2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

海洋, 環境, 持続可能な生産と消費

本校は,教育目標を「志高く主体的に学び育つ児童の育成」とし,ユネスコスクールが重点的に取り組む3つの分野を通して「地域の自然や環境を見つめ,未来の大島を心に描きながら,環境と生活を振り返り,自らが様々な問題に気付くことができる」「問題の解決や探究活動に主体的,創造的に取り組む態度を育て,自己の生き方を考えることができる」力の育成を目標とした。

具体的には,生活科や総合的な学習の時間を軸として,学校のある気仙沼大島で生産される水産物や農産物に関わる体験活動を通し,地域や自然への関心をもち,環境や資源,社会とのつながりについて進んで考えられるよう,海洋教育を中心としてESDを推進している。

  • 海に親しむ活動

全校行事として,9月に「海に親しむ集い」を実施した。自分たちが暮らす大島の海に親しみ,その豊かさを実感できるように,島内にある砂浜に行き,砂を使って巨大な造形活動を行った。その際,砂浜のごみや漂流物を拾い,自分たちの住む島がどれだけ汚れているか調べたり,ごみを拾うことで砂浜をきれいにしようとする意識を高めたりした。

  • 海を知る活動

4年生は,島内にある鳴り砂が有名な「十八鳴浜」に行き,ゲストティーチャーから鳴り砂の原理や歴史について話を聞いた。自分たちの住む地域への理解を深め,自然環境の神秘さ,大切さに気付くことが出来た。

また,今年度も4年生以上は養殖体験活動を行った。5年生はカキの養殖体験を行った。協力をいただいている漁師の方からカキ養殖の歴史についての講話を聞き,その後温湯処理の見学やカキ剥き体験を行った。体験を通して,大島の海の豊かさを実感するとともに,おいしいカキを育てるために多くの工夫があることに気付くことができた。

  • 海を守る活動

5,6年生では,それぞれカキ養殖,ホタテ養殖体験を行い,養殖の歴史や生態を調べながら,生産者の話を聞いたり養殖体験を行ったりすることを通して,養殖に適した環境や海と山とのつながりなどについても考える機会となった。

  • 海を利用する活動

体験活動を通して,児童が疑問に思ったことは,学校で調べ活動を行ったり,専門機関と連携してお話を聞いたりして,さらなる児童の探究活動につながるようにした。生産者が抱える苦労や海水温上昇,それに伴う海の様子の変化等にも目を向け,自分たちの住んでいる大島の海から地球規模の課題についても考えることができた。調べてきたことは他校と交流したり,今後自校で行う海洋教育発表会の場で発信したりしていく予定である。

来年度の活動計画

来年度についても,基本となるのは今年度と同様,海洋教育のワカメ,カキ,ホタテの養殖体験活動を柱に,地域の人々との関わりを大切にしながら,大島の自然の豊かさ,海とともに生きる人たちの思いに触れる活動を展開することでESDの推進をしていく。また,5,6年生においては,地域人材から伺った地域の課題について視点を設けたり,地球規模の大きな問題についても目を向けたりし,それに応じたカリキュラムを計画的に組み替えていくようにする。また,海を通じて他の地域や国々とのつながりを意識させる活動や,より継続的な調査活動を取り入れ,児童の探究心を高めていきたいと考える。