• おおさかしりつたかどのしょうがっこう
  • 大阪市立高殿小学校

  • Osaka Municipal Takadono Elementary School
  • 種別 地区
  • 主な活動分野登録なし

所在地 〒535-0031 大阪府大阪市旭区高殿6−9−10
電話番号 06-6951-3344
ホームページ http://swa.city-osaka.ed.jp/swas/index.php?id=e681513
加盟年 2013

2024年度活動報告

活動分野

文化多様性, 国際理解, 平和, 人権, ジェンダー平等, 福祉, 貧困

本校は、学校目標を「自他を大切にし、確かな学力・豊かな心・健やかな体をもち、未来を切り拓く子どもを育てる」とし、ESD(持続可能な開発のための教育)の実践を通して自分で感じ考える力や、気持ちや考えを表現する力、多様な価値観を認め尊重する力、他者と協力してものごとをすすめる力を育み、さまざまな人たちと「ともに生きる」ことができる児童の育成に努めている。

具体的には、本校がこれまで取り組んできた実践に照らし合わせ、4つのテーマを柱に、①「仲間づくり」②「平和」③「文化の多様性」④「基本的人権の尊重」を中心に、学習を進めてきた。教科との関連性を重視し、各学年で重点的に行う学習を決めることで、小学校卒業時に4つの分野それぞれを深く学べるよう系統立てている。

 

①「仲間づくり」

自尊感情を高め、自分を大切にしようとする態度を養い、他者とのコミュニケーションに積極的に取り組もうとする力を育てることを目標としている。本校では、異学年交流を目的として、毎週木曜日に児童集会を行っている。児童集会では、運動やゲームをすることで、高学年が低学年に積極的に関わり、他者を思いやる心を育むことができた。また、低学年の児童も安心して他者とのコミュニケーションを積極的にとっている姿を多く見ることができた。児童集会以外にも、年に1回クラスで考えたお店を縦割り班でまわる「わっはっは祭り」を行っている。この活動では、責任をもって自分の役割を果たしたり、班で協力したりすることで自己有用感を高めている。

学習面では、各学年で毎年仲間づくりに関する学習を行っている。例えば、1年生では、「もちあじ」の学習を行っている。自分の「もちあじ」を考えることで、自分を大切に思う気持ちを養い、友だちの「もちあじ」を知ることで、仲間を大切にする意識を育んでいる。さまざまな活動を通して、周りにいる友だちと関わりながらお互いのちがいを認め合い、みんなの「もちあじ」を尊重できるようになることをめざしている。

 

②「平和」

世界で起きていることや自分たちの身の回りで起きていることに関心をもち、自らの考えをもって課題の解決に向けて積極的に行動しようとする態度を育てることを目標としている。毎年6月7日には、学校周辺でおきた「大阪大空襲」についての学習を各学年で行い、夏休みに入る前には、全校児童で平和集会を行っている。

3年生では、大阪大空襲での学校周辺の被害状況について地域の方からお話を聞き、地域にある慰霊碑を訪れた。また、各学年の実態に合わせて、「オキナワ」や「ヒロシマ」など、大阪以外の地域についての学習も行っている。中でも6年生では、1年生から積み重ねてきた平和学習のまとめとして、修学旅行で広島の地を訪れ、平和記念資料館の中を見学したり、被爆体験者の方のお話を聞いたりすることで、戦争の恐ろしさを学び、平和な世界を実現するために自分たちにできることについて考えた。

また、世界人権宣言が採択された12月10日の「世界人権の日」に合わせて、「高殿人権週間」を設定し、全学年で人権についての学習を行った。全校朝会では人権とは何なのか、子どもの権利条約から考えることができた。

 

③「文化の多様性」

世界の様々な文化に興味をもち、人々の暮らしにはちがいがあることを知るとともに、ちがいを認め尊重しようとする態度を育てることを目標としている。本校では、韓国・朝鮮を中心にさまざまな国にルーツをもつ子どもが多数在籍していることから、各学年で発達段階に合わせた取り組みを行っている。

2年生の取り組みでは、世界の様々な国の挨拶や遊び、民族楽器に触れる活動を通して、世界の文化に親しみ興味をもって学ぶことができた。5年生では、日本と韓国・朝鮮との関わりの歴史や創氏改名などを学ぶことを通して、自分らしく生きることの大切さについて考えることができた。ソンセンニム(民族講師)との交流も各学年で行っており、講堂で韓国・朝鮮の遊び(ペンイ・ユンノリ・チェギチャギ・トゥホなど)や楽器(チャンゴ、プク、クエンガリなど)、文化を教えてもらう活動も行っている。また、今年度は、各学年を対象にして多文化共生教育実践指導者の方に来ていただき、中国やベトナムの国土の様子や挨拶、遊びなども教えてもらうことができた。

 

④「基本的人権の尊重」

持続可能な社会の実現をめざして、すべての人は等しく大切な存在であるということを理解し、ちがいを認め合いながら豊かな人間関係を育もうとする力を育てることを目標としている。本校では「原学級保障」の考え方に基づき、障がい等の有無に関わらず、みんなが同じ教室で学ぶことができるようインクルーシブな教育環境を整備し継続して取り組んでいる。

インクルーシブ教育では、社会には多様な人がいて成り立っていることを知り、それぞれの人が感じる不自由さをどのようにすれば解消できるかを考える学習を行っている。4年生の取り組みでは、社会福祉協議会の方を講師として車椅子体験を行った。実際に乗ったり、介助したりする体験を通して、車椅子利用者の方や介助する方がどのようなことで困っているのかやその気持ちについて考えることができた。

来年度の活動計画

来年度も継続して、「仲間づくり」「平和」「文化の多様性」「基本的人権の尊重」の4つの分野について、教科との関連性を重視し、より高殿小学校らしいESDになるよう取り組んでいきたい。

高殿小学校では、各学期になかよし集会(人権集会)を実施しており、児童が自分たちの学習を振り返り、他の学年に伝え合う機会も設けている。集会の中で、4つの分野での取組がSDGsにつながっているということをより意識し、学習したことに自信を持ち、より主体的・探求的に学習を進められるように講話をするなどの工夫も行っていきたい。

過去の活動報告