2018年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, エネルギー, 環境, 国際理解, 福祉, 持続可能な生産と消費, 世界遺産・地域の文化財等, 健康, 食育, グローバル・シチズンシップ教育(GCED)

筑波大学附属坂戸高等学校(以下「本校」)では、総合学科高校だからこそ可能である多角的な国際教育のあり方を模索しながら実践を積み重ねてきた。そして、平成26年から5年間、文部科学省のスーパーグローバルハイスクール校(SGH)の指定を受けることになった。「グローバル社会において、自分は社会と将来どのようにかかわり、平和で持続可能な社会を実現するために、自分は何ができるか」を生徒自身が考え、実践できることを重視している。本稿では数ある取り組みの中でも特徴的な、インドネシア日本高校生SDGsミーティングと高校生国際ESDシンポジウムについて取り上げて紹介する。

 

1 日本インドネシア国交樹立60 周年記念事業 認定事業「第2回インドネシア日本高校生SDGsミーティング@ジャカルタ」

2回目となる本年度は、これまでの本校のインドネシアにおける実績から「日本インドネシア国交樹立 60 周年記念事業」の 認定をうけ、平成3089日、昨年に引き続き中央ジャカルタにあるインドネシア政府環境林業省のホールにおいて実施した。本大会でも、SDGsは、両国、各学校のESD活動をより具体的に位置づけ、それぞれの関連性を可視化するツールとして国を越えて機能した。

当日は、日本から本校、中部大学春日丘高等学校のSGH2校、インドネシアからは、ボゴール農科大学附属コルニタ高等学校、インドネシア政府環境林業省附属林業高等学校、南タンゲラン第2高等学校、ブカシ国立第1高等学校、ダルマガ国立第1高等学校、ウムルクロ高等学校の計6校、計8校が参加して実施した。各学校の課題研究の発表をSDGsと関連付け、ポスターセッションも日本における大会と同様に行い、これまで国際で実施してきたESDシンポジウムのノウハウを生かした国際シンポジウムを海外で運営することができた。

2 第7回高校生国際ESDシンポジウムおよび第4回全国SGH校生徒成果発表会

今年度は、平成30118日、筑波大学東京キャンパスを会場に実施した。シンポジウムの、メインテーマを、「SDGs × High School Students – What will you do to make tomorrow’sworld better. –」とした。

午前中は、国際連携協定を結んでいるインドネシア環境林業省附属高等学校、ボゴール農科大学附属コルニタ高校、フィリピン大学附属高等学校、そしてタイ・カセサート大学附属高等学校から各校のESDに関する活動報告を行った。今年度の特徴は、海外からの参加校が増えたことである。カセサート大学附属高等学校のカンペン校舎、そしてSingapore National Junior College2校が海外参加校として新たに加わった。日本の参加校からの誘いで、海外校の参加が増えたことは、SGHのネットワーキングの成果のひとつであろう。SDGsをメインテーマにしたことで、各校の活動が有機的にリンクした。

同日、第4回全国SGH校生徒成果発表会を開催し、各校の課題研究活動の成果をもちよりポスターで発表を行った。各校の課題研究活動が、SDGsの17の目標のどれにあたるかを各校のポスターに提示してもらい、テーマの明確化を図った。全国からの参加があり、海外校もいれると30校もの参加があった。

会場となった教室は満席となり補助席を出すほどの盛況で、熱心な議論が交わされた。進行はすべて英語で行われた。本校の連携校と他のSGH校の皆さんが交流を深められるような工夫も行った。本校の国際教育活動では「オープンプラットフォームスクール」を掲げている。本校がハブとなり国内外の多くの人が出会い学びあえる場を提供していきたい。

来年度の活動計画

本校は、総合学科高校の特性を生かして「オープンプラットホームスクール」をキーワードに、本校のグローバル人材育成のための教育課程開発を行うだけではなく、国立大学附属高校としての使命を果たすべく、「高校生国際ESDシンポジウム」および「SGH校生徒成果発表会」、「インドネシア日本SDGsミーティング@ジャカルタ」を主催することで、国内外の高校をつなぎ、課題研究ベースの交流を促進してきた。平成31年度は、その財政的支柱かつネームバリューであったSGH事業が指定期間を終了する。これまでの取り組みの成果をもとにして、交流校と手を取り合って自走しなければならない。交流校や近隣の中学校などがかつて本校が取り組んだESD Rice Projectに関心を寄せてくれていることから、各校が持ちうる資源を存分に駆使した背伸びをしないESD実践やグローバル人材育成にじっくりと取り組んでまいりたい。