2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

減災・防災, 環境, 国際理解, 平和, 人権, 福祉, 持続可能な生産と消費

本校は、校訓である「勤労と創造」を学校理念として、ESDを教育における具体的な行動の指針と捉え、ESDの実践を通して自己実現と社会貢献を実現できる人材の育成を目標とした。具体的には、国際理解、環境、平和と人権を柱に次の取り組みを行った。

1.国際理解を深める活動
コロナ禍により、例年行っているアメリカやオーストラリアの姉妹校との相互訪問や、フィリピンやシンガポールでの研修プログラム等を実施することはできなかったが、国連UNHCR協会による難民支援についての授業や、途上国支援を行うNPO法人によるワークショップ、世界を舞台に活躍する社会人によるグローバルキャリア講演会などを通して、国際社会への関心を高め、平和や人権についての考えを深めた。

2.ボランティア活動
昨年度に続き、ユネスコスクール委員会やJRC部を中心に、世界寺子屋運動(ユネスコ協会連盟)や服のチカラプロジェクト(ユニクロ)への参加、ペットボトルキャップの回収等のボランティア活動を行った。さらに今年度は、ウクライナやルワンダへの募金活動や、卒業生と在校生が共同してフィリピンの貧困問題を扱う授業を行い、支援物資を送付する等の新たな取り組みも行った。これらの活動を通じて、コロナ禍においても一人一人の行動が社会貢献に資することを理解した。

3.持続可能な開発目標(SDGs)に係わる学習
総合的な探究の時間や社会科の時間を中心に、持続可能な開発目標(SDGs)を学習した上で、様々な社会課題について生徒同士が協働して考察し、表現する活動を行った。これらを通じて、国際的な課題についての興味・関心を高めるとともに、地球社会の一員としての自らのキャリアに対する思索を深めることができた。加えて、学年やコースごとに東北研修や地域創生プロジェクト等も実施し、持続可能な企業活動や防災や街づくりといった課題に取り組み、実社会の事象に根差した学びの機会を得た。

来年度の活動計画

・国内研修
高校2年生の研修活動(北海道、沖縄等)にSDGsの目標を掲げ、問題点を可視化し、その解決のプロセスを学ぶ。達成するメリットを事後学習でも再認識し継続的な研修とする。高校3年生では、2012年以来継続してきた東北研修旅行を実施し、事前の映画鑑賞(『有り、触れた、未来』)や被災地への訪問を通じて、防災や命に関して考える機会とする。

・海外研修
アメリカやオーストラリアの姉妹校との20年以上の相互交流を再開し、訪問する際には、単なる自己紹介のレベルではなく、自分たちが直面している問題(環境、SNS、人とのつながり等)の中にある課題をみつけ、解決に向けた具体的なアクションを検討し、自らの役割を考える。また、フィリピン研修では語学力を向上させるだけでなく、現地でのボランティア活動への参加を通して途上国の抱える問題に向き合う。

・ユネスコスクール委員会活動
世界寺子屋運動や服のチカラプロジェクト等への参加を通じて、国際問題や環境問題に関心をもつだけでなく、自らの身近なモノと小さな行動が社会課題の解決に資するという視点を持つ。

・手話講座等を通しての福祉教育
中学1、2年生での手話講座や、放送部や写真部による地域の福祉活動(ユニバーサルファッションショー)への参加等を通じて、福祉の必要性を理解し、他者への手助けが自らの行動への気づきにもなり、社会貢献になることを学ぶ。