2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 海洋, 減災・防災, 気候変動, エネルギー, 環境, 文化多様性, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 人権, ジェンダー平等, 福祉, 持続可能な生産と消費, 健康, 貧困, グローバル・シチズンシップ教育(GCED)

聖心女子学院初等科

本校は、「世界の一員としての連帯感と使命感を持って、より良い社会を築くことに貢献する賢明な女性の育成をめざします」という教育理念のもと、ESD、SDGsを日々の生活の中で実践していく力の育成を目指しています。
具体的には、国際理解、環境、人権を柱に、①ハイチ・デー(募金活動)の活動、②海外の姉妹校等との交流活動、③環境に関わる学習、④特別支援学校との交流 ⑤フィリピンの貧困に苦しむ方々への支援活動、⑥グローバルな活躍をする卒業生の講演 ⑦難民に古着を提供 等を行った。

①ハイチ・デー(募金活動)の活動[国際理解、平和・人権、環境、気候変動]
昼食のお弁当をおにぎりなど簡素なものとし、おかず分、 日頃のおこづかいの節約などで貯めたお金を募金する。1984年ハイチより来日された日本人シスターより、貧困に苦しむハイチの現状を知った児童達により始められた。児童会の活動として年3回全校参加で行う。
寄付金はハイチやフィリピン他、支援を必要としているアジア、アフリカの地域で働く聖心会シスターのもとに送る。困難な状況をおにぎり弁当を通して共有し、送り先の状況についても学ぶ。
7月4日、12月5日、3月6日に実施。

②海外の姉妹校等との交流 [ 国際理解 ]
聖心姉妹校の世界に広がるネットワークを活かして、姉妹校間での継続的な交流活動を行い、世界に向けて視野を広げ、お互いの文化・生活の違いや多様性に気づき、 世界の一員として生きる意識を深める。

国際もゆるという組織では、アメリカで日本語を学ぶ大学生と文通をする準備をしている。教師の指導のもとに、英語による自己紹介、日本の生活の紹介などの手紙を書き自国の文化についての理解も深める。異文化理解を通して交流を楽しむ活動としている。

③環境に関わる学習 [ 環境・生物多様性 ]
今年度は、5、6年生は清里高原、4年生は富士山麓で宿泊校外学習を行い、それぞれ現地での環境教育プログラムへ参加。清里の森での散策、富士山麓では寒沢の源流を尋ねるなど、自然を身近に感じ共生を考える体験となった。2年生生活科で近隣にある国立科学博物館附属自然教育園で四季折々に観察会を行った。手を入れていない自然溢れる環境の中、そこに生きる生物とその多様性について学び、その後の活動に活かした。

2年生国立博物館附属自然教育園 観察会 4月15日、6月21日、11月11、1月13日
都内でありながら、豊かな自然に恵まれた国立博物館附属自然教育園を散策し、昆虫や植物などの生態について学ぶ。観察を通して、自然を味わう感性も育む。

④特別支援学校との交流 [人権 ]
視覚障害のある児童・ 生徒との交流を通して、障害のある方々への理解を深め、共に生きる姿勢を育てる。放送委員会は、音声にかかわる活動という観点から、視覚障害のある方々との交流を行っている。
11月15日 久我山青光学園寄宿舎とオンラインで交流
視覚に障害があるとは、 どのようなことか、 障害のある方と共に生きるにはどのようにしたらよいかについて具体的に学んだ。今年度もオンラインを通しての交流とはなったが、互いに自己紹介し合い、ビンゴゲームをするなど楽しい時間を過ごした。

⑤フィリピンの貧困に苦しむ方々への支援活動  [ 国際理解 ]
音楽道具袋、辞書カバー聖書カバーのフェアトレード品の購入
フィリピンにある聖心会が貧困に苦しむ家庭を対象にして運営している現地の幼稚園の保護者ならびに卒業生の保護者に、児童が使用する音楽道具袋(1年生)、辞書カバー、聖書カバー(5年生)の製作を委託し、フェアトレード品の購入を進めている。保護者会で意図・趣旨を説明し、保護者の理解を得て、購入を通じて経済的な自立支援に協力してもらっている。
上記⑤の活動は上記①のハイチ・デーの活動と同じ地域のものなので、児童は色々な角度から継続的に学ぶことができ、理解を深め、 親近感をもってかかわることができている。共生の意識を高める重要な要素となっている。

