2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

文化多様性, 世界遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 人権, 世界遺産・地域の文化財等, 健康, グローバル・シチズンシップ教育(GCED), その他の関連分野

1.ユネスコスクール関東ブロック大会における大学間協同

玉川大学教育学部は、ユネスコスクール支援大学間ネットワーク(ASPUnivNet)加盟大学として、首都圏に位置する他のASPUnivNet加盟大学(東海大学、創価大学、成蹊大学)、ユネスコ・アジア文化センター(ACCU)および神奈川県ユネスコスクール連絡協議会と連携し2019年10月5日(土)に「ユネスコスクール関東ブロック大会」を開催しましたが、この成果を受け「第2回ユネスコスクール関東ブロック大会」が成蹊大学主催で2021年8月7日に開催されることになっており、玉川大学教育学部も共催大学として、2020年度は分科会の企画をはじめとする大会準備と運営に協力しました。

 

2.ユネスコスクール加盟申請校への指導と教員研修

玉川大学教育学部は2020年度、ユネスコスクールの加盟申請中の町田市立南大谷小学校、稲城市立南山小学校、東京都立山崎高等学校、青ヶ島村立青ヶ島小中学校、日本体育大学柏高等学校にてユネスコスクール加盟に向けたESD教員研修を行い、ASPnet加盟に向けた校内体制整備およびカリキュラム開発についてアドヴァイスをしました。東京都立山崎高等学校では「人間と社会」課題研究発表会での講評と指導も行いました。またユネスコスクール加盟申請を予定している横須賀学院高等学校ではASPnetの趣旨と意義について教員研究会および生徒への出張授業を行いました。さらにユネスコスクール加盟校となった大妻女子中野中学校高等学校の校内行事「グローバル教育発表会」に審査員として参加し、講評と指導を行いました。

 

3.ASPnetホームページの開設:「ESD実践活動プログラム」と「高等教育におけるESD指導に向けた教材開発の試み」

玉川大学教育学部は卒業生の大半が学校教員になることから、学校現場でESD/SDGsを効果的に教えることのできる教師力の育成を目標に掲げ、学部等改革推進制度として「ESD実践学習プログラム」を実施しました。外部機関の訪問をはじめ、近隣の小学校でのボランティア活動、自然文化体験活動などを行いました。また参加学生は小学校現場で使うことのできるESDワークシート教材を作成し、持続可能な社会の担い手を育成する教師のESD指導スキルの向上に努めました。また学内共同研究として、「高等教育におけるESD指導に向けた教材開発の試み」を実施し、大学の教師教育プログラムにて活用できるESD教材の開発を行いました。これらの成果を含め、2020年4月に玉川大学教育学部ホームページに「ユネスコスクール加盟大学として」という特設サイトを開設し、ユネスコスクール加盟校である高等教育機関としてのビジョンの共有と広報を図っています。今後は教育学部のカリキュラムの中にESD/SDGs教育指導法を正規の科目として単位化する形で組み入れていく計画を進めています。

4.アジア太平洋地域GCEDネットワークのコアメンバーとして

玉川大学教育学部は、ユネスコ・バンコク事務所が運営する「アジア太平洋地域GCEDネットワーク」のコアメンバーとして数次にわたるウェブ会議に参加し、アジア太平洋地域におけるGCED(地球市民教育)の普及と拡充に協同しました。とくにユネスコ・バンコク事務所が作成を進めている「GCEDミニガイド」を部分執筆し、日本を含むアジア太平洋地域におけるSDGs目標達成に向けたユネスコスクール間の交流と連携の意味を分析しました。

 

5.京都外国語大学との共同研究および交流授業

ASPUnivNet加盟大学である京都外国語大学の学内共同研究「グローカルマインドを育てる文化多様性 - 多文化共生教育の構築に向けて」に協力大学として参加し、共同の研究活動を進めています。また2021年1月16日(土)にオンライン大学間交流授業「ユネスコ提唱の地球市民を考える - コロナ禍のわたしたち」を開催し、現在のパンデミック危機状況における持続可能性の問題について討議を行いました。SDGsの目標達成に向けた大学間交流と協同の課題研究の可能性を追求していく計画です。

6.玉川大学ユネスコクラブの活動

大学公認の文化会である玉川大学ユネスコクラブ(2003年設立)はユネスコスクール加盟大学の課外活動団体として、「持続可能な社会づくりのために大学生ができること」をテーマにした実践活動を展開しています。2011年7月には日本ユネスコ協会連盟に構成団体会員として加盟しました。2020年度は「SDGsワークショップ」として、SDGs11およびSDGs3をテーマにした学生主体のワークショップにより持続可能な社会の担い手育成に向けた実践学習を進めています。またユネスコクラブ部員全員が世界遺産検定3級(ないし2級)を取得することを目標に、世界遺産学習を系統的に行っています。

