所在地 | 〒187-0024 小平市たかの台2-1 |
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電話番号 | 042-342-2611 |
ホームページ | https://tokyo-senior.soka.ed.jp/ |
加盟年 | - |
2023年度活動報告
生物多様性, 海洋, 減災・防災, 気候変動, エネルギー, 環境, 文化多様性, 国際理解, 平和, 人権, ジェンダー平等, 福祉, 持続可能な生産と消費, 食育, 貧困, グローバル・シチズンシップ教育(GCED)
創価高校の世界市民探究(GCIS)では「私が世界を変えていく」とのヴィジョンのもと、ユネスコスクールが重点的に取り組む3つの分野への探究活動を通して、以下の資質・能力の育成を行います。
- 価値創造
- 主体性
- 負けじ魂
- チームビルディング
- リサーチリテラシー
- 課題発見力
<1年次の学び>
◯模擬タウンミーティング
正解のない社会課題を私事化していくための新たな取組として「原子力発電所再稼働について」を議題とした模擬タウンミーティングをクラス単位で実施しました。それぞれが賛成派(電力会社の代表、経済産業省の官僚、鉄鋼業界の代表、地方自治体の首長、気候変動対策の専門家)と反対派(環境保護団体の代表、被災地住民の代表、エネルギー経済学者、再生可能エネルギー、企業のCEO、医学者/健康専門家)の立場にそれぞれ分かれ、スタンスペーパーを作成します。その後中間報告会での意見交換を通じ、反対意見や同意ができそうな人等を分析したうえで、民主的な手続きを通して決議書の作成まで到達させることを目指します。
環境と経済という利害の衝突が発生する実社会の課題を、ニュースや統計を含めた文献を丁寧に調べながら私事化していきます。
<2年次の学び>
新カリキュラムの施行に伴い、これまでのGCISの4コースに理系的要素を加えて①企業・②大学/研究機関・③NGO/国際機関・④環境サイエンス・⑤数学/情報の5コースに再編しました。5つのコースから自分で探究したいコースを選択し、各コースで企業担当者や大学教授、NGO職員などの担当講師とともに1年間にわたって与えられたミッションに対して、1年間かけて設定された課題についてのアクションプランをグループで作成し、発表しました。
①大学・研究機関
SDGs課題に取り組む様々な分野の研究者の方から、現状と課題について直接指導をもらいながらアクションプランを作成します。テーマは、防災、農業、海洋、カーボンニュートラル、教育と人権など多岐にわたります。
②企業
企業経営者である卒業生から与えられたミッションにそって、企業として利益をあげつつ、社会貢献をしていくために、経営者としての視点からアクションプランを提示します。特に本年度からは農場経営者の方に加わっていただき、自然環境との接点を意識したテーマも加わりました。
③NGO・国際機関
UNICEF、JICA、世界銀行などの国際機関や、子ども食堂などのNGOではたらく卒業生から、それぞれの現場で抱える課題についてレクチャーを受け、解決策を考えます。気候変動と世界経済などサステナビリティに関わるテーマも複数設定されています。
④環境サイエンス
◎フィールドワークや実験など、実際に自分の手で行い、地元資料館・NPO法人など多様で多彩な専門家とタッグを組み、探究を進めました。メラミンスポンジを使っての海洋プラスチック寮の分析や、排せつ物の処理技術を応用しての環境保護、農業、医療への応用はじめ、玉川上水の温度変化と生態系の影響の研究などがテーマとして設定されました。
⑤数学/情報
数学に関する探究では「空間で成り立つメネラウスの定理」のように、すでに知られている定理を拡張したり掘り下げる型や、「円周率を何桁まで手計算で求められるか」など、すでに知られていることについて実際に確認したり理解を深める型を使用しました。また情報分野に特化して、アプリ開発やVRを使用してのプログラミングに挑戦したグループもありました。
<3年次の学び>
◯「卒業探究」成果発表会
環境問題や人権問題、経済問題、身近な関心のある社会問題等々、多岐にわたるテーマから自ら設定した課題テーマをもとに、1年かけて探究を進めます。綿密な情報のリサーチと探究を経て得た成果をポスターにまとめ、セッション形式で、1・2年生や保護者の前で発表しました。
<フィールドワーク>
本校では、核廃絶と異文化理解を中心とした「平和学習」を促進するためのフィールドワークを中心に設定しています。
(国 内)
◯留学生と行く浅草フィールドワーク
国籍が異なり、多様なバックグラウンドを持つ大学生・大学院生たちとともに、浅草への半日旅行を計画し、体験したあとプレゼンテーションを行う2日間にわたる英語プログラムです。同じものを体験しても感じるものが全く異なることを理解できました。
〇長崎フィールドワーク
夏季休業中に3日間に行われ、平和祈念館の見学や、活水高校との交流などを通じて、平和の心を学びました。長崎大学核兵器廃絶研究センター(RECNA)では核軍縮問題の第一人者鈴木達治郎先生より講義をいただき、より学術的な核廃絶の課題を理解することができました。
◯広島フィールドワーク
春季休業中に2日間で行われ、広島記念資料館見学や、現地・広島女学院高校と交流会をおこない、自分たちの世代の核廃絶の連帯を高めました。批判的思考力をいかしながら核廃絶学習を行ってきた生徒たちにとって、爆地・広島でのフィールドワークは、核兵器の非人道性を理解するために重要な機会となりました。
(海 外)
〇マレーシア語学研修
マレーシア公開大学で9日間に渡って語学研修を行いました。週末には現地学生のバディとの異文化交流に加えESDとして植物園の見学などを実施しました。また本年度開校となる姉妹校・マレーシア創価インターナショナルスクール(SISM)との交歓会を行い、今後本格化する学校間交流の第一回目の企画となりました。
◯クリティカルイッシューズフォーラム(CIF)
核廃絶問題研究機関をもつミドルベリー大学院モントレー校の提供する核廃絶平和教育プログラムを受講し、核不拡散に関する国際関係の枠組みや核兵器が社会に与える影響について考えをまとめ、アメリカ・カリフォルニアにて日米の高校生代表として本校生徒が発表しました。
(オンライン)
〇海外の同年代の人と英語で文化交流し、英語コミュニケーション能力を伸ばすためのプログラムです。マイブームや共通点探しなどの導入しやすい企画を通し、異文化理解の入り口を設定しました。
<GLP(Global Leaders Program)>
2、3年生の希望者による課外活動として、核兵器の使用によって起こりうる、環境や食料問題などをテーマに探究活動を行いました。若い世代に核廃絶の重要さを理解してもらうための企画を放課後の時間やオープンキャンパスを通じて企画、運営し啓蒙活動をおこないました。
来年度の活動計画
本校は、2022年にユネスコスクールキャンディデート校の認定をいただきました。本年度よりユネスコスクールの重点分野への探究の取組みを、理系クラス2年次でも理数探究プログラムをスタートしましたが、来年度は3年次にも地球規模課題をより多角的な視点から探究する活動をさらに充実させていきます。この点から、ユネスコが取り組む重点的な分野のひとつ「持続可能な開発および持続可能なライフスタイル」に注力した個人探究研究が期待されます。またコロナ禍があけて、マレーシア語学研修が再開に加え、今後はアジア近隣国へのフィールドワークも実施予定です。これまでの平和教育をより骨太にし、ESDへの取り組みも強化してまいります。