2018年度活動報告
本年度の活動内容
環境, 国際理解, 平和, 人権, 福祉, 持続可能な生産と消費, 減災・防災, 世界遺産・地域の文化財等, 健康, 食育, グローバル・シチズンシップ教育(GCED)
玉川大学は、小原國芳の提唱した全人教育を建学の理念として、ESDを平和で持続可能な社会の担い手を育てる「人づくり」の教育活動と捉え、ESDの実践を通して平和、持続可能性、地球市民性、国際理解といったユネスコの価値教育の理念を効果的に児童生徒に伝えてゆける教師力の育成を目標としている。またユネスコスクール支援大学間ネットワーク(ASPUnivNet)加盟大学として、首都圏におけるユネスコスクール支援活動を行っている。
具体的には、教員研修、教師教育、ユネスコスクール加盟支援、ユネスコクラブ(課外活動)を柱に、①「第4回ユネスコスクール神奈川県大会」、②教育学部共同研究「高等教育におけるESD教材作成」、③ユネスコスクール加盟希望校への支援活動、④ユネスコクラブによる学校支援活動(出張授業)、を中心とする諸活動を実施した。
① 教員研修に係わる活動
玉川大学教育学部は、神奈川県ユネスコスクール連絡協議会の加盟校として、2018年12月15日に「第4回ユネスコスクール神奈川県大会」を開催した。松浦晃一郎第8代ユネスコ事務局長による基調講演をはじめ、ESDおよびGCEDの領域で先導的な実践を行っている識者によるパネル・シンポジウム、神奈川県のユネスコスクール加盟校の実践報告、SDGsカードゲームのワークショップなど多彩な内容の大会に81名が参加した。この大会を通じ、神奈川県および首都圏の近隣地域におけるユネスコスクール地域ネットワークが一層強化され、国連のSDGs(持続可能な開発目標)が示す教育課題に向けユネスコスクーがル果たし得る役割について議論を深めることができた。
② 教師教育に係わる教育
学校現場でESDを効果的に教えることのできる教師力の育成を目標に掲げ、学部等改革推進制度として平成29年度に「ESD実践学習プログラム」を実施した。この成果を生かし、教育学部のカリキュラムに、学校でのESDの指導力育成を目的とした「ESD概論」を単位化する形で導入すべく準備を進めている。
また教育学部の共同研究プロジェクトとして、「高等教育におけるESD教材の作成」を実施し、調査と教材作成を行った。
③ ユネスコスクール加盟支援に係わる活動
ASPUnivNet加盟大学として、平成30年度に以下のユネスコスクール加盟希望校(チャレンジ期間中)に対して、教師研修会を含む学校訪問とユネスコスクール加盟申請書の添削および評価等を行った:智学館中等教育学校、大森区立大森第一小学校、茨城県立水戸第二高等学校、稲城市立南山小学校、K. International School Tokyo、淑徳SC中等部高等部、町田市立小山田小学校、町田市立町田第五小学校、町田市立南大谷小学校、もみの木保育園希望丘、板橋区立高島第一中学校。町田市の3校においては出張授業および「三菱アジア子ども絵日記フェスタ」を含む校内支援活動を行った。また創価大学にてESD研修会を行い、ASPUnivNetへの参加を支援した。
④ ユネスコクラブの活動
玉川大学ユネスコクラブは2018年9月に和歌山県にスタディツアーを行った。ユネスコ世界遺産に登録されている「紀伊山地の霊場」の構成遺産をなす高野山を訪問し、また和歌山市を訪問して和歌山ユネスコ協会との交流を深めた。
町田市立の小学校3校(小山田小学校、町田第五小学校、南大谷小学校)がユネスコスクールに加盟申請したことを受け、これらの学校でのESDボランティア活動を行うと同時に、南大谷小学校では文化の多様性をテーマにした3年生の総合学習での出張授業を行った。またNHKエデュケーショナルの主催する「NHK日本賞」の審査に協力し、作品についての対談に参加した。
来年度の活動計画
玉川大学教育学部は、平成31年度には、教育学部ホームページにユネスコスクールのサブサイトを立ち上げ、また学校現場でのESD実践指導力を育成するための教職科目「ESD概論」をカリキュラムに導入する計画である。ASPUnivNet加盟大学としては、同じ東京都にあるASPUnivNet加盟大学である成蹊大学、創価大学と連携し、西多摩地区におけるユネスコスクール活動の重点支援を目的とした大学間ネットワークを立ち上げる予定である。学生の課外活動の玉川大学ユネスコクラブは、大学ユネスコクラブの全国的ネットワーク構築を進めるため、奈良教育大学ユネスコクラブ等との協力関係にもと、「第6回ユネスコクラブ全国サミット」を実施すべく準備を進めている。