2019年度活動報告

本年度の活動内容

本校は、「郷土の発展に役立つ実践力のある社会人となるために、勤労を尊び、仲良く助け合い、豊かな情操と高い知性をもち、何事もやり抜く心身ともに健康な子どもを育てる」ことを学校教育目標として、ＥＳＤを「豊かな関わりを通して学習する理念と方法」と捉え、ＥＳＤの実践を通して「自立の力と共生の心を育む」力の育成を目標とした。

具体的には、海洋、環境，防災、生物多様性を柱に，①知床の海に関わる活動、②環境に係わる学習、③地震と津波に係わる学習、④外来種と熊に係わる学習を行った。

① 知床の海に係わる学習

　　水産業が盛んな地域である羅臼町の水産業について学ぶため、市場や水産加工場見学などの校外学習を行うとともに、漁業に携わる漁業協同組合青年部の協力を得て，羅臼で獲れる魚介類のさばき方を教えてもらったり，創作料理を一緒に作ったりする活動を通して水産自然や自然環境の守りながら漁業を営む人々の苦労や願いを知るとともに、これからの水産業の在り方を考えた。

② 　環境に係わる活動

自分たちが使う水道水の用途や量、送られてくる経路、水源を確保するための取組について浄水場の見学をとおして学ぶとともに、使った後の水のゆくえを調べ浄化槽のしくみにより再利用されたり、施設で処理されていることを企業や外部講師の協力を得て学んだ。
③　地震と津波に係わる学習

幼稚園や地域の方々と合同避難訓練を実施するとともに、６年生を対象に北海道教育大学釧路校の境教授とその研究室学生の協力を得て，地震により発生した津波についての学習を行った。この学習は「国後島があれば，津波の被害はないのだろうか」のテーマの下，大がかりな津波発生実験装置を使い、「普通の波」と「津波の波」の違いについて考え、地震が発生した際の自分がとるべき行動について学んだ。

④　外来種と熊に係わる学習

世界自然遺産の地に住む子どもたちが「自然豊かな羅臼」の価値について考え、それを守り維持する重要性について学ぶため、「知床財団」の協力を得て、日本の固有種とは異なる外来生物について学ぶ「ハチの学習」やヒグマの生息地であることを踏まえ，熊に遭遇した時の対処方法，熊を取り巻く生態環境について学んだ。

来年度の活動計画

基本的に今年度の取組である海洋、環境、防災、生物多様性を柱に活動を継続する。

・主に、「総合的な学習の時間」や「知床学（海洋教育）」を中心に各教科との関連付け横断的・総合的な学習をおこなうことを通して、自己の生き方を考えて行くための資質・能力を育成することを目指す。

・特に、海洋資源や自然環境について学ぶ取組について、土曜授業を生かした地域の人的・物的資源の積極的な活用を重点的に行い、学習内容の充実を図る。