の伝達的コミュニケーションではなく、会話のやりとりの中で相手の反応によって次の発言が変わっていく構成型コミュニケーションが求められていく。教師の持っている知識をいかに学習者に伝達するか、ではなくいかに学習者と学習者をつなぐ、あるいは学習者と知識を対話することで豊かな学びが生まれる。たとえば単に板書をノートに写すだけではなく、ふり返りをすることで、自分の中にいったん落とし込んで、自分の言葉で語り直すプロセスを創っていくことを大切にしていくことが必要である。

以上のことから、「多様な価値観を持つ生徒の相互啓発による学力の伸長

~建設的妥協による新たな知識・技能の創造と獲得~」を研究主題に授業研究を実施していく。