2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 気候変動, エネルギー, 環境, 文化多様性, 世界遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 人権, ジェンダー平等, 貧困, グローバル・シチズンシップ教育(GCED)

シンガポール ラッフルズ・インスティテューションと英語教育などについて議論を交わしました。シンガポール ダンマン校との会議の前にお互いの文化について発表し合いました。

2020年度の活動計画

本校は、「自調自考」、「国際人」、「高い倫理感」を学校理念として、ESDをグローバル・イシュー解決の一助となる人財育成と捉え、その実践を通して地球規模の思いやりと自調自考力の育成を目標とした。具体的には、教科横断型アクティブ・ラーニング、サービス・ラーニング、国際高校生会議を柱に、①グローバル・シチズンシップに係わる活動、②次世代グローバルリーダーの育成に係わる教育、③世界遺産に係わる学習、④社会参画に係わる学習を行った。

① グローバル・シチズンシップに係わる活動

例年、シンガポールに出向き、現地の高校生とSDGsに関する会議を行っているが、今年度はコロナ禍であったため、オンラインで実施した。9月23日(水) 29日(火) には、本校の高校2年生の運営により、世界のトップ校の1つであるラッフルズ・インスティテューション、渋谷教育学園渋幕張高等学校と「言語と教育」をテーマに会議を開催した。大学教授による基調講演と各校の研究発表の後、古典を学ぶ意義、言語の役割について議論を交わした。11月25日には、本校の高校1年生とダンマン校の生徒の運営により、上記の3校で、国際交流と「型コロナ禍における教育」と「古典教育の意義」をテーマに会議を行った。(主な活動分野:国際理解・文化多様性・GCED)

② 次世代グローバルリーダーの育成に係わる教育

地球社会が抱える問題を理解し、その解決策を考えるアクティブ・ラーニング型の授業を行った。中学1年生は、総合の時間にSDGsについての基礎を学んだ。中2は、総合の時間にSDGsについての冊子づくりをして、それをもとに17項目別のチームを作り、地球社会が抱える問題について解決策を考え発表した。高1は、英語科では「第2次世界大戦」をテーマに探究型学習を行い、米国フロリダのパートナー校の世界史の授業で使用する教科書を作成した。また、海外から来た大学院生と議論を行い、発表につなげた。さらに、社会科では、カンボジアの社会問題について調べ、専門家のアドバイスも受けて解決策を考え発表した。高2は、複数の教科が連携し、人権、環境、エネルギーなどを複眼的に学んだ。以上の授業を通して、生徒たちは、課題解決のためには、深い学びと意欲が大切であると実感し、発信力も向上した。また、本校では、例年、グローバルリーダーに必要な知識や視点を身につけることを目指して、全学年が参加できる特別講座を開設している。今年度は、京都大学大学院地球環境学舎の宇佐美誠教授を招き、「気候正義」について2日間のワークショップを実施した。(主な活動分野:ジェンダー平等・環境・エネルギー・生物多様性・気候変動・人権・平和・貧困)

③ 世界遺産に係わる学習

全学年を対象とした特別講座では、『テルマエ・ロマエ』の作者であるヤマザキマリ氏を招き、古代ローマに関わる世界遺産についての歴史と現況を学んだ。中学3年生は、「なら歴史芸術文化村」の設立に際して、世界遺産を中心に奈良の文化財修復の試みを学んだ。また、当該施設の常設イベントを提案した。以上の学習を通して、生徒たちは、世界遺産を資産として現代に生かす視点を獲得した。同時に、ユネスコ活動への理解を深め、ユネスコスクールの一員であることの重要性を実感した。(主な活動分野:世界遺産や地域遺産等)

④ 社会参画に係わる学習

これまでの経験と学びを活かし、地域社会が抱える課題の解決にむけた社会貢献活動に取り組み、その経験を通して学んだことを発信するサービス・ラーニング(社会貢献活動教育)を実施した。生徒たちは、豊かな日本でも起こっている課題について理解し、社会に参画する意欲と大切さを学んだ。(主な活動分野:GCED・地域貢献活動)

 

来年度の活動計画

① グローバル・シチズンシップに係わる教育

広島をテーマ相互理解の重要性と平和への思いを考えるプログラムを実施する。また、チームで考えた内容をアメリカの高校生に発信し、多様な考え方への理解を深める活動につなげる。また、これまでの経験と学びを活かし、地域社会が抱える課題の解決にむけた社会貢献活動に取り組み、その経験を通して学んだことを発信するサービス・ラーニングを実施する。豊かな日本でも起こっている課題について理解し、社会に参画する意欲を育む。(主な活動分野:国際理解・平和・GCED・地域貢献活動)

② グローバルリーダーの育成に係わる教育

地球社会が抱える問題を理解し、その解決策を考えるアクティブ・ラーニング型の授業を行う。複数の教科が連携し、人権、環境、エネルギー、貧困、戦争や紛争などを複眼的に学び、また校外研修や大学院生との議論を行い、さらに発表・プレゼンテーションにつなげる。課題解決のためには、深い学びと意欲の大切さを理解するとともに、実践的な発信力の育成に取り組む。(主な活動分野:環境・エネルギー・生物多様性・気候変動・人権・平和・貧困)

③ 世界遺産にかかわる教育

世界遺産をめぐる研修を実施し、その意義や残るための努力について理解を深める。また、現地の学校交流を通じて、次世代へつながるネットワークの構築をはかる。ユネスコ活動への理解を深め、ユネスコスクールの一員であることの重要性を理解する。(主な活動分野:世界遺産や地域遺産等)

④ 学びあいの実践

来年度は対面の国際会議を開催する予定であったが、コロナ禍のため予定を変更し、次世代リーダー育成を推進している国内外の高校を、本校を拠点としたオンラインで結んで、国際会議やディベートなどを行う「学びのオリンピック」を開催する。