⑥知らない世界に目を向ける[国際理解・貧困・平和]                   例年、1~4、5~8年生がそれぞれ「知らない世界に目を向けよう」をテーマに様々な方を招いて講演会を実施している。今年度、1~4年生には「国境なき医師団」で広報活動に従事している卒業生を招き、活動内容や仕事に対する思いを聞いた。「国境なき医師団」というとクローズアップされるのは医師たちであるが、事前に病院を建設するために奔走する人、資金調達のために広報活動をする人と医師を支える活動をしている方々が多くいることを初めて知り、新たな視点が生まれた。

⑦ユニクロ主催の「服のちからプロジェクト」参加 [国際理解、平和・人権、環境]
今年度も、同じキャンパスにいる高等科生徒会と共同で、リサイクルした服を集め、難民に届ける活動を行った。その活動を通して、難民や平和、人権について学ぶ。また、リサイクル活動は地球環境にも繋がることを行動することで身に着けていく。

⑧SDGsの意識を広める活動[国際理解、平和・人権、環境、気候変動、エネルギー]      児童会の自主的活動として、全校児童にSDGsの意識を浸透させるため、SDGsウィークを設定する企画が進行中である。SDGsの17のゴールのうち6つの目標を選び、一人一人が自分の選んだ目標に少しでも寄与できるよう活動を呼びかけ、行動に移すことを目的とする。1週間は、6つのゴールに合った色のアクセサリーやバッチを身に着け、廊下ですれ違う友だちや先輩後輩と対話ができるように仕組む。最後には、SDGsに関わるビンゴゲームを行い楽しい活動にする。

聖心女子学院中等科

教育理念にある「世界の一員としての使命感と連帯感をもってより良い社会を築くことに貢献する」に基づき、カトリック学校として、すべてのいのちはつながっているという視点をもって、視野を広げ、自分たちにできる活動を実践していく。

2022年度の学校目標を「私から私たちへ」とし、世界の一員としての意識の育成に努めた。
引き続きSDGsへの取り組みを深めている。中等科と高等科と連携しながら実践を深めている。
ウクライナでの戦争により、平和への意識を高め、自分たちでできる活動を模索した。
奉仕活動では、コロナ禍により制限はあったが、交流活動にも努めた。

①ジェンダー平等 女子校としてジェンダー平等についての学びを深めた。6月に講演会を行い、性の多様性について学びを深めた。

②中3生は校外学習を奈良で実施し、歴史と文化遺産についてSDGsの視点から学んだ。

③中2生が文化祭において、SDGsをテーマに取り組み、発表をおこなった。校外学習を日光で実施し、日光の自然環境について、文化遺産について体験的に学んだ。奉仕活動としては、障害のある方への理解を深めるために、聴覚障害者との交流と手話の学習、点字の学習、車椅子実習などを行った。

④中1生は「ハンナのかばん」のテーマで、ホロコーストについて学び、ウクライナでの戦争についても考えながら、平和について考えを深めた。奉仕活動としては、高齢者施設のためにレクリエーション用品を製作した。実際に訪問することはできなかったが、制作物を通しての交流を図ることができた。

