2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 海洋, 減災・防災, 気候変動, エネルギー, 環境, 文化多様性, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 人権, ジェンダー平等, 福祉, 持続可能な生産と消費, 健康, 食育, 貧困, グローバル・シチズンシップ教育(GCED), その他の関連分野

2022年度の活動報告

本校は、「至誠」「質実剛健」「自治進取」を建学の精神として「高度な学力、豊かな感性、生涯学習者としての自覚を持ち、持続可能な社会の構築に至誠によって貢献するグローバルシチズン」の育成を教育目標としている。国際バカロレア(IB)のMYP(ミドルイヤーズプログラム)、DP(ディプロマプログラム)の認定校でもあり、グローバルな文脈を意識した探究的な学びを展開している。自らと地球規模の諸問題について主体的に考え、行動できるGlobal Citizenshipを養成するカリキュラム策定を実施している。

①宿泊研修においての活動

本校では、中学1年生・2年生は山形蔵王にてグリーンスクール、スノースクールを実施し農業体験、自然体験を実施している。また今年度は中学3年生が例年実施しているGlobal Leadership Program (カナダ研修)をコロナ禍のため中止とし、岩手県雫石市においての天文学習、小岩井農場にて持続可能な酪農産業見学、高田松原津波復興記念館での防災研修を行い、SDGsの観点からそれぞれの視点からのふりかえりを実施し、学園祭でそれぞれの学びと行動計画の発表を行った。

②総合的な学習の時間においての探究学習

学年ごとにSDGsに関する地球規模の課題に気づき、身近なところから行動する観点で総合的な探究学習を実施した。

○「マイ硯雄勝石プロジェクト」 〜雄勝硯の伝承と震災学習〜 (中学1年)

宮城県石巻市雄勝地域の雄勝石(おがついし)は600年以上の歴史と伝統が受け継がれている伝統工芸品である。生徒たちが硯にオリジナルのデザインを施し彫刻する特別授業を登米市にある東和蛍雪校舎にて実施した。東日本大震災発災当時石巻市立雄勝中学校校長でいらした佐藤淳一先生より、震災時のお話をいただいた。津波の大きな被害を受け、被災地となった雄勝地域の歴史と伝統を学ぶとともに、災害発生時に必要なことなどを考える機会となった。

○平和教育講演会 (中学1年〜高校1年)

「大切なもの 命・平和・教育 こどもたちの未来のために〜」

「NPO法人ルワンダの教育を考える会」理事長マリールイーズ永遠利さんを講師として、平和についての講演会を実施した。事前学習としてルワンダの大虐殺を扱った「ホテルルワンダ」を全学年で視聴した。講演会では内戦勃発時のルワンダの状況、マリールイーズさんの難民キャンプでの日本人医師との出会い、家族を連れて日本へ避難し、学校建設のためのNPOの活動に至るまでのお話を伺い、平和の実現のために必要なことをそれぞれが深く考える機会となった。高校部ではマリーさんの人生が“A Jurney to Peace”と題して掲載されている数研出版の英語CⅠの教科書を使用しているため特別交流会を設け、具体的な平和教育の実践や、ルワンダの現状など積極的な質疑応答が行われた。その後高校部の生徒は講演と交流会を受けてのEssayを完成させ、ルイーズさんに送った。

○ 気候変動講演会「キリバスから地球温暖化を考える」(中学1年〜中学3年)

みやぎ環境と暮らしネットワーク(MELON)出前講座として、日本キリバス協会理事 ケンタロ・オノ氏による 「地球温暖化最前線」と題してキリバスの現状と地球温暖化の原因、対策、現地の文化と伝統について講演をいただいた。キリバスの人々の暮らしが温暖化による海面上昇で土地が水没化し始めていることなど、具体的な現状について、またその豊かな文化と伝統についてもお話をいただき、それぞれが温暖化に対しての課題意識を持つことができた。

③特別活動

○駐日ウクライナ大使特別講演会(全校生徒対象)

平和教育の一環として駐日ウクライナ大使による、ウクライナの歴史と伝統、文化についての講演をいただいた。インターアクト部が平和の象徴として育てているひまわりも平和実現の一環としての活動であったが、当日は会場いっぱいのひまわりが飾られ、美しい芸術文化を持ったウクライナについて理解を深める機会となった。

来年度の活動計画

2023年度の活動計画

それぞれの研修活動および総合的な学習にSDGsの目標を掲げ、一連の活動を行う意義、また地域の特性を体感し実体験として身につく研修を行う。自然とふれあい、環境に関する意識を高めることや、グリーンスクールや植物工場など、農業収穫体験を通して食育に関する活動も行っていく。中学3年生で国際理解に関わる活動としてGlobal Leadership Programとしてカナダ研修を行い、グローバルな視点から物事を判断し考える素養を身につけるプログラムに継続的に参加していく。

次年度からは生徒会が中心となって年2回全校生徒で下記の2つの国際デーの活動企画をし、理解を深める。

○5月21日 国際お茶の日

世界各国のお茶文化について事前に調査、ユネスコ企画デーとして様々な国のお茶を味わうことで文化の多様性について理解を深める

○9月21日 国際平和デー

平和な文化づくりのために、全校生徒で平和をテーマとした絵葉書を書き、校舎内で共有する。美術、デザイン教育とのコラボレーションとして実施し、海外のユネスコスクールとも平和絵葉書の交換交流などを企画し積極的に交流していく。

他、各学年の総合探究の時間にSDGsを軸とした問題解決学習をすすめていく。学習した成果を振り返り、学内外で発表するとともにローカルとグローバルな文脈について読み解き、自ら行動できる人材育成を行う。