2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 海洋, 減災・防災, 環境, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 福祉, 持続可能な生産と消費

本校は,「地域の人々や自然との触れ合いを通して,課題を見付け,粘り強く,主体的に追究しながら,自己の生き方に活用していくことができる児童を育てる」をねらいとして,活動を推進している。具体的には,地域,環境,福祉,防災を柱に,①大谷の地域づくりに関わる活動,②海に関わる活動,③高齢者や障害者に関わる活動,④防災に関わる活動を行った。

① 大谷の地域づくりに関わる活動

低学年は,地域に親しむことを目的としている。学校周辺のまち探検や,地域の遊び場である「気仙沼あそびーばーの会」の活動を知る学習など,身近にある施設や地域の方と関わる活動を行っている。

中学年は,地域について知ることを目的としている。ワカメの養殖体験や海岸の清掃活動など,実際に現地に行って調べたり,体験したりする活動に取り組んでいる。また,漁業に従事している地域の方をゲストティーチャーに招き,話を聞く活動を行っている。

高学年では,より深く地域に関わり貢献できることを目的としている。地域のNPO団体の方々と連携して漁船の見学や海浜植物の移植を行った。また,これまで学んだことを基に大谷地区内の伝統や文化,自然に関する特徴をまとめ,未来の大谷のまちづくりに生かすことができる活動を考え,広く発表している。

② 海に関わる活動

震災後,一時休止していた「海に親しむ集い」を復活させ,地域の方々の協力を得ながら実施している。昨年度は新型コロナウイルス感染症防止のため,6年生のみの実施だったが,3~6年生児童を参加させ「海に親しむ活動」を行った。震災前に比べると規模は小さくなったが,異学年集団で分担しながら大谷海岸の清掃や砂の造形活動を行うことで,海のよさや海とのつながりを感じ取らせ,海への親しみを持たせることができた。また,3年生のワカメの養殖体験や,4年生の海岸のごみ調査活動に加え,1・2学年合同での磯遊び体験,5学年の漁船見学,6年生の海浜植物移植など多岐に渡って海に関わる活動を行った。実施後にはそれぞれの学年で新聞やリーフレットなどにまとめて,自分が感じたことや今後取り組んでいきたいことを発表する活動を行っている。

③ 高齢者や障害に関わる活動

3年生の総合的な学習では,地域の高齢者と関わり,「自分たちができること」を考えることを目的として,キャップ・ハンディ体験や車椅子体験を行っている。また,4年生の総合的な学習では,視覚障害者の疑似体験等を通して,目の見えにくさや階段などの段差の危険性に気付かせるようにしている。それらの体験を基に学習課題を設定し,個人やグループで福祉について考えまとめ,発信している。3年生については,例年,近隣にある高齢者福祉施設で交流会を行っているが,今年度は新型コロナウイルス感染症の影響で施設訪問ができなかった。そのため,施設職員による講話や高齢者疑似体験を通して分かったこと,気付いたことを新聞にまとめ,発表会を行った。

④ 防災に関わる活動

「自分の身は自分で守る」を合言葉とし,学校行事として,下校時の避難訓練や災害時の引渡し訓練,幼稚園,中学校,公民館,地域の方々と連携した合同避難訓練を行った。また,必要に応じてショート避難訓練を行い,日常的に安全,防災に対する意識を高めている。3学年以上では,総合的な学習の時間の中で,校舎内や大谷地区内で災害発生時に予測される危険性や常に備えるべき備蓄品について調べたり考えたりし,新聞やレポートなどにまとめて地域の方々に発信している。

来年度の活動計画

次年度も各学年の活動計画で「地域」,「環境」,「福祉」,「防災」に関する活動内容を取り入れる。1学年・2学年では主に生活科の中で,3学年以上は主に総合的な学習の時間の中で行う。活動を通して身に付けさせたい力を系統的に整理し,カリキュラム・マネジメントを図りながら取り組む。

1学年・・・「なつがやってきた(地域)」

「いきものとなかよし(地域)」

「あきのおもちゃまつりをしよう(地域)」

2学年・・・「どきどきわくわくまちたんけん(地域)」

「生き物なかよし大作せん(地域)」

「大谷のいいところ つたえよう(地域)」

3学年・・・「地域の名人に学ぼう(地域)」

「まちのお年寄りと仲よくなろう(福祉)」

「身近な場所の避難の仕方を考えよう(防災)」

4学年・・・「エコプロジェクト~大谷の海の環境を守るために~(環境)」

「障害について考えよう(福祉)」

「校内の防災について考えよう(防災)」

5学年・・・「大谷の環境について考えよう(環境)」

「大谷の防災について考えよう(防災)」

「大谷の伝統 鼓笛隊(地域)」

6学年・・・「探ろうふるさと 考えよう未来の大谷(地域)」

「『災害』自分たちができること(防災)」

「大谷の伝統鼓笛隊(地域)」

学校行事としては,地域と連携した避難訓練や「海に親しむ集い」などを実施する予定である。今年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響で,一部計画を変更して活動を実施した。次年度も感染対策に留意しながら地域や校種間の「つながり」を意識した活動を計画している。