2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

環境, 世界遺産・地域の文化財等, 国際理解

1 学校紹介
本校は牛久市東部にあり、田畑や森林に囲まれた自然豊かな地区に位置している。近年、少子化等の影響から児童生徒の減少が続き、学校や地域の活性化のため、2014年から特色ある教育活動を目指すようになった。特色ある活動として、国際教育の充実、隣接する保育園・小学校・中学校との連携、地域との連携に力を入れ始め、これらの活動を強化していくために、学校をコミュニティースクール、小規模特認校とするなど、地域や行政と一体になり学校改革に努めてきた。そして、ESD(持続可能な開発のための教育)をさらに推進すべくユネスコスクールへの加盟を希望し、2018年の7月に承認された。今年度、2020年には隣接している奥野小学校と牛久第二中学校を統合し、おくの義務教育学校としてスタートを切ることになった。
おくの義務教育学校では、ESDの考え方をベースに以下に示すような様々な教育活動に取り組んでいる。

2 ユネスコスクールとしての本校の取り組み
本校では、持続可能な社会づくりの6つの構成概念を基に、ESDの視点に立った学習指導で、重視する能力や態度を明確にした一覧表と総合的な学習を軸としたカリキュラム表やSDGs(持続可能な開発目標)実践表を作成し、日々の教育活動に生かすようにしている。そして、本活動には日常化が大切であると考え、環境整備にも力を入れている。以下に主な取り組みや環境整備の一部を紹介したい。

3 今年度の活動概要
① SDGs実践表の作成
SDGsの17の目標を、本校の教育の柱である「環境」「人権」「国際理解」の3視点で分類し、実践学年と単元名を記入した。SDGsの17のゴールを意識した授業づくりを行い、児童生徒の中に「批判的に考える力」「未来を予想して計画を立てる力」「多面的・総合的に考える力」「コミュニケーションを行う力」「他者と協力する態度」「進んで参加する態度」を育んでいきたいと考える。

② 地域から学ぶ活動
活動は9年間を見通し、発達段階ごとにねらいと育てるべき力を明確にし、過疎化と少子高齢化の進む地域の課題を解決することを目的とした学習を展開している。この活動に対しては、地域住民やNPO法人とも連携し、学習に深まりや広がりを持たせるようにした。
7年生では、「総合的な学習の時間」において、「SDGs11住み続けられるまちづくり」について、「奥野から学ぶ」というテーマのもと活動を行った。前期課程のころから継続して古民家や荒地、商店跡地などを訪問したり、古地図や国勢調査データで調べたりすることで地域の現状を知り、地域の課題について考えを深めた。

③ 世界に触れる活動
子供たちの国際理解を広げる目的で、第1学年と第2学年はワールドキャラバン国際理解教育を、第3学年、第4学年はJICA筑波国際協力出前講座を活用した。世界には様々な文化や生活があることや、世界が抱える問題について知ることができた。

④ アートマイル国際協働学習への参加
2019年度よりジャパンアートマイルの国際協働学習に参加している。今年度も第6学年がインドネシアの学校と国際協働学習を展開し、海外の学校と協力し合いながら壁画作成に取り組んだ。本活動は、海外の同世代と、共通のテーマで議論し、新しい価値を創造する力を育てることをねらいとした学習である。また、今年度はこの学習に地域の課題について考える学習を加え、「think globally act locally」という考え方を子供たちの中で育て高めてきた。

来年度の活動計画

来年度も生活科、総合的な学習の時間を中心に、本校の教育の柱である「環境」「人権」「国際理解」を推進していく。中でも、アートマイル国際協働学習に参加し、海外の学校とインターネット等を使い、SDGsを念頭に置いた協働学習を行い、世界の人々に訴えかける壁画を共同制作する。活動を通して、異文化を理解する力や多様な他者と協働する力、自国文化への誇り、グローバルな視野を育みたい。他国の子供たちと一緒に取り組むことによって自分たちが宇宙船地球号の一員であることの自覚が芽生え、ひいて様々な人に対しても、そこで生じる様々な違いを肯定的に受容しようとする心情を養っていきたい。