2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 減災・防災, 気候変動, エネルギー, 環境, 文化多様性, 平和, 人権, ジェンダー平等, 福祉, 持続可能な生産と消費

本校は、「自己の生き方を考えることができる児童」を学校理念として、ESDを「探究的な見方・考え方を働かせ、人、もの、ことと関わる学習」と捉え、ESDの実践を通して「ものごとを思慮深く考え、判断する力」「コミュニケーションを行う力」「他者と協力する態度や他者とのつながりを尊重する態度」の育成を目標とした。また、多摩市子ども未来会議での発表・協議を見据え、学校全体でESDを推進してきた。
具体的には、それぞれの学習の中で、SDGs11「住み続けられるまちづくりを」を活動の共通テーマに掲げ、全校児童の意識を高めながら、それぞれの学年の目標に応じた資質・能力が高まるように活動を進めた。

① 身近な自然や地域社会に親しむ活動
公園でまつぼっくりやどんぐりなどを拾ってきて、飾りやけん玉、迷路等を作る活動を行った。自然物と触れ合い、その良さを生かして自分なりに工夫しながら工作をした。完成後は、友達と作り方や遊び方などを聞きながら交流活動を行った。また、学校の周りを探検し、自分が見つけたお気に入りの場所の良さを教え合う活動や、地域の人と触れ合う活動を行った。活動を通して、自分たちの生活が地域の人々と深く関わっていることに気付き、親しみをもって地域の人と接することができるようになり、自分が住む町への愛着がより深まった。

②地域社会を伝統文化や福祉の視点から捉える活動
地域や身の回りの生活に今も根付いている日本の伝統文化についてそれぞれの関心のある事柄について調べ学習を進め、その成り立ちや意味をお互いに伝え合う活動を行った。人々がなぜ伝統を継承してきたのか、先人たちの生きる知恵や身近な伝統行事や慣習の意味に触れ、畏敬の念を持つとともにこれからも伝統文化の良さを守っていこうという気持ちを深めた。また、自分たちが住む街を誰もが暮らしやすい街にするためにどのような工夫が隠されているのか、それぞれが自分の課題を設定して調べ学習を進めた。誰もが関わり合いながら共に過ごしていくための工夫を、様々な施設見学を通して学習した。障がいのある方、高齢者、妊婦や乳幼児を連れている人、外国人など、それぞれテーマを決めて探すと、今まで見ていた景色が全く違うものになり、自分には何ができるのかという視点で学習を深めた。

③ 米作りから環境問題を考える活動
地域の方をゲストティーチャーに迎え、日本の伝統食である米を作る学習活動に取り組んだ。調べ学習を通して、米作りの手順を知り、田おこしや代かきなど、一からの米作りに挑戦した。秋に収穫を迎えるまで、ネットを張ったり、かかしを作ったり、自分たちにできる工夫を考え、12月頃には、家庭科の学習と関連させながら保護者と協同して「収穫祭」を行い、収穫の喜びを十分に味うことができた。また、社会科の学習とも関連させながら、農家の方の話を聞く機会などを設けることで、農業というものを見つめ直し、自然と人間の共存について考えを深めた。

④地域と産業の学習から持続可能な社会づくりを考える活動
学校の農園で野菜を生産し、地域で販売する一連の活動を通して、農業の面白さ、やりがいを肌で感じ、持続可能な第一次産業の発展についての学びを深めた。無農薬で品質のよい野菜を育て、地域の多くの方に販売するために、関連図書やインターネットで調べたり、話し合ったりして、課題解決のための工夫・方法を見出し、実践した。また、従事者の減少・高齢化、劇的な環境変化に直面している日本の第一次産業の抱える課題に対して、自分たちには何ができるかを考え、校内や地域社会にむけて発信した。

来年度の活動計画

本校は、「自己の生き方を考えることができる児童」を学校理念として、ESDを「探究的な見方・考え方を働かせ、人、もの、ことと関わる学習」と捉え、ESDの実践を通して、「ものごとを思慮深く考え、判断する力」「コミュニケーションを行う力」「他者と協力する態度や他者とのつながりを尊重する態度」の育成を目標とする。
多摩市子ども未来会議の発表・協議内容を受け、それぞれの学習の中で、SDGs11「住み続けられるまちづくりを」を活動の共通テーマに掲げ、全校児童の意識を高めながら、それぞれの学年の目標に応じた資質・能力が高まるように活動を進める。具体的には「調べ学習」、「交流活動」、「発信」を柱に①身近な自然や地域社会に親しむ活動、②地域社会を伝統文化や福祉の視点から捉える活動、③米作りから環境問題を考える活動、④地域と産業の学習から持続可能な社会づくりを考える活動を行っていく。