聖心女子学院高等科

学校全体としてSDGsの視点を大切にし、今年度は目標を「私から私たちへ」として、世界の一員の意識を育成しています。
1.模擬国連 国際関係について学んでいる日頃の活動の成果を活かし、ウクライナ侵攻の勃発に際し、情勢のレポートを全校にプレゼンして、生徒会・奉仕活動委員会と協力して支援のための募金活動を行ったこと。
2.PFC  これは企業との連携も進めています。エコ素材によるランチバッグの開発をしている。また、エコ素材のファイルの制作。ビニール傘のリサイクル活動。7月には女子校3校で海の環境などについてのワークショップも実施。
3.GBCP  発展途上校でフェアトレードに取り組んでいる企業家とのコラボレーション
4.生徒会  ユニクロの「服のチカラプロジェクト」への初・中高全体での参加
5.奉仕活動委員会 毎月の10円募金 日本動物愛護協会などへ寄付
6.11年生長崎研修旅行  被爆地訪問を通しての平和学習
7.ハンセン病について学ぶ 11年生の奉仕活動 ではハンセン病について学び、元ハンセン病患者の方々のための朗読ボランティアをしている。 12年生は国立ハンセン病資料館の見学を行う
8.カンボジア学習 カンボジアの平和構築、アンコールワット世界遺産、現地の中高生とのオンライン交流、SDGsの視点での開発理解、ACCUの寺子屋識字教育のオンラインワークショップの参加
9.SOFIS 姉妹校との合同で「持続可能な町づくり」についてのワークショップ
10.Sacred Heart LIVEやVirtual Collaboration Program 海外姉妹校とオンラインで繋ぎ、SDGsなどについて発表やディスカッションを実施
11.姉妹校短期交換留学 アイルランド、アメリカとメキシコの姉妹校と短期交換留学を実施
12.オーストラリア語学研修 ホームステーをしながら現地の学校の授業を体験

来年度の活動計画

聖心女子学院初等科

2023年度活動計画

活動内容に記載した点を更に広げていく。また、新たなプロジェクトには積極的に参加する。

①ハイチデ―(募金活動) ハイチだけでなく、コンゴやケニアにも関心をもって繋がる。

②海外姉妹校との交流 インターネットを介しての活動が可能となっている昨今、さらに進めていきたい。コロナが収束しつつある中、海外姉妹校から中高等科に留学生が来日。直接関われる機会を増やしていきたい。

③環境学習の充実 校外活動が再開できるようになり、より活動を深め、自然環境や生物の多様性に関わる機会を増やしたい。

④特別支援学校との交流 コロナ禍でオンラインによる交流であるが、互いが楽しめるようなゲームを工夫するなど新たな活動となっている。来年度は、対面で出会えることを期待する。

⑤フィリピンの貧困に苦しむ方への支援活動 自分たちと立場が違う世界の人々に目を向け、共生の必要性を考える。

⑥国際的に活躍する卒業生の話を聞く 身近なロールモデルとして卒業生の話は児童の心を揺さぶる。卒業生を通して、世界に目を向け一歩を踏み出せるような機会をつくりたい。

⑦難民支援活動 難民を助ける活動への参加

⑧SDGsがあたり前にある生活を継続 周囲にも呼び掛ける

聖心女子学院中等科

来年度も教育理念とカトリック的視点に基づいて、学校活動全体を通して、生徒が視野を広げ、世界の人々と共に生きる姿勢を深めるよう、活動を進めていく。
奉仕活動、学年の総合的な学習、校外学習などで活動する。

①各教科での学習・実生活の場面で、SDGsの視点で考え、実践できることを探す。

②ジェンダー平等の意識、多様性について継続して学びを深める。異なる状況にある世界の女子について連帯感を育む。

③校外学習を通して、文化遺産、自然環境の保全についての学びを深める。

④この世界情勢にあって、平和についての意識を高める。特に中1では、「ハンナのかばん」の活動を継続し、平和について歴史を通して学ぶ機会とする。

聖心女子学院高等科

今までの活動の継続、またコロナ前の活動の再開を計画しています。

1.11年の長崎研修旅行などの校外学習の実地開催
2.カンボジア体験学習の現地での実施
3. アイルランド、アメリカ(複数校)、オーストラリア(複数校)、台湾への姉妹校短期留学
4. カナダの提携校との短期留学
5. カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの姉妹校への一年留学
6. オーストラリアのFCJ Collegeの団体受け入れ
7. Virtual Collaboration Programなど姉妹校とのオンライン交流の継続
8. SOFIS、PFCなどの活動の継続