2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

エネルギー, 環境, 文化多様性, 世界遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 人権, ジェンダー平等, 福祉, その他の関連分野

 玉川大学は、小原國芳の提唱した全人教育を建学の理念として、ESDを平和で持続可能な社会の担い手を育てる「人づくり」の教育活動と捉え、ESDの実践を通して平和、持続可能性、地球市民性、国際理解といったユネスコの価値教育の理念を効果的に児童生徒に伝えてゆける教師力の育成を目標としている。またユネスコスクール支援大学間ネットワーク(ASPUnivNet)加盟大学として、首都圏におけるユネスコスクール支援活動を行っている。

 

①  教員研修に係わる活動

 玉川大学教育学部は、ユネスコ・アジア文化センター(ACCU)および関東地区にあるASPUnivNet加盟大学3校(東海大学、創価大学、成蹊大学)ならびに神奈川県ユネスコスクール連絡協議会と協同で、2019105日(土)に玉川大学にて「ユネスコスクール関東ブロック大会」を開催した(文部科学省委託「平成31年度日本/ユネスコ パートナーシップ事業」による)。リム・ヒョンムクAPCEIU所長による基調講演をはじめ、ASPUnivNetの担当教員によるパネル・シンポジウム、主催・共催団体の企画による5テーマの分科会、SDGsワークショップなど多彩な内容の大会に106名が参加した。この大会を通じ、首都圏および関東地方におけるユネスコスクール地域ネットワークならびにASPUnivNet加盟大学間の連携体制が一層強化され、国連のSDGs(持続可能な開発目標)が示す教育課題に向けユネスコスクーがル果たし得る役割を可視化することができた。

 

②  教師教育に係わる教育

 学校現場でSDGsを効果的に教えることのできる教師力の育成を目標に掲げ、学部等改革推進制度としてSDGs目標達成に向けた地球市民性の育成をめざす教師教育実践プログラム」を提案し、採択された。これを受け実施の準備を進めた。またESD活動支援センター次長の柴尾智子氏を講師に迎えて20191114日に「ESD実践セミナー」を実施し、教育学部カリキュラムと学校現場での実践的指導力との融合を図った。この成果を生かし、教育学部のカリキュラムに、学校でのESDの指導力育成を目的とした「ESD概論」を単位化する形で導入すべく準備を進めている。

 

③  ユネスコスクール加盟支援に係わる活動

 ASPUnivNet加盟大学として、2019年度に以下のユネスコスクール加盟希望校(チャレンジ期間中)に対して、教師研修会を含む学校訪問とユネスコスクール加盟申請書の添削および評価等を行った:板橋区立蓮根第二小学校、板橋区立西台中学校、新渡戸文化学園、稲城市立南山小学校、つくば市立学園の森義務教育学校、町田市立町田第五小学校、板橋区立緑小学校、大妻中野中学校高等学校、町田市立南大谷小学校、もみの木保育園希望丘、淑徳SC中等部高等部、東京都立山崎高等学校、東京女学館中学校高等学校、秀明八千代中学高等学校、八千代市立南高津小学校、実践女子学園中学校高等学校、創価大学教育学部、日本体育大学柏高等学校、創価高等学校、大田区立大森第一小学校、K. International School Tokyo、町田市立小山田小学校、板橋区立高島第一中学校。町田市の3校においては出張授業および学生によるボランティア活動を行った。また実践女子学園および東京都立山崎高等学校にてESD研修会を行い、ユネスコスクールのあり方を協議した。

 

④  ユネスコクラブの活動

 玉川大学ユネスコクラブは20199月に広島市にスタディツアーを行った。ユネスコ世界遺産に登録されている原爆ドームおよび宮島の厳島神社を訪問し、平和学習の一環として、広島平和記念資料館を見学し、被爆者体験講話も聴講した。またこのスタディツアーは、奈良教育大学ユネスコクラブ、広島大学ユネスコクラブ、福山市立大学ユネスコクラブとの4大学合同合宿で、広島市にて4大学ユネスコクラブの総合セミナーを開催し、ユネスコクラブの大学間ネットワーク構築の展望について協議した。

町田市立の小学校3校(小山田小学校、町田第五小学校、南大谷小学校)がユネスコスクールに加盟申請したことを受け、これらの学校でのESDボランティア活動を行うと同時に、南大谷小学校では文化の多様性および水問題をテーマにした3年生の総合学習での出張授業を行った。

来年度の活動計画

 玉川大学教育学部は、2020年度には、教育学部ホームページにユネスコスクールのサブサイトを立ち上げ、また学校現場でのESD実践指導力を育成するための教職科目「ESD概論」をカリキュラムに導入する計画を進める予定である。また2019年度に玉川大学が主催した「ユネスコスクール関東ブロック大会」の成果を受け、20209月に成蹊大学にて開催予定の「第2回ユネスコスクール関東ブロック大会」に共催大学として参加する計画である。

教育学部の教師教育プログラムとして「SDGs目標達成に向けた地球市民性の育成をめざす教師教育実践プログラム」を実施し、教師志望学生のSDGs目標達成に向けた教師力の育成強化をめざす。

2020619日~21日には、SDGsに焦点を当てた新たな教育モデル構築を目指して日本国際理解教育学会第30回研究大会を玉川大学にて開催予定である。

課外活動の玉川大学ユネスコクラブは、大学ユネスコクラブの全国的ネットワーク構築を進めるため、202011月に「第7回ユネスコクラブ全国サミット」を玉川大学にて実施する予定である。