2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 気候変動, 環境, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解, 人権, ジェンダー平等, 福祉, 持続可能な生産と消費, 食育

本校は今年度より学校教育目標を「豊かなことばと心で社会を照らす子の育成」とし、社会に生きる中でそれぞれの立場で社会に役立つことを学校理念として,ユネスコスクールが重点的に取り組む3つの分野を通して,社会に目を向け,社会の中の自分の立ち位置を知り,実際に行動できる力の育成を目標とした。
具体的には環境教育(食育含む),人権教育(福祉を含む)を柱に,①地域の自然に係る活動 ②地域の伝統産業に係る活動 ③給食や京野菜に係る教育 ④人権に係る学習に取り組んでいる。

① 地域の自然に係る活動
校区に流れる高瀬川を題材に,水質や生態系,歴史,環境保全の取組について調べた。活動にあたっては,実際にフィールドワークに出か
けたり,高瀬川保勝会や府の環境課の方に協力いただいたりして水質調査を行った。また,地域の高瀬川保勝会の代表の方に高瀬川の環境を
守る取組など,お話を聞かせてもらった。
また,高瀬川の歴史から,その水運を生かして様々な物資が運ばれたことを学んだ子どもたちは,3学期には,地域の特産物や地場産業に
ついて調べていくことを予定している。

② 地域の伝統産業に係る活動
本校校区には、京都ならではの伝統工芸を営む地元の方が多くおられる。法衣、念珠、京扇子、仏像修復、茶筒、和菓子、金箔と数えていくと枚挙にいとまがない。その中でも和菓子、念珠に関しては毎年、子どもの体験活動でご協力をいただいており、今年度も3学期に実施する予定である。

③ 食育に係る教育
環境問題を考える上で,毎日出される食品ロスは欠かすことのできない大きな問題である。子どもたちは毎日食事をし,また,時に多くの食材を残してしまうことがある。給食指導の時間は,感謝の心と同時に,残さず食べる,自分が食べられる分だけ配膳するなど,直接環境問題を考え,行動できる絶好の機会である。毎日の給食指導を重要な環境教育と位置づけ開校当初より取組を続けてきている。
毎年5年生の総合的な学習の時間では,地元「京都」の野菜を自分たちで育て,おもてなし(自分たちで考えた京野菜メニューを調理し、地域の方々に食していただく)する活動を行っている。その中で,京野菜の生産者や販売を担う方にゲストティチャーとして来ていただき,環境要因と特色ある野菜の生産や,地産地消の環境的メリット,旬の野菜の味や栄養価についても学んできている。

④ 人権に係る学習
毎月「なかまの日」という人権について考える日を設定し,同和問題や総合育成支援教育,LGBTや男女平等に係る人権問題,いじめの問題などをテーマに学習を進めてきている。10月には各クラスで人権目標を考え,12月にはその成果を全校で共有する人権集会も開催し,子どもの人権感覚を高めるよう取り組んでいる。
2学期は9月に人権啓発参観として情報モラルの授業を全クラスで取り組んだ。GIGA端末(1人1台タブレット型PC)も導入され、本校では情報モラルについては1年生から適切な使い方や個人情報の取り扱いについて指導するとともに人権を基盤とした日々の授業を充実させていっている。
また、福祉教育の一つとして12月には3年生と地域の高齢者との交流会があり、コロナ前は、ふれあいサロンで実施していた。ここ3年間は、感染拡大防止のため、3年生の合奏発表を映像で贈り、高齢者による毛糸のポンポンで作った動物をいただくというお互いの状況に応じた活動をしている。

来年度の活動計画

来年度は、ウィズコロナを意識しながらも子どもたちの活動と学びを確かなものにしていく。これまでの豊かな地の利を生かした学習活動の継続に加え、時代のニーズに応じた学習に発展させていきたい。
① 地域の自然に係る活動
これまでの高瀬川学習を中心にSDGs目標を複数取り入れ、他教科・領域へのカリキュラムマネジメントを活かした活動に取り組む。
② 地域の伝統産業に係る活動
伝統と改革が織りなす京都の魅力ある産業に関わり、後世に残していきたい技術や芸術の基盤を受け継いでいく意識を活動の中で培っていく。
③ 食育に係る教育
京野菜プロジェクトの中で生産する大変さや販売、流通のことを学んでいく。その中には気候変動のことや食品ロス、飢餓問題などさまざまな切り口から発展した学習を計画していく。
④ 人権に係る学習
さまざまな人権問題を知り、高学年では、解決するためにはどうすればよいか論議していく。高齢者との交流、ジェンダー平等や障がいのある人へのインクルーシブ教育といった自分自身に関わることを身近なバリアフリーの工夫を通して考えていく。