2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 環境, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 福祉, 持続可能な生産と消費, 食育

1.はじめに

本校は2014年に県内公立高校初のユネスコスクール加盟校となりました。

本校の教育目標は、「地域に根ざした特色ある日本一の専門高校の創造」です。この目標を達成するため、本校の特色を活かし、「環境教育活動」、「食育活動」、「地域ボランティア活動」を3つの柱としたユネスコ活動に取り組んでいます。

ユネスコスクール加盟以来、今迄の地域での各種活動が評価され、10月に開催された「沼田ユネスコ協会50周年記念式典」にて功労賞をいただきました。

本年度もコロナ禍のため、校外での多くの活動が制限されましたが、昨年度の活動に加え、以下のユネスコスクールとして地域に根ざした特色ある活動を行うことができました。

 

2.人形陶芸作家・新藤廣子先生による芸術指導

本校生徒会、農業クラブでは、文化庁「文化芸術による子ども育成総合事業」を取り入れ、6月に沼田市在住の人形陶芸作家新藤廣子(廣習)先生をお招きし、「今の心を形にする」と題し、フクロウの粘土細工作製を行いました。

昨今、世間では引きこもりや自死の問題が大きく取り上げられ、社会問題となっています。このような社会を生きていくうえでヒントとなる事柄を新藤先生より作品制作とともに教示いただきながら、リモートにて全校生徒・職員353名がフクロウをモチーフとしてペン立てや一輪挿しを作りました。

新藤先生は全作品をご自宅の窯で焼いて下さり、学校に「高校生活の思い出に」と届けて下さいました。

 

3.そば打ちボランティア

沼田市白沢支所では「ひとり暮らし高齢者交流会」が7月に開催され、3年生食品文化コースはそば打ち披露に招かれました。

本交流会は、白沢地区独居老人を対象に「お声掛け」、「生活指導」、「健康診断」等を行うとともに、生きがいを感じていただくものです。本年度は、新たな試みとして、白沢地区のお年寄りを前に、そば打ちのデモンストレーションを行いながら、各工程を説明しました。

 

4.放置竹林の有効利活用

食品文化コース、森林科学コースでは、地域で慢性化している放置竹林問題の解決を目的として「竹」に注目し、沼田市様、地元企業様と4月より継続して取り組みました。

食品文化コースでは、タケノコを用いたコロッケやマフィンを発案しました。森林科学コースでは、竹灯籠を作製し、これにLEDを内蔵させることにより、学校庭園を彩りました。

 

5.炭焼き窯の再生

森林科学コースでは、赤城演習林にて炭焼きを行っていましたが、窯の老朽化により、炭焼きを行うことができませんでした。

11月、片品村に在住する炭焼き名人・須藤賢一様のご指導のもと、炭焼き窯を修繕ならびに作製指導を仰ぎ、各種の炭を焼くことができました。

 

6.伝統野菜「沼須ねぎ」の商品化

生物資源コースでは、「沼須ねぎ生産者組合」様より譲り受けた種子から、校内ほ場にて沼田市の伝統野菜「沼須ねぎ」の栽培を行っています。

本年度は地元スーパー様との連携により、沼須ねぎを用いたプリンとゼリーを商品化・販売を行い、好評のうちに終えることができました。

 

7.全国農業高校お米甲子園2022での「最高金賞」受賞

食品文化コースでは「全国農業高校お米甲子園」に本校で栽培したコメを第1回大会より出品しています。

今迄「コシヒカリ」や「ミルキークイーン」を出品してきましたが、本年度の大会では、地域の農業生産法人、農業協同組合の皆さんのアドバイスやご協力を仰ぎ、「ゆうだい21」を出品しました。

今回の大会では、90校181検体が出品されました。このような中、最優秀賞に当たる「最高金賞」を受賞する事ができました。

 

8.むすび

以上の諸活動は、生徒が地域で生じている諸問題を課題解決型学習にて、「いかにすれば経済振興や環境問題解決に寄与できるか」、そして「今、私たち高校生にできることは何か」という命題の下、地域に賦存する資源の活用を通じ、取り組んできた成果です。

今後も、地域の皆さんのご指導を仰ぎながら、利根沼田地域の持続的な発展を目指し、主体的に各種問題に向き合い、粘り強く解決に向けて取り組める人材、地域の諸側面で貢献できる人材、地域貢献活動を享受できる人材を育んでまいります。

来年度の活動計画

コロナ禍の中、活動が制約された2022年度ではありましたが、2023年度は、上記の活動に加え、以下の活動を主に行っていきたいと考えています。

また、本年度実施している取り組みについても、ブラッシュアップし、内容を深化させていきます。

 

・学校全体

発展途上国へ「絵本を届ける運動」、「花いっぱい運動」(市内の公共施設の花壇整備)、地域美化のためのごみ拾い

 

・生物資源コース

地域伝統野菜「沼須ねぎ」の保存と普及活動、和牛生産流通消費プロジェクト

 

・食品文化コース

「戦国米セット」の販売、そば打ちによる地域ボランティア活動

 

・森林科学コース

「ソバ殻培地」を利用したキノコ栽培、地域伝統工芸(組紐、陶芸、天狗面作製、桐下駄づくり等)を授業科目に取り入れた文化伝承活動、老神湿地公園の環境整備活動

 

・生活環境コース

医療従事者へ花を届ける運動(地域内の医療福祉施設へ栽培した花を届ける)

沼田城址公園周辺景観美化プロジェクト