2018年度活動報告
本年度の活動内容
環境, 平和, 人権, 福祉, 持続可能な生産と消費, 減災・防災, 世界遺産・地域の文化財等, 健康, 食育
本校は、「未来に目を向け、問題解決力を高める児童の育成」を研究主題とし、ESDを「よいことを未来につないでいく活動」と捉え、生活科・総合的な学習を軸としたESDの実践を通して、子どもたちの問題解決力の育成を目標とした。具体的には、地域を愛する心、生きる力、安全・安心な環境づくりを柱に、①防災に関わる教育、②食に係わる教育、③地域に係わる学習、④平和に係わる学習を行った。
①防災に係わる活動
3年生は、地域の消防団に焦点をあて、消防団員の減少という課題を考えながら、地域の安全・安心を未来につないでいく「かっこいいな、消防団」の学習に取り組んだ。老津消防団の方面隊長や女性消防団の方にお越しいただき、消防団の役割について教えていただいたり、器具庫や放水訓練の見学をしたりした。消防団は地域になくてはならない存在だと感じるようになり、老津消防団を未来につなげたいという気持ちが高まった。
②食に係わる教育
2年生は、生活科で「やさい、だーいすき」の実践を行った。生活科の単元「花や野菜を育てよう」に当たる単元であるが、子どもたちの野菜嫌いという課題を克服し、野菜を食べることが好きになる授業内容を3つ加えた。①地域の野菜博士に元気でおいしい野菜作りの方法を学ぶ②栄養教諭に野菜パワーについて教えていただく③子どもが大好きなカレーに入れることでどの子も食べる体験ができる、という内容である。実際に作ったカレーは、どの子も完食で、「家でも作って食べたい」と大好評だった。
③地域に係わる学習
4年生は、社会科の「郷土の発展につくす」という単元をESDの視点で捉え、「先人の苦労と努力を未来につなげる」総合的な学習に取り組んだ。かつては漁業が盛んだった地域が、どうして現在のような農業が盛んな地域へと変化してきたのか、昔の地図や郷土史から疑問に思ったことを調べ、さらには地域の古老から聞き取り調査をして追究していった。そして、自分たちが調べてわかったことを新聞やプレゼンテーションにまとめ授業参観で発信した。学びを発信してよかったという自己肯定感の高まりを感じた。
④ 平和に係わる学習
6年生は、社会の太平洋戦争の学習から豊橋が受けた空襲の被害について学んだ。さらに、地域の近くでも渥美線電車機銃掃射事件という戦争被害があったことを知り、どのような被害だったのかを証言集をもとに調べ学習を進めていった。被害者の遺族や事件のあった電車に乗り合わせ助かった方などから話を聞いたり、事件のあった現地へ出かけて話を聞いたりした。これらの学習を通して、戦争のない平和な世界をつなげていくにはどうしたよいか考えた。
来年度の活動計画
30年度に実践してきたESDの取り組みを、引き続き31年度も継続して行っていく。協力していただいた地域ボランティアや地域の団体にも続けて協力をお願いしていきたい。そして、子どもたちの学びを、家庭や地域に発信していきたい。
課題として上がっている「批判的思考力」の育成のために、対立場面を生む単元構想の見直しを継続していく。生活科や総合的な学習の単元としてだけでなく、他教科とも関連させながら、教科横断的な展開を図っていきたい。