2018年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

減災・防災

「自らの命を守り、地域とともに生き抜く防災教育」を活動テーマとしている。自分と他者の命を守る判断力を高め、地域とのつながりを深める場と捉えた、ESDの実践を通し、地域の一員として思い合い・助け合う心の育成を目標とした。

具体的には、①東日本大震災から学ぶ ②防災マップの作成 ③地区総代や市防災課との話し合い ④防災シンポジウム を行った。

① 東日本大震災から学ぶ

石巻市立北上中学校元校長 畠山卓也氏を招請し、実際の被災地の様子についてご講演いただいた。「てんでんこ」が大事で、「それぞれが自分の命に責任をもつことが大切」というお言葉には、辛い震災を経験された命の重さを感じた。また、「災害は想定を超えてくる。」ということも教えていただき、各家庭での話し合いや、防災マップの大切さを感じた。

② 防災マップの作成

畠山氏の講演を受け、1年生は実地調査をし、特徴を捉えた各学区に活きる防災マップを作成した。2年生は、各家庭で防災会議を開き、最寄りの避難所の確認、必要な備蓄品などを話し合い、家庭での約束事を「我が家の防災マップ」にまとめた。

③ 地区総代や市防災課との話し合い

震災時に命を守るためには自分たちの力だけでは難しく、地域全体で助け合うことの必要性に生徒たちは気付いていた。そこで、学区の総代会長と岡崎市の防災課の方を招き、お話をうかがう場を設けることとした。

総代会長との話し合いからは、地域の方の声を直接聞く貴重な機会となった。地域コミュニティーを活性化させ、日頃から挨拶や声掛けをしたり、地域行事に参加したりして、助け合える関係づくりに取り組むことが大切であると生徒たちは気付いた。

市の防災課の方からは、南海トラフ地震の際に市内や南中学区の被害予想について聞いた。備蓄や家具の固定などの各家庭における実施という課題が見えてきた。また、災害時の避難所では、子供がする活動は避難された方たちに受け入れてもらいやすく、中高生の力が必要であるという言葉から、自分たちが動かなくてはという思いを強くした。

④ 防災シンポジウム

各学年の防災学習の集大成として、文化祭で防災シンポジウムを行った。シンポジストとして、学区の総代会長並びに総代副会長、岡崎市防災課長、学校に隣接するイオンモール岡崎の防災担当者を招いた。各学年の学習発表に続いて、シンポジストとの総括討論を行い、意見交換をしたり、助言をいただいたりできた。最後に、防災学習を継続し、地域とともに生き抜く力を高めていこうと決意表明を行った。

来年度の活動計画

来年度も、本年度の実践を基に、防災学習を継続していく。学区の防災マップは、最新の学区状況を調べ、更新する。そうして、地域に根ざした防災意識を高めていく。また、地域へ発信したり、地域の方と関わったりする場を充実させることで、防災シンポジウムをより内容の充実したものにしていきたいと考えている。