2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

海洋, 環境

本校は,教育目標を「心豊かで 自ら進んで取り組む たくましい児童の育成」とし,ESDを「未来を切り拓く力の土台となるもの」と捉え,ESDの実践を通して,「地域の自然や環境を見つめ,未来の大島を心に描きながら,環境と生活を振り返り,児童自らが様々な問題に気付くことができる」「問題の解決や探究活動に主体的,創造的に取り組む態度を育て,自己の生き方を考えることができる」児童の育成を目標としている。

具体的には,生活科や総合的な学習の時間を軸として,学校のある大島で生産される農産物や水産物に関わる体験活動を行っており,活動を通して地域や自然への関心をもち,環境や資源,社会とのつながりなどについて進んで考えられるよう,海洋教育を中心としてESDを推進している。

  • 海に親しむ活動

全校行事として,夏に「海に親しむ集い」を実施した。島内にある砂浜に行き,砂を使った造形活動や遊泳体験を行った。縦割り班ごとに,拾った貝殻や海藻などを活用しながら,巨大な砂の造形を行った。今年度は海開きがなかったことから,昨年よりも範囲を狭め安全に配慮して遊泳体験を行った。これらの活動を通し,自分たちが暮らす大島の海に親しみ,その豊かさを実感できるようにした。

  • 海を知る活動

低学年では島内を散策し,島内の自然に目を向けたり,貝殻などを採集し造形活動に活用したりするなどの活動を行った。中学年では島内の海岸に出かけ,生き物調べを行った。見付けた生き物や,興味をもった生き物についてさらに詳しく調べられるよう探究活動を行っている。

また,今年度も4年生以上は養殖体験活動を行った。6年生はホタテの養殖体験を行っている。ホタテの採苗器作りから始まり,前回は選別体験を行った。生態調査,収穫体験を通して,大島の海の豊かさを実感するとともに,生産者の話からおいしいホタテを作るために多くの工夫があることに気付くことができた。

  • 海を守る活動

5,6年生では,それぞれカキ養殖,ホタテ養殖体験を行い,養殖の歴史や生態を調べながら,生産者の話を聞いたり養殖体験を行ったりすることを通して,養殖に適した環境や海と山とのつながりなどについても考える機会となっている。

  • 海を利用する活動

体験活動を通して児童が疑問に思ったことは,学校で調べ活動を行ったり,専門機関と連携しお話を聞いたりして,さらなる児童の探究活動つながるようにした。生産者が抱える苦労や海水温上昇,それに伴う海の様子の変化等にも目を向け,自分たちの住んでいる大島の海から地球規模の課題についても考えることができた。

調べてきたことは他校と交流したり,自校で行っている海洋教育発表会の場で発信したりできるようにしている。

来年度の活動計画

来年度についても,基本となるのは今年度と同様,海洋教育のワカメ,カキ,ホタテの養殖体験活動を柱に,地域の人々との関わりを大切にしながら,大島の自然の豊かさ,海とともに生きる人たちの思いに触れる活動を展開することでESDを推進していく。また,5,6年生においては,今年度の6年生の海水温の上昇のように,地域人材から伺った地域の課題について視点を設け,それに応じたカリキュラムを計画的に組み替えていくようにする。また,海を通じて他の地域や国々とのつながりを意識させる活動や,より継続的な調査活動を取り入れ,児童の探究心を高めていきたいと考える。