2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

文化多様性, 国際理解, 平和, 人権, ジェンダー平等

当校は、学校目標を「自他を大切にし、確かな学力と豊かな心・健やかな体をもち、未来を切り拓く子どもを育てる」とし、ESDの実践を通して自分で感じ考える力や、気持ちや考えを表現する力、多様な価値観を認め尊重する力、他者と協力してものごとをすすめる力の育み、さまざまな人たちと「ともに生きる」ことができる児童の育成に努めている。

 具体的には、本校がこれまで取り組んできた実践に照らし合わせ、4つのテーマを柱に、①「仲間づくり」、②「平和」、③「文化の多様性」、④「基本的人権の尊重」の学習を行った。

①「仲間づくり」

 自尊感情を高め、自分を大切にしようとする態度を養い、他者とのコミュニケーションに積極的に取り組もうとする力を育てることを目標としている。1学期に行っているワッハッハまつりでは、1年生から6年生まででグループを作り、各学年で企画したブースを、スタンプラリーをしながらまわっていった。違いがあって当たり前、しかし、触れ合わないとなかなかそのことが実感できない。子どもたちは、ゲームや遊びという異学年での交流を通して、互いに違いを認め合っていくことができた。

 ②「平和」

 世界で起きていること、自分たちの身の回りで起きていることに関心をもち自らの考えをもって、課題の解決に向けて積極的に行動しようとする態度を育てることを目標としている。6年生の取り組みでは、平和学習として「大阪戦跡めぐり・ピース大阪見学」を行った。また、修学旅行では、平和記念資料館の中を見学したり、被爆体験者の方のお話を聞いたりした。他にも、難民への支援活動である「“服のチカラ”プロジェクト」に参加し、実際に古着を集め届ける活動を行った。
 世界人権宣言が採択された12月10日の「世界人権の日」に合わせて、全学年で人権についての学習を行った。戦争がない状態だけが平和なのではなく、世界自由の人々の人権が守られることが平和へにつながるということを、世界人権宣言や子どもの権利条約から学んだ。

 ③「文化の多様性」

 世界の様々な文化に興味をもち、人々の暮らしにちがいがあることを知るとともにちがいを認め尊重しようとする態度を育てることを目標にしている。1年生の取り組みでは、道徳科「学校へいくとき」や人権教育読本「ひと・つながり」の「こんにちは」を活用して、世界の国々のあいさつについて学習した。他には、ソンセンニム(民族講師)との交流を行った。講堂で韓国・朝鮮の遊び(ペンイ・コヌノリ・チェギチャチ・トゥホ・ピソッチギなど)を体験した。

 ④「基本的人権の尊重」

 持続可能な社会の実現をめざして、すべての人は等しく大切な存在であるということを理解し、ちがいを認め合いながら豊かな人間関係を育もうとする力を育てることを目標としている。本校では「原学級保障」の考え方に基づき、障がい等の有無に関わらず、みんなが同じ教室で学ぶことができるようインクルーシブな教育環境を整備し、継続して取り組んでいる。

 5年生の取り組みでは、車いす体験をした。事前学習として「障がい」と「病気」の違いなどについて話し合い、「バリアフリー」「ユニバーサルデザイン」など「障がい」は人の配慮や協力によって「障がい」でなくなることを学んだ。車いす体験では、自走体験と介助体験の両方を全員が体験した。2cmの段差ですら車いすでは乗り越えることが難しいことや、介助される際に持ち上げられる怖さを体験することができた。

来年度の活動計画

2019年度の実践をもとに、「仲間づくり」「平和」「文化の多様性」「基本的人権の尊重」の4つの分野について、1~6年生までの系統性や関連性を見直す、より高殿小学校らしいESDに取り組んでいくことができるようにする。また、各学期になかよし集会(人権集会)を実施することで、児童が自分たちの学習を振り返り、他の学年に発表する機会を設ける。さらに、4つの分野での取組がSDGs(持続可能な開発のための教育)につながっているということをより意識し、学習したことに自信を持ち、より意欲的・探求的に学習を進められるように、すごろくやカードを用いてSDGsに触れる学習を取り入れる。