2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 気候変動, エネルギー, 環境, 文化多様性, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 人権, ジェンダー平等, 貧困, グローバル・シチズンシップ教育(GCED), その他の関連分野

本校は「自調自考」、「国際人」、「高い倫理感」を学校理念とし、ESDをグローバル・イシュー解決の一助となる人材育成と捉え、その実践を通して地球規模の思いやりと自調自考力の育成を目標とした。具体的には、教科横断型アクティブ・ラーニング授業、サービス・ラーニング活動、国際高校生会議を柱に、①グローバル・シチズンシップに係わる活動、②次世代グローバルリーダーの育成に係わる教育、③世界遺産に係わる学習、④社会参画に係わる学習を行った。さらに、これらの教育活動をより活発化させ、志を同じくする国内外の学校や企業、教育団体とのネットワークを構築するために⑤オンライン国際イベント「学びのオリンピック SOLA 2021」(Shibuya Olympiad in Liberal Arts 2021)を開催した。

①グローバル-シチズンシップに係わる活動

例年、シンガポールに出向き、現地の高校生とSDGsに関する会議を行っているが、今年度もコロナ禍であったため、本校生徒の企画・運営によりオンラインで実施した。高校2年生は世界のトップ校の1つであるラッフルズ・インスティテューション、渋谷教育学園渋幕張高等学校と「言語」をテーマに会議を開催した。高校1年生はダンマン校の生徒と「環境教育」をテーマに会議を行った。その他、8月には高1生が台湾の臺北市立中正高中校が主催する国際会議にも参加するなど、他校や他団体が主催するオンライン会議に積極的に参加した。(主な活動分野:国際理解、GCED)

②次世代グローバルリーダーの育成に係わる教育

地球社会が抱える問題を理解し、その解決策を考えるアクティブ・ラーニング型の授業を行った。高1、英語科では「核兵器」をテーマに探究型学習を行い、米国フロリダのパートナー校の世界史の授業で使用する教科書を作成した。また、アジア、アフリカ、中東、欧州の様々な国から来た大学院生と議論を行い、発表につなげた。高2は、複数の教科が連携し、人権、環境、エネルギー、イスラム教などを複眼的に学んだ。こちらも海外の方を招いてインタビューを行うことにより各国の実情について認識した。以上の授業を通して、生徒たちは、課題解決のためには、深い学びと意欲が大切であると実感し、発信力も向上した。(主な活動分野:環境・エネルギー・生物多様性・気候変動・人権・平和・貧困)

③世界遺産に係わる学習

事前学習を十分に行った後、中学で信州、奈良に、高校では広島、九州に赴き、各地の世界遺産や地域遺産について学んだ。現地では研究テーマ別に集まったチームで活動し、インタビュー等を行った。研修後は、現地で取材してきたことをもとにプレゼンテーションや論文集作成を行った。(主な活動分野:世界遺産や地域遺産等)

④社会参画に係わる学習

これまでの経験と学びを活かし、地域社会が抱える課題の解決にむけた社会貢献活動に取り組み、その経験を通して学んだことを発信するサービス・ラーニング(社会貢献活動教育)を実施した。生徒たちは、豊かな日本でも起こっている課題について理解し、社会に参画する意欲と大切さを学んだ。(主な活動分野:GCED・地域貢献活動)

⑤SDGs達成に向けてのネットワーク構築

8月17日、本校はオンライン国際イベント「学びのオリンピック SOLA 2021」(Shibuya Olympiad in Liberal Arts 2021)を開催した。オリンピックがSDGs達成に必要な2大要素「多様性と協働」で成り立っているイベントであり、リベラルアーツがSDGs達成の鍵となる学問であること、そして「空」が世界を1つに繋げていることから名づけた。教員が決めたのはこの大会名と開催日だけで、それ以外はスローガンや種目の決定、バイリンガルの公式ウェブサイトの構築、要項やポスターの作成と募集、大会の進行等、企画・運営は徹底して生徒が行った。生徒が立ち上げた種目は、模擬国連、模擬G7サミット、ビブリオバトル、パーラメンタリーディベート大会、中学生Actions Not Wordsプレゼン大会、「冷戦について教科書を作ろう」プロジェクト、リバークリーンから見る環境問題、SDGsArtエキシビション、「気候正義」について考えよう、化学のバレットプロジェクトなど、合計で20であった。リベラルアーツということで内容は科学、数学、地理、歴史、美術など、多岐に渡ったが、いずれもSDGs達成を目指すというコンセプトで企画された。結果として、17ヶ国100校が参加するという非常に大規模なイベントとなった。また、17団体のサポート、40名のゲストの協力も得られ、国内外の学校関係以外のネットワーク構築にも成功した。

来年度の活動計画

2022年度の活動計画

①グローバル・シチズンシップに係わる教育

広島をテーマ相互理解の重要性と平和への思いを考えるプログラムを実施する。また、チームで考えた内容をアメリカの高校生に発信し、多様な考え方への理解を深める活動につなげる。また、これまでの経験と学びを活かし、地域社会が抱える課題の解決にむけた社会貢献活動に取り組み、その経験を通して学んだことを発信するサービス・ラーニングを実施する。豊かな日本でも起こっている課題について理解し、社会に参画する意欲を育む。(主な活動分野:国際理解・平和・GCED・地域貢献活動)

②グローバルリーダーの育成に係わる教育

地球社会が抱える問題を理解し、その解決策を考えるアクティブ・ラーニング型の授業を行う。複数の教科が連携し、人権、環境、エネルギー、貧困、戦争や紛争などを複眼的に学び、また校外研修や大学院生との議論を行い、さらに発表・プレゼンテーションにつなげる。課題解決のためには、深い学びと意欲の大切さを理解するとともに、実践的な発信力の育成に取り組む。(主な活動分野:環境・エネルギー・生物多様性・気候変動・人権・平和・貧困)

③世界遺産にかかわる教育

遺産をめぐる研修を実施し、その意義や残るための努力について理解を深める。また、現地の学校交流を通じて、次世代へつながるネットワークの構築をはかる。ユネスコ活動への理解を深め、ユネスコスクールの一員であることの重要性を理解する。(主な活動分野:世界遺産や地域遺産等)

④「学びのオリンピックSOLA 2021」により構築されたネットワークの活用

今回の成功で満足せず、そこから生まれた繋がりを活かし、SDGs達成に向けて活動を発展させていく。例えば、「気候正義」について考えようグループから発案された環境教育の推進を実現するためのアクションプランを考えて実施していく。また、オンライン国際会議や国際ディベート大会などを継続して開催することによってネットワークをさらに広げていく。