所在地 〒584-0032 大阪府富田林市常盤町15の1
電話番号 0721-24-3301
ホームページ https://www.city.tondabayashi.lg.jp/site/tondabayashiyoutien/
加盟年 -

2023年度活動報告

活動分野

生物多様性, 気候変動, 環境, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 平和, 人権, ジェンダー平等, 健康, 食育, グローバル・シチズンシップ教育(GCED)

本園は、ユネスコ憲章に掲げられた、平和、人権、尊重、文化などの国際社会の平和の文化構築のための重要な要素を積極的に取り入れ、幼児期より「人として生きる(Learning to be)」ために「心ゆたかにたくましく生きる子どもの育成」を教育目標に掲げた。特に、子どもの自発性や興味・関心を尊重した生活を基盤にしながら、遊びを通した相互の尊重を育み、学びの創造と充実をめざしている。また、ユネスコスクールの活動は、遊びを通した学びの実践と捉え、活動を通して幼児期に育みたい資質・能力を育成することを目標とし、それらは、地域文化の継承と創造・健康な生活と体作り・自然物との関わり・聞くことと話すことの4つの柱を中心に活動が構成されている。

1.地域文化の継承と創造・健康な生活と体作りに関わる活動

昨年に引き続き、富田林寺内町に出かけて自分たちが住む町について知る「みいつけた!寺内町」の活動を継続して行ってきた。昨年度の課題や反省として“活動内容について園児のねらいと照らし合わせて一緒に年間計画を立てたい”“園からも近く、子どもたちが親しみを感じている旧杉山家住宅について知る機会をつくりたい”の2点があり、それらを伝えながら今年度の活動内容を計画することができた。

旧杉山家住宅の見学では昔ながらの家財道具や独特な家屋の特徴について分かりやすく教えていただくことができ、身近な地域の文化財について興味を深めるきっかけとなった。また、ワタ植えや収穫の折には“なぜ河内で木綿をつくるようになったのか”“たくさんとれた木綿は石川から東北地方まで運んでいた”ということも知ることができ、ワタ栽培の理解を深めることができた。寺内町フィールドワークでは、展望台で「寺内町の成り立ち」について話を聞き、町づくりの中心となった“興正寺別院”で「二十四考のお話」を聞かせてもらうなど様々な観点から寺内町への興味を深めてきた。今後は自分たちが学んだことを遊びに生かし、アウトプットできるような活動につなげていきたいと考えている。

みぃつけた!寺内町(旧杉山家住宅の見学・興正寺別院)

    

2.自然物との関わり・聞くこと話すことに関わる活動

園のビオトープ(メダカ池)にはメダカやヤゴが生息し、子どもたちにとって憩いの場となっている。代々池への思いを引き継ぎ、生き物の観察や手入れを行っているが、今年度の5歳児は池が完成した時にはまだ3歳児だったこともあり、今までの5歳児よりは池への愛着が少ないように感じられた。一方、昆虫好きな子どもが多く、池の手入れをした後は藻にくっついていたヤゴやタニシを見つけてその都度池に戻してやるなど優しい気持ちで接する姿が多く見受けられた。そこで「幼稚園の生き物調べ」を投げかけ、園で見られる昆虫の写真を撮りためていくようになった。時期によってあまり昆虫が見られない時は「こんなかわいい花が咲いてる!」と池の端に生えている植物にも目を向けるようになった。30種類ほどの写真が撮れたところで、子どもたちと“生き物の名前”“見つけた場所”“調べて分かったこと”の3点について調べてみた。友達と一緒にいくつもの図鑑見と写真や実物を見比べて名前が分かると喜ぶ姿が多く見受けられた。池の水路に勝手にスギナが生えてきて「スギナはツクシのお母さんやけど、どこからここに来たんやろう?」と疑問をもつ姿も見られた。よく見かけるモンシロチョウにも春型と夏型があることに気づくなど、初めて知ることに興味を深めることができた。

自分たちが調べたことをお家の方にも聞いてもらおうということになり、参観で一人ずつ調べたことを発表する場をつくった。自分で調べたことなので自信をもって伝えることができ、保護者にも「知っているようで知らない生き物がたくさんいることが分かって勉強になった」「遊びの中で学んだことをしっかりと伝えられて成長を感じた」などの感想をいただくことができた。この活動を通し、生き物に向ける目が変化してきたように感じる。今後も自然が教えてくれる様々な気付きを子どもの育ちにつなげていきたい。

幼稚園の生き物調べ

      

来年度の活動計画

・寺内町との交流を継続し、自分たちが住んでいる地域を大切に思う心を育てるとともに、寺内町について学んだことを遊びに生かしていくことができるようにする。

・ビオトープでの自然体験から気付いたことや学んだことを深め、生命の神秘さ・不思議さに触れる体験を積み重ね、命の尊さやいたわりの気持ち、思いやりの心を育てる。

過去の活動報告