2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 減災・防災, 気候変動, エネルギー, 環境, 文化多様性, 世界遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 人権, ジェンダー平等, 福祉, 持続可能な生産と消費

2.活動内容

  • 学習の題材として取り上げている分野:生物多様性、減災・防災、気候変動、エネルギー、環境、文化多様性、世界遺産・地域の文化財等、国際理解、平和、人権、ジェンダー平等、福祉、持続可能な生産と消費
  • 活動の概要

本校は、「知徳一体」(感謝の心・思いやりの心・自立の心を鍛える)「知恩・感恩・報恩」(周囲の人、先人、自然に対する恩を知り、感じ、報いる)「国際的日本人」(国際社会で活躍する日本人を育成する)の3つの理念のもと教育活動を展開しています。

本校におけるESDは、「温故知新Learn from the past, live in the present, plan for the future.」という考え方、すなわち、諸先人の方々の努力のおかげで今の私たちがあることを学び、いかにそれを現在に活かし、今後の未来の社会のために何ができるか。それらについて考え行動することができる生徒、持続可能な社会づくりの担い手を育んでいます。

 

  • 総合的な学習の時間:自分プロジェクト

本校では、中学3年間の総合的な学習の時間を「自分(ゆめ)プロジェクト」と名付け、未来を創造する知恵と逞しさを身に付けるオリジナルプログラムとして1年次で「自然」、2年次で「国家」、3年次で「世界・異文化」をテーマとして展開しています

1年生:「自然」をテーマに様々な視点から、講演「日本の森をまもるには」(森林研究・整備機構森林保険センター指導)について生物多様性、環境などへの理解を深め、グループで「森と人間社会研究」についての課題を取りあげ、その解決策について文化祭にてプレゼンテーションを行う。自然災害の視点からは防災避難生活体験を行う。具体的に「AEDの使い方」「テント&仕切りの組み立て」「簡易トイレの組み立て」「瓦礫&非常食」(以上柏市防災安全課、柏市消防局東部消防署光ヶ丘分署指導)、「地震、風水害、火災時の煙」(以上千葉県西部防災センター指導)を体験し、適切な判断をもつ。行動できる体験を積んだ。そのような状況下、飽きやすい幼児への絵本読み聞かせ体験などにも取り組む。このような経験のなか、自分史をまとめ、命の大切さについて考える機会をもった。

2年生:「国家」をテーマに、自国について「日本文化」を調べ、文化祭で発表し、世界遺産となる寺院、神社について「Minecraft」によりブロックを積み重ねPCによる文化遺産創作体験(関西研修代替)を行った。設計図を取り寄せ正確な創作をする生徒もいた。宮大工の技術の高さなど理解を深めた。『全私学新聞』第2530掲載、『日本教育新聞』10月22日掲載。

さらに、国家の一員として、自分のキャリアをどう創っていくか。各界で活躍する経験者(株式会社八天堂、ジャトー株式会社、サービス付き高齢者向け住宅「麗しの杜」、株式会社辻洋装店)から、現代社会の課題とその解決策について考える機会を得た。

3年生:1、2年次で国内の課題を踏まえ、世界へ目を向けた「世界・異文化」をテーマに取り組んでいる。現代も世界で多くの読者を集めるシェークスピア劇などの脚本家、舞台監督として活躍してこられた麗澤大学元教授ギャビン・バントック氏を監修として日本の昔話の実演に取り組み、世界のなかでの日本文化の魅力について研究を重ねてきた。

 

  • グローバルセミナー・サイエンスカフェ:中学1~3年生は西岡壱誠氏の講演(東京大学学生・著作家)を踏まえ、世界の第一線で研究にあたる東京大学柏キャンパスを訪れ(バーチャルによる研究室訪問)により、世界における研究の最先端について考え、今世界が抱える様々な課題を知る機会とした。

 

  • グローバルイシュー:高校5年IL(インターナショナルリーダー)コースにおいて、地球規模で取り組むべき課題・グローバルイシューとテーマに、日本に在籍する東京大学院や神戸大学院などから留学生5名(バングラデシュ、ベトナム、キルギス、タジキスタン)を迎え、さらにオーストラリア提携校Trinity Lutheran Collegeと意見交換を交えながら、約50時間以上にわたり、気候変動、ジェンダー平等などの課題研究に取り組み、まとめとしてプレゼンを試みた。その基礎訓練としてTokyo Global Gateway、オンライン英会話での情報収取も貴重な機会となった。

 

  • チャリティ活動

フェアトレード研究(生徒会SDGs研究会):フェアトレードコーヒーオンラインショップ開設 SDGs17の目標のうち「1.貧困の実現 16.平和と公正」の実現に取り組んだ。

校内では保護者会、本校ウェブサイトを通して、「フェアトレード」の仕組みや言葉が社会に浸透されていないことをから、活動と議論を重ね、手作りのデザインによるドリップバッグを完成させ、販売し、その活動に貢献することで大きな成果が得られた。(柏市民新聞、Jcom放送)

なお、本研究会は麗澤大学主催「高校生SDGsソーシャルビジネスコンテスト」で上記のフェアトレードコーヒー販売で大量に出る出がらしを再利用し、消臭剤などにして販売するアイディアが認められ優秀賞を受賞。

その他、小児ガン研究支援のためのレモネードスタンド(レモネードスタンド普及協会へ協力)についての学習会、株式会社ユニクロの「服のチカラ」(難民支援協力)、テラサイクル・グローバル財団 「ハブラシリサイクル」(LION)(環境改善)、コロナ禍によりタイ王国メイコック財団チェンライの児童養護施設継続を求める募金活動(教育支援)程度に活動が制約されたことは残念なことである。

来年度の活動計画

今年度はコロナ禍により活動に大きな制約があるなか、ユネスコスクールとしての10年間を振り返り、今後はユネスコスクールの1団体としてさらに国内外のユネスコスクールや関係団体と連携し、国際社会に貢献できる次の活動に取り組んでいきます。

学校の教育活動を通して一人でも多くの生徒が持続可能な社会づくりの担い手となる活動

家庭、学校、地域、国内、そして海外と連携したプログラムの展開