2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

環境, 国際理解, 福祉

※おくの義務教育学校は、ユネスコスクールであった奥野小学校と牛久第二中学校が統合し、令和2年度に開校しました。

(旧)奥野小学校

本校は,「今日より,いい奥野をつくろう」を活動テーマとして,ふるさとである奥野のよさを学び伝えるとともに,奥野を支える人材育成と奥野をよりよくするためのESDの実践を進めるものと捉え,持続可能で自然豊かなふるさとづくりのために主体的に活動・実践していく態度の育成を目標とした。
具体的には,総合的な学習の時間を通して環境・郷土教育と国際理解教育と関連させた活動を柱に,①アートマイル国際協働学習プロジェクトに係わる学習,②学校や周辺のビオトープに生息する生き物に係わる学習,③奥野の自然や川周辺の現況に係わる学習,④奥野の歴史や文化に係わる学習,⑤3~5年生までの学習とアートマイル国際協働学習から,奥野地区の自然や歴史,文化のよさを捉え直す持続可能な奥野の未来構想に係わる学習,⑥海外との英語を介しての交流に係わる学習を行った。

①アートマイル国際協働学習プロジェクトに係わる学習
本年度から,アートマイル国際協働学習プロジェクトの参加し,リトアニア西部,クライペダ市のサイモンダッハ校と共同で絵画制作に取り組んだ。児童たちは「壁のない豊かな世界」をテーマに,スカイプなどで学校同士の交流を図りながら,制作した。現在,サイモンダッハ校が絵画制作中である。完成した絵は,今年開催される東京オリンピックの会場に展示される予定である。

②学校や周辺のビオトープに生息する生き物に係わる学習
奥野小学校には,近隣中学校と会社所有のビオトープがある。その会社の外部講師を招き,それぞれに生息している生き物を観察した。本年度は,ビオトープに生息するトンボの観察,住みやすい環境などを調べ,奥野地区の生き物が生息していく環境のよさを再発見した。

③奥野の自然や川周辺の現況に係わる学習
奥野地区は豊かな森林や小川に恵まれている。外部講師を招き,森林・小川それぞれに抱える課題の現況を調査探求する。本年度は,地域に広がる太陽光発電に注目し,その状況から森林を保護するために自分たちができる森林を守る活動を考え,実践した。

④奥野の歴史や文化に係わる学習
奥野地区には多くの神社・史跡が存在する。外部講師や地域人材を活用し現地調査して,それらの歴史的価値のある文化財について探求した。本年度は,地域に伝わる鎌倉権五郎伝説を奥野地区の歴史的遺産を紹介しながら,劇で表現した。

⑤3~5年生までの学習とアートマイル国際協働学習から,奥野地区の自然や歴史,文化のよさを捉え直す持続可能な奥野の未来構想に係わる学習
本年度は,リトアニア西部,クライペダ市のサイモンダッハ校と交流することで奥野地区を紹介することで,奥野地区のよさを再確認できた。これからの奥野地区や世界がSDGsを意識した「壁のない豊かな世界」になるためへの「未来構想」を提言し,情報発信できた。

⑥海外との英語を介しての交流に係わる活動
本年度は,昨年度から交流していたオーストラリアのオレンジ市の生徒とリトアニアのサイモンダッハ校とスカイプ交流を行った。自己紹介や学校・地区紹介を行い,それぞれの環境の状況についての交流を行った。また,全学年でGTを招いた英語を介した交流学習と英語を介してスカイプ交流を行い,異文化理解を深めた。

 

(旧)牛久第二中学校

本校は、「夢と自信をもち,おくのを支え,未来にはばたく生徒の育成」を学校教育目標として、ESD(SDGs)を地域と連携した学習による地域貢献とその活性化を目指す諸活動と捉え、ESD(SDGs)の実践を通して地域に主体的に貢献しようとする態度,地域貢献に必要な手段・方法の理解・習得、地域貢献の方法を選択し実行する力の育成を目標とした。

具体的には、総合的な学習の時間を柱に,①環境・地域教育に係わる学習や活動、②国際理解教育に係わる学習を行った。

①  環境・郷土教育に係わる活動

〇古民家を活用した学習

SDGsの目標11に関する活動である。2年生の総合的な学習の時間では、過疎化と少子高齢化の進む地域の課題を解決することを目的とした学習を展開している。1年時に学区 内の古民家を基点とした地域活性化のためのプランを考案した。それを基に、2年時では、古民家を宿泊施設にするために,古民家の所有者であるNPO法人「アサザ基金」の協力のもと整備を進めていった。

〇地域との交流活動

SDGsの目標3に関する活動である。1年生の総合的な学習の時間では,地域の現状から福祉の充実の必要性を学び,奥野地区社会福祉協議会と連携し,健康に関する地域出前講座や秋の収穫祭,地域の高齢者を招いたお楽しみ食事会に参加し,地域交流活動を行った。

○歩く会
SDGsの目標11に関する活動である。地域「おくの(奥野)」を深く知るために、本年度も5月に「歩く会」を実施した。行程内で古くからある寺社仏閣や地域信仰について、地域の方や奥野小地区社会福祉協議会の方、市の文化芸術課の方から解説を受け、理解を深めた。

○おくのふれあいまつり
SDGsの目標11に関する活動である。地域活性化を目的とした「おくのふれあいまつり」の運営に生徒達が携わった。地域で活動する団体が実行本部となり、中学生も実行委員として企画・運営に参加し,地域の方々の交流の場を盛り上げた。

 

②  国際理解教育に関わる活動

○外国語宿泊研修
2年生が、神田外語学院の研修施設である「ブリティッシュヒルズ」(福島県)において、外国語宿泊研修を実施した。英国式の調度品や建築様式、生活様式にふれ、実体験することを通して異文化理解を深めた。そして、現地スタッフや外国人講師との英語による日常会話やレッスンを通して、英語に親しむとともに、言語活用・運用能力の向上を図った。

○JICA訪問活動
3年生では,つくば市にあるJICAの施設を訪問し,国際理解プログラムを体験するとともに,JICAで研修中の外国人の方々と昼食をともにしながら交流をもち,研修生の国について知ったり,日本や奥野地区の文化や特徴について英語で紹介したりする活動に取り組んだ。

③ESD(SDGs)に関する研修

○教員研修

ESDに関する活動を進めていく上で,教員の資質向上も重要である。そこで,改めてユネスコスクールの役割やSDGsに関する研修を行った。その際,県教育研修センターのESDに関する研修内容を生かし,本校の研修を進めていった。

○ESDカレンダーの作成

来年度からの義務教育学校化を見据えて,夏期休業中に奥野小の教員とカリキュラム・マネジメント研修を行った。総合的な学習の時間を柱とし,各教科との関連を考えカリキュラムの見直しをする中で,小学校のESDカレンダーの作成も試みた。後日,本校の研修においても,中学校のESDカレンダーの作成を試みた。 次年度の活動に生かしていきたい。

来年度の活動計画

(旧)奥野小学校

令和2年度から,奥野小学校と牛久第二中学校が「おくの義務教育学校」となる。来年度も「今日より,いい奥野をつくろう」を活動のテーマとして,今年度の活動を継続し発展させていきたい。具体的には,今年度交流したオーストラリアのオレンジ市の生徒とリトアニアのサイモンダッハ校と引き続き交流を深めていきたい。そこで,奥野地区のよさや課題を発信することで,お互いの環境の状況について交流し,SDGsを意識した持続可能で自然豊かなふるさとづくりのための「未来構想」を提言していきたい。

(旧)牛久第二中学校

令和2年度から,本校は,ユネスコスクールである奥野小学校と統合し,「おくの義務教育学校」となる。今後は9年間を通した,地域「おくの」に根ざした「環境・郷土学習」,「英語・国際理解教育」を柱とした活動を,継続・発展させていきたい。そのために次年度は,振り返りの充実を図り,評価を新たに取り入れることで,生徒の思考や変容を見取り,生徒のさらなる向上につなげていきたいと考える。その上で,SDGsを意識した持続可能で自然豊かなふるさとづくりのための「未来構想」を提言していきたい。