2018年度活動報告
本年度の活動内容
国際理解, 平和, 人権, 福祉, 世界遺産・地域の文化財等, 健康, 食育, グローバル・シチズンシップ教育(GCED)
由比地区では、こども園、小学校、中学校を通じ15年で子どもを育てるという共通の思いをもち、子ども同士のかかわりを自然な形で設けたり、教職員の連携を取ったりしている。また、地域が「由比の子は由比で育てる」という高い意識をもっており、子どもたちを由比の宝として大切にしようとかかわっている。
そのため園では、園経営の柱の一つとして『地域との連携』を掲げ活動してきた。
望月人形店訪問 望月さんとの交流
由比には駿河人形の人形師である望月氏が園の近くに店を構えている。今年度は5回訪問(五月人形、七夕、重陽の節句、雛人形製作工程、雛人形)をさせていただいた。昨年度の年長組がたびたび訪れていて「年長になったら行けるんだ」という期待感を子どもたちが持っていて、自分たちが行けることを何日も前から楽しみにする姿が見られた。訪問時には五月人形や雛人形の話を中心として、日本の伝統文化や由来など様々な話をしていただいた。子どもには難しいと思われる内容も入っていたが、集中して聞くことができるようになった。繰り返し話を聞いていく中で子どもなりの理解が深まり、訪問するたびに「人形屋のおじさん」への親しみが増している。
望月氏は話をするだけではなく、園の教育に理解を示し、子どもたちが「魔法」として興味関心を深めていることを知ると、マジックを見せてくれるようになった。12月には望月氏のマジック仲間と来援し、ショーを見せてくれた。園が地域とのかかわりを大切にすると、地域も園に目を向けて心を寄せてくださるという温かさを感じる事例となっている。
また、今年度は年間を通して「海」を年間テーマにして保育を行っていった。子どもたちの心が動く体験をということで清水港に入港する「ノルウェージャンジュエル号」を見学にも行き、乗船していた多くの外国人の方々との交流を行った。様々な国籍の方がいることを知って驚いたり、一緒に写真をとったりする中で、子どもたちが海外に目を向けるきっかけともなった。砂場で泥だらけになりながら「ハワイ」を作ったり、運動会では海賊になって様々な島を冒険したり、協同的遊びでは自分達で冒険島を作ったりと、客船見学に行ったところからどんどん遊びが広がっていった。冒険島まではお互いに自分のイメージを伝え合い、協力したり、工夫したりしながら創りあげていくことで、協同性が大きく高まった。
上記以外にも旧東海道に設置されている由比本陣見学、デイサービス訪問、地域農家さんとの関わり、漁船乗船など地域の施設、人々に支えられながら園生活を送っている。子どもたちは日々の保育の中で自然とかかわっていて、保育者が「感謝の気持ちを持とう」「由比ってこういうところがいいよね」とあえて言わなくても、地域に対しての感情が高まっていっている。
来年度の活動計画
来年度も今年度の地域とのつながりを継続していく。以下の交流体験を計画している。
・地域の交流として
文化継承「望月人形店」「由比の寺院」「由比本陣・広重美術館訪問」
産業とのかかわり「由比漁港」「みかんがり、夏みかん狩り」
教育とのつながり「こども園間交流」「小中学校との連携」
福祉体験「地域のS型デイサービス訪問」「老人ホーム訪問」「敬老会参加」
・ESDカフェの開催(6月)