2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 海洋, 気候変動, エネルギー, 環境, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 人権, 福祉, 持続可能な生産と消費, 食育

本校は「身の回りから課題を見付け自分とのかかわりで課題を捉え、探究し、持続可能な社会の実現を心から願って行動できる児童」を活動テーマとし、ユネスコスクールが重点的に取り組む3つの分野のうち「持続可能な開発および持続可能なライフスタイル」を中心におき、ESDの実践活動にSDGsを位置づけ、ESDの実践を通して課題を設定する力、多面的・総合的に課題を探究する力、課題を発信する力の育成を目標とした。

具体的には、既習の体験と新しい学びを関連付けて課題を解決する授業の実践を理科や生活科、そして総合的な学習の時間を柱に、主に①人権に係わる活動、②自然環境に係わる活動、③環境・エネルギーに係わる活動、④福祉に係わる活動を行った。その際、自分自身と地域とのかかわりを大切にし、地域で生きる2050年の大人づくりを意識して取り組んだ。

特に、ここ数年は課題を発信する力の育成に重点を置き、保護者及び地域へ発信する機会を設け実践に組み入れるようにしてきた。

 

①人権に係わる教育

コロナ禍において、子供たちがコロナで我慢した1年だったではなく、ひまわりがたくさん咲いた1年だったという思いをもってほしいと願い、「二小にこにこ ひまわりプロジェクト!」を実践した。今年度も児童会が取り組みの紹介を全校に行い、1人1人が種をまき発芽することから活動に取り組んだ。子供にとってより身近な活動になり、本校の特色として定着しつつある。この活動は、二小の全員が心を一つにしてこの困難を乗り越えるために、東日本大震災の後に咲いた「ど根性ひまわり」と阪神大震災の後に咲いた「はるかのひまわり」を育て、家庭での話題にしてコミュニケーションを深めるとともに、子供たちの心や地域に希望の花を咲かせるのが目的である。また、新型コロナウイルス感染症に関連するすべての差別や偏見、いじめをなくすことにもつながることを前面に出し、子供たちの心を育てることに力を注いだ。多くの子供たちが咲いたひまわりの写真を学校に届けてきた。メディアにも取り上げられ、多くの市民へ情報発信をすることができた。さらに、近隣の小中学校等でも実践したいという声が上がり、活動が多摩市内で広がりつつある。

 

②自然環境に係わる活動

本校のそばを流れる大栗川で、3年生総合的な学習の時間で「身の回りの生き物」調べを行った。どんな生き物が生息しているか調べる活動(ガサガサ体験)を通して、地域の自然のよさや生物の多様性についても考えることができた。また、川にゴミが多くあることから自然環境にも考えが発展した。活動においては、地域の市民団体である「水辺の楽校」の協力を得て、川の生態系や人と川が共存することの大切さについてのお話を伺い、より理解を深めることができた。

 

③環境・エネルギーに係わる活動

5年生は「大気汚染」「海洋汚染」「生き物」「ゴミ」「地球温暖化」の5つのテーマに分かれ学習を進めた。また、6年生は5年生での環境学習を土台として、「再生可能エネルギー」をテーマに活動に取り組んだ。地球温暖化の現状を知ると同時に再生可能エネルギーについて調べ、自分たちで工夫して発電に挑戦した。年間を通した活動を進めていく中で、考え学んだ成果を発信したい、再生可能エネルギーの重要さを多くの人々に伝えたいという思いが強くなり、「聖蹟桜ヶ丘イルミネーション点灯式」に参加することになった。(今年度で2回目)点灯式では、自分たちで発電した電気を使って、メッセージボードを点灯し、自分たちの広く発信することができた。新聞やテレビにも取り上げられ、子供たちは、自分たちの活動に手応えを感じ、達成感を味わうことにつながった。

 

④福祉に係わる活動

4年生は、「すべての人に健康と福祉を」というSDGs3のゴールを合い言葉に、様々な人が地域に生活していることに気付き、バリアフリーの視点をもって身近な地域から課題を見付け、探究していく活動を行った。地域の福祉施設の方を講師にお招きしバリアフリーの大切さを学び、車椅子体験、白杖体験、高齢者疑似体験等を通して、より身近にバリアフリーを感じるきっかけとなった。また、障害者理解教育は、オリンピック・パラリンピック教育として本校のレガシーとなっている。パラリンピックマラソン伴走者の方を講師としてお招きし、障害をもつ方の日常や補助の方法など多岐にわたって学び、これからの自分たちの行動を見つめ直すきっかけとなった。実践しようとする態度も育っている。

 

ユネスコスクールとして本校の課題であった国連の記念日に関連した取り組みについて、今年度は、児童朝会の話として取り上げ児童の心に響く講話として取り組んだ。以下、実施した記念日である。今後、どのような各記念日をどのように扱っていくか検討していきたい。

□世界識字デー □国際平和デー □世界子どもの日 □国際障害者デー □人権デー □教育の国際デー

来年度の活動計画

令和5年度も、各教科と関連させて総合的な学習の時間を中心に「身の回りから課題を見付け自分とのかかわりで課題を捉え、探究し、持続可能な社会の実現を心から願って行動できる児童」を活動テーマとし、ESDの実践活動にSDGsを位置づけ、ESDの実践を通して課題を設定する力、多面的・総合的に課題を探究する力、課題を発信する力の育成を目標として取り組んでいく。来年度の重点として、活動のゴールをより明確にするため、発信する力を育成するために、発信する場をさらに広げていくようにする。環境・エネルギーに係わる活動では、毎冬に行われている「聖蹟桜ヶ丘イルミネーション点灯式」及び「多摩市エコフェスタ」に参加する予定である。また、令和5年度は、学習発表会が予定されている。各学年が取り組んできた成果を保護者・地域に発信できる機会となる。

令和4年度に、ユネスコスクール加盟校定期レビューを行った。高評価をいただいたが、本校の課題として、国際デー、プロジェクトやキャンペーンの参加、他機関(ユネスコスクール間交流、教育委員会、ユネスコ協会等)の支援や協力を得ることなどが浮き彫りになった。令和5年度、どのように課題解決を図るかは未定であるが、実質的な活動として根付くよう計画していきたい。