大学間交流としては、奈良教育大学、慶應義塾大学、国際基督教大学、広島大学、福山市立大学、京都外国語大学など他大学のユネスコクラブとの交流を積極的に進め、2013年よりユネスコクラブの全国的ネットワーク構築を目指して「ユネスコクラブ全国サミット」を開催してきました。2020年12月5日(土)には日本ユネスコ協会連盟の「青少年ユネスコ活動助成」により玉川大学ユネスコクラブが主催する「第7回ユネスコクラブ全国サミット」をオンラインで開催し、小中学生を対象としたSDGs指導教材・ワークショップを作成しました。また大学生ができるSDGs推進活動の課題と可能性を協議しました。

2020年度はユネスコスクール加盟校である富山国際大学附属高等学校ユネスコ部とも交流を開始し、SDGs共同学習会の実施や、高齢者施設での支援活動などを協同で行っています。ユネスコクラブにおける高大連携のモデル構築を目指して交流活動を展開していく計画です。

2020年2月にはパリのユネスコ本部にスタディツアーを行い、ユネスコスクール国際コーディネーターの斎藤珠里氏はじめユネスコ本部職員との研修セミナーを体験しました。この経験に基づき、ユネスコ本部が主催する「ユネスコスクール世界ウェビナー会議」にオンライン参加し、各国のユネスコスクールとの交流を深めました。またユネスコスクール・ニュースレター‟CONNECT”をテキストに世界のユネスコスクールとつながるSDGs交流活動の可能性を追求しています。

来年度の活動計画

2021年度は、玉川大学教育学部は、2021年6月12日・13日に異文化間教育学会・日本国際理解教育学会 合同大会を開催しますが、その公開シンポジウム「SDGs目標達成に向けた異文化間教育と日本国際理解教育学会の役割 - ユネスコとの関係を再構築する」ではユネスコ本部の斎藤珠里ユネスコスクール国際コーディネーターを基調講演講師としてお招きし、日本における国際教育の研究と実践におけるユネスコスクールの役割と課題について共同討議を行う予定です。斎藤珠里ASPnet課長とは、高等教育機関におけるユネスコスクールのための研究実践活動の課題と展望について協議会も行う予定です。

町田市議会にてユネスコスクール振興のテーマが取り上げられたことを受け、町田市、相模原市をはじめとする近隣自治体におけるユネスコスクールの広報と加盟支援にいっそう力を入れて取り組んでいく計画です。民間ユネスコ運動における東京都ユネスコ連絡協議会の「2000年プロジェクト」にも協力参加し、首都圏におけるユネスコスクールのネットワーク構築と、ユネスコスクールとユネスコ協会との連携強化にも取り組んでいく予定です。大妻中野中学校・高等学校や横須賀学院中学校・高等学校、淑徳SC中学校・高等学校、創価高等学校などでユネスコスクーすするル教員研修会を行い、SDGs目標達成に向けたカリキュラム開発と教材開発を支援していく計画を立てています。

2020年度に玉川大学教育学部のカリキュラムポリシーに「ESD/SDGs学習の推進」が盛り込まれたことを受け、教育学部のカリキュラムにSDGsとESDの基礎を教える導入科目を開設する計画で、現在準備を進めています。

課外活動における玉川大学ユネスコクラブは、2021年度は「第8回ユネスコクラブ全国サミット」にて大学ユネスコクラブの全国的ネットワーク構築をいっそう進めていく計画です。また毎週行っているSDGsワークショップを通じ、ユネスコスクール加盟大学の大学生としての地域貢献のあり方を再検討します。近隣のユネスコスクール加盟申請校である町田市立南大谷小学校および東京都立山崎高等学校でのSDGs出張授業の実施を大学生の教育貢献活動として計画しています。さらにユネスコ本部主催の「ASPnet世界ウェビナー会議」にも引き続き参加し、SDGsへの教育貢献を共通テーマとした海外のユネスコスクールとの交流やコラボを始めてゆきたいと考えています。

2021年8月7日に成蹊大学で開催される「第2回ユネスコスクール関東ブロック大会」にて共催大学として参加し、国際対立を克服するための「視点取得と共感性」をテーマにした分科会ワークショップを実施する予定です。

ユネスコ・バンコク事務所による「アジア太平洋地域GCEDネットワーク」にはコアメンバーとして引き続き参加し、「GCEDミニガイド」の作成等に携わります。またユネスコ本部が開催する2021年5月の「ユネスコESD世界会議」および2021年9月の「ユネスコ・フォーラム2021」におけるユネスコスクール加盟大学の取り組みついての発表参加を計画